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詩経 / 大雅・文王之什・棫樸

《棫樸》,文王能官人也。 芃芃棫樸,薪之槱之。濟濟辟王,左右趣之。 濟濟辟王,左右奉璋。奉璋峩峩,髦士攸宜。 淠彼涇舟,烝徒楫之。周王于邁,六師及之。 倬彼雲漢,為章于天。周王壽考,遐不作人。 追琢其章,金玉其相。勉勉我王,綱紀四方。

新字:《棫樸》,文王能官人也。 芃芃棫樸,薪之槱之。済済辟王,左右趣之。 済済辟王,左右奉璋。奉璋峩峩,髦士攸宜。 淠彼涇舟,烝徒楫之。周王于邁,六師及之。 倬彼雲漢,為章于天。周王寿考,遐不作人。 追琢其章,金玉其相。勉勉我王,綱紀四方。

書き下し

棫樸(よくぼく)は、文王能く人を官にするなり。 芃芃(ほうほう)たる棫樸、これを薪(まき)にしこれを槱(つ)む。済済(せいせい)たる辟王(へきおう)、左右これに趣(おもむ)く。 済済たる辟王、左右璋(しょう)を奉ず。璋を奉ずること峩峩(がが)たり、髦士(ぼうし)の宜しとする攸(ところ)。 淠(へい)たる彼の涇(けい)の舟、烝徒(じょうと)これを楫(かじと)る。周王于(ここ)に邁(ゆ)けば、六師これに及ぶ。 倬(たく)たる彼の雲漢(うんかん)、章を天に為す。周王寿考(じゅこう)、遐(なん)ぞ人を作(な)さざらん。 追琢(ついたく)其の章、金玉其の相(すがた)。勉勉(べんべん)たる我が王、四方を綱紀す。

現代語訳

「棫樸」の詩は、文王がよく人材を官職に任じたことを歌ったものである。 盛んに茂るたらの木とくぬぎを、薪として刈り、積み上げる。威儀ある立派な君王のもとに、左右の臣下が駆けつける。 威儀ある立派な君王のために、左右の臣下は祭りの玉器(璋)を捧げ持つ。玉器を捧げる姿はおごそかで、優れた士にまことにふさわしい。 涇水(けいすい)を軽やかに進むあの舟は、大勢の漕ぎ手が櫂を操る。周の王が出陣すれば、六軍の兵がそれに続く。 はるかに明るい天の川は、天に美しい模様を描く。周の王は長寿を保たれる、どうして人を育て上げずにおかれようか。 彫り刻み磨き上げたその模様、金や玉のようなその姿。たゆまず努める我が王は、四方の国々を治め整える。

解説

文王のもとに優れた人材が集い、祭りにも戦にも力を尽くすさまを歌う。薪を刈って積み上げ天を祭る場面に始まり、臣下が玉器を捧げて祭祀に仕え、舟の漕ぎ手が息を合わせるように六軍が王に従う。天に模様を描く天の川のように、王は人を育て上げ、彫り磨かれた金玉のような徳で四方を治める、と結ぶ。毛詩序は、文王がよく人を官にした、すなわち適材を適所に任じたことを歌う詩と読み、朱熹『詩集伝』も、文王の徳が盛んで人々が自ずから従い、人材を育てたことを歌うと見ていて、両者はおおむね一致する。「追琢其の章、金玉其の相」は、人もまた彫り磨かれてはじめて美しい姿になる、という育成の比喩として読むこともできる。人を集めるだけでなく、それぞれの持ち場で力を発揮させ、時間をかけて磨き上げることこそが、上に立つ者の仕事なのである。

この章句が説くこと

詩経文王人材登用祭祀

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