詩経 / 小雅・魚藻之什・采菽
《采菽》,刺幽王也。侮慢諸侯。諸侯來朝,不能錫命以禮,數徴會之,而無信義。君子見微而思古焉。 采菽采菽,筐之筥之。君子來朝,何錫予之?雖無予之,路車乘馬。又何予之?玄袞及黼。 觱沸檻泉,言采其芹。君子來朝,言觀其旂。其旂淠淠,鸞聲嘒嘒。載驂載駟,君子所屆。 赤芾在股,邪幅在下。彼交匪紓,天子所予。樂只君子,天子命之。樂只君子,福祿申之。 維柞之枝,其葉蓬蓬。樂只君子,殿天子之邦。樂只君子,萬福攸同。平平左右,亦是率從。 汎汎楊舟,紼纚維之。樂只君子,天子葵之。樂只君子,福祿膍之。優哉遊哉,亦是戾矣。
新字:《采菽》,刺幽王也。侮慢諸侯。諸侯来朝,不能錫命以礼,数徴会之,而無信義。君子見微而思古焉。 采菽采菽,筐之筥之。君子来朝,何錫予之?雖無予之,路車乗馬。又何予之?玄袞及黼。 觱沸檻泉,言采其芹。君子来朝,言観其旂。其旂淠淠,鸞声嘒嘒。載驂載駟,君子所届。 赤芾在股,邪幅在下。彼交匪紓,天子所予。楽只君子,天子命之。楽只君子,福禄申之。 維柞之枝,其葉蓬蓬。楽只君子,殿天子之邦。楽只君子,万福攸同。平平左右,亦是率従。 汎汎楊舟,紼纚維之。楽只君子,天子葵之。楽只君子,福禄膍之。優哉遊哉,亦是戻矣。
書き下し
采菽(さいしゅく)は、幽王を刺るなり。諸侯を侮慢(ぶまん)す。諸侯来朝するも、錫命(しめい)するに礼を以てすること能わず、数(しばしば)これを徴会して信義無し。君子微を見て古を思う。 菽(まめ)を采り菽を采る、これを筐(きょう)にしこれを筥(きょ)にす。君子来朝す、何をかこれに錫(たま)い予(あた)えん。これに予うる無しと雖も、路車(ろしゃ)と乗馬(じょうば)あり。又何をかこれに予えん、玄袞(げんこん)及び黼(ふ)あり。 觱沸(ひっぷつ)たる檻泉(かんせん)、言(ここ)に其の芹を采る。君子来朝す、言に其の旂(き)を観る。其の旂淠淠(へいへい)たり、鸞声(らんせい)嘒嘒(けいけい)たり。載(すなわ)ち驂(さん)し載ち駟(し)す、君子の届(いた)る所。 赤芾(せきふつ)股に在り、邪幅(じゃふく)下に在り。彼(かれ)交(おご)らず紓(おこた)らず、天子の予うる所。楽しき君子、天子これに命ず。楽しき君子、福禄これを申(かさ)ぬ。 維(こ)れ柞(さく)の枝、其の葉蓬蓬(ほうほう)たり。楽しき君子、天子の邦を殿(しず)む。楽しき君子、万福の同(あつ)まる攸(ところ)。平平(べんべん)たる左右、亦是れ率い従う。 汎汎(はんはん)たる楊舟(ようしゅう)、紼纚(ふつり)もてこれを維(つな)ぐ。楽しき君子、天子これを葵(はか)る。楽しき君子、福禄これを膍(あつ)くす。優なるかな游なるかな、亦是れ戻(いた)れり。
現代語訳
「采菽」の詩は、幽王をそしったものである。王は諸侯を侮り軽んじた。諸侯が朝見に来ても、礼にかなった賜り物や任命を与えることができず、しばしば呼び出して集めておきながら、信義がなかった。君子はそのかすかな兆しを見て、いにしえの世を思ったのである。 豆を摘もう、豆を摘もう、四角い籠に、丸い籠に。君子(諸侯)が朝見に来られた、何をお授けしようか。お授けするものがないとしても、大きな車と四頭立ての馬がある。さらに何をお授けしようか、黒地に竜を描いた礼服と、斧の模様を縫い取った衣がある。 こんこんと湧き出る泉のほとりで、芹を摘む。君子が朝見に来られた、その旗が見える。その旗はひらひらとなびき、鈴の音はしゃんしゃんと鳴る。三頭立て、四頭立ての馬車で、君子がいま到着された。 赤い膝かけを腿にかけ、すね当てを下に巻く。おごらず、怠らず、これこそ天子がお授けになったもの。楽しげな君子よ、天子がこれに命をお下しになる。楽しげな君子よ、幸いと禄がこれに重ねられる。 ははその木の枝は、葉がこんもりと茂る。楽しげな君子よ、天子の国を鎮め守る。楽しげな君子よ、あらゆる幸いがここに集まる。よく治まった左右の臣下たちも、みな従って仕える。 ゆらゆらと浮かぶ柳の舟を、太い綱でつなぎとめる。楽しげな君子よ、天子がこれをはかって用いる。楽しげな君子よ、幸いと禄がこれを厚くする。ゆったりと、のびやかに、ここにまで至ったのだ。
解説
この章句が説くこと
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