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詩経 / 小雅・甫田之什・車舝

《車舝》,大夫刺幽王也。褒姒嫉妬,無道並進,讒巧敗國,德澤不加於民。周人思得賢女以配君子,故作是詩也。 間關車之舝兮,思孌季女逝兮。匪饑匪渴,德音來括。雖無好友,式燕且喜。 依彼平林,有集維鷮。辰彼碩女,令德來教。式燕且譽,好爾無射。 雖無旨酒,式飲庶幾。雖無嘉殽,式食庶幾。雖無德與女,式歌且舞。 陟彼高岡,析其柞薪。析其柞薪,其葉湑兮。鮮我覯爾,我心寫兮。 高山仰止,景行行止。四牡騑騑,六轡如琴。覯爾新昏,以慰我心。

新字:《車舝》,大夫刺幽王也。褒姒嫉妬,無道並進,讒巧敗国,徳沢不加於民。周人思得賢女以配君子,故作是詩也。 間関車之舝兮,思孌季女逝兮。匪饑匪渇,徳音来括。雖無好友,式燕且喜。 依彼平林,有集維鷮。辰彼碩女,令徳来教。式燕且誉,好爾無射。 雖無旨酒,式飲庶幾。雖無嘉殽,式食庶幾。雖無徳与女,式歌且舞。 陟彼高岡,析其柞薪。析其柞薪,其葉湑兮。鮮我覯爾,我心写兮。 高山仰止,景行行止。四牡騑騑,六轡如琴。覯爾新昏,以慰我心。

書き下し

車舝(しゃかつ)は、大夫、幽王を刺るなり。褒姒(ほうじ)嫉妬し、無道並び進み、讒巧国を敗り、徳沢民に加わらず。周人賢女を得て以て君子に配せんことを思う、故に是の詩を作るなり。 間関(かんかん)たる車の舝(くさび)、孌(れん)たる季女の逝くを思う。饑うるに匪ず渇くに匪ず、徳音来り括(あ)う。好友無しと雖も、式(もっ)て燕(うたげ)し且つ喜ばん。 依(い)たる彼の平林、鷮(きょう)の集まる有り。辰(しん)たる彼の碩女(せきじょ)、令徳来り教う。式て燕し且つ誉(たの)しみ、爾を好みて射(いと)うこと無し。 旨酒無しと雖も、式て飲みて庶幾(こいねが)わん。嘉殽(かこう)無しと雖も、式て食いて庶幾わん。徳の女(なんじ)に与(あた)うる無しと雖も、式て歌い且つ舞わん。 彼の高岡に陟(のぼ)り、其の柞薪(さくしん)を析(さ)く。其の柞薪を析けば、其の葉湑(しょ)たり。鮮(まれ)に我爾に覯(あ)う、我が心写(のぞ)かる。 高山は仰ぎ、景行(けいこう)は行く。四牡騑騑(ひひ)たり、六轡(りくひ)琴の如し。爾の新昏(しんこん)に覯い、以て我が心を慰む。

現代語訳

「車舝」の詩は、大夫が幽王をそしったものである。褒姒(幽王の寵姫)が嫉妬深く、道に外れた者たちがそろって取り立てられ、讒言と巧言が国を損ない、王の恵みが民に及ばなかった。周の人々は賢い女性を得て君子に配したいと願い、そのためにこの詩を作った。 がたごとと車のくさびを鳴らして、美しい末娘を迎えに行くことを思う。飢えているのでも渇いているのでもない、ただよき評判の娘と結ばれたいのだ。よい友がいなくても、宴を開いて喜ぼう。 こんもりと茂るあの平地の林に、きじが集まっている。気品あるあの立派な娘は、よき徳をもってわたしを教え導いてくれる。宴を開いて楽しみ、あなたを好きで、決して飽きることはない。 うまい酒がなくても、どうか飲んでほしい。よい料理がなくても、どうか食べてほしい。あなたに与えるほどの徳がわたしになくても、せめて歌い舞おう。 あの高い丘に登って、くぬぎの薪を割る。くぬぎの薪を割れば、その葉は青々と茂っている。めったに会えないあなたに会えて、わたしの心の憂いは晴れた。 高い山は仰ぎ見るもの、大きな道は歩んでいくもの。四頭の牡馬は休みなく駆け、六本の手綱は琴の弦のように調和している。新しく妻となるあなたに会えて、わたしの心は慰められる。

解説

車を走らせて美しい娘を迎えに行く男が、その徳を慕い、結婚の喜びを歌う詩である。飢えや渇きのためではなく、ただ徳ある人と結ばれたいという思い、酒や料理が粗末でもせめて歌い舞おうという素朴な歓迎がほほえましい。毛序は、褒姒の嫉妬と讒言で国が乱れた幽王の世に、人々が賢い女性を得て王に配したいと願った詩とする。朱熹は、新婚を喜ぶ詩として素直に読み、詩の言葉もそれに近い。「高山は仰ぎ、景行は行く」の句は、司馬遷が『史記』孔子世家の結びで孔子への敬慕を述べる際に引いたことで名高く、仰ぎ見る人を慕い、その道を歩もうとする心の表現として後世に広まった。尊敬できる人に出会う喜びは、恋にも学びにも通じる。

この章句が説くこと

詩経婚礼徳高山景行

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