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詩経 / 小雅・魚藻之什・瓠葉

《瓠葉》,大夫刺幽王也。上棄禮而不能行,雖有牲牢饔餼,不肯用也。故思古之人,不以微薄廢禮焉。 幡幡瓠葉,采之亨之。君子有酒,酌言嘗之。 有兔斯首,炮之燔之。君子有酒,酌言獻之。 有兔斯首,燔之炙之。君子有酒,酌言酢之。 有兔斯首,燔之炮之。君子有酒,酌言醻之。

新字:《瓠葉》,大夫刺幽王也。上棄礼而不能行,雖有牲牢饔餼,不肯用也。故思古之人,不以微薄廃礼焉。 幡幡瓠葉,采之亨之。君子有酒,酌言嘗之。 有兔斯首,炮之燔之。君子有酒,酌言献之。 有兔斯首,燔之炙之。君子有酒,酌言酢之。 有兔斯首,燔之炮之。君子有酒,酌言醻之。

書き下し

瓠葉(こよう)は、大夫幽王を刺るなり。上礼を棄てて行うこと能わず、牲牢饔餼(せいろうようき)有りと雖も、肯えて用いざるなり。故に古(いにしえ)の人の、微薄を以て礼を廃せざるを思う。 幡幡(はんはん)たる瓠葉(こよう)、これを采りこれを亨(に)る。君子酒有り、酌みて言(ここ)にこれを嘗(な)む。 兔(うさぎ)有り斯(こ)れ首(ひとつ)、これを炮(ほう)しこれを燔(や)く。君子酒有り、酌みて言にこれを献ず。 兔有り斯れ首、これを燔きこれを炙(あぶ)る。君子酒有り、酌みて言にこれを酢(さく)す。 兔有り斯れ首、これを燔きこれを炮す。君子酒有り、酌みて言にこれを醻(しゅう)す。

現代語訳

「瓠葉」の詩は、大夫が幽王をそしったものである。上に立つ者が礼を捨てて行うことができず、いけにえの牛羊や贈り物の食べ物があっても、それを礼のために用いようとしなかった。そこで、たとえ乏しく粗末でも礼を廃さなかった昔の人を思ったのである。 ひらひらと揺れるひょうたんの葉を、摘んで煮る。君子に酒がある、酌んでまず味をみる。 うさぎが一匹ある、土に包んで焼き、火にあぶる。君子に酒がある、酌んで客に献じる。 うさぎが一匹ある、火で焼き、串であぶる。君子に酒がある、客が酌んで主人に返杯する。 うさぎが一匹ある、火で焼き、土に包んで焼く。君子に酒がある、主人が酌んで重ねて客に勧める。

解説

ひょうたんの葉の煮物と、うさぎ一匹の焼き物だけのつましい宴である。それでも主人は酒を酌んで味をみ、客に献じ、客は返杯し、主人は重ねて勧める。献・酢・醻と、酒を酌み交わす礼の順序が章ごとに進んでいき、ささやかな料理でも礼は少しも欠けていない。毛詩序は、王が礼を捨て、いけにえや贈り物が十分にあっても礼に用いない幽王の世をそしり、乏しくても礼を廃さなかった古人を思う詩と読んだ。朱熹『詩集伝』は、これを宴の詩と見て、物が乏しくても誠意があれば礼は成り立つ、という意味を読み取っている。もてなしの価値は料理の豪華さではなく、礼と心の尽くし方にある。豊かさがあっても人を敬う形を失えば宴は空しく、乏しくても順序を踏んで酌み交わせば、そこには人と人との信頼が生まれるのである。

この章句が説くこと

詩経宴礼もてなし倹約

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