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詩経 / 小雅・甫田之什・裳裳者華

《裳裳者華》,刺幽王也。古之仕者世祿。小人在位則讒諂並進,棄賢者之類,絕功臣之世焉。 裳裳者華,其葉湑兮。我覯之子,我心寫兮。我心寫兮,是以有譽處兮。 裳裳者華,芸其黃矣。我覯之子,維其有章矣。維其有章矣,是以有慶矣。 裳裳者華,或黃或白。我覯之子,乘其四駱。乘其四駱,六轡沃若。 左之左之,君子宜之。右之右之,君子有之。維其有之,是以似之。

新字:《裳裳者華》,刺幽王也。古之仕者世禄。小人在位則讒諂並進,棄賢者之類,絶功臣之世焉。 裳裳者華,其葉湑兮。我覯之子,我心写兮。我心写兮,是以有誉処兮。 裳裳者華,芸其黄矣。我覯之子,維其有章矣。維其有章矣,是以有慶矣。 裳裳者華,或黄或白。我覯之子,乗其四駱。乗其四駱,六轡沃若。 左之左之,君子宜之。右之右之,君子有之。維其有之,是以似之。

書き下し

裳裳者華(しょうしょうしゃか)は、幽王を刺るなり。古の仕うる者は世禄(せいろく)なり。小人位に在れば則ち讒諂(ざんてん)並び進み、賢者の類を棄て、功臣の世を絶つ。 裳裳(しょうしょう)たる者は華、其の葉湑(しょ)たり。我之の子に覯(あ)う、我が心写(のぞ)かる。我が心写かる、是を以て誉れ有りて処(お)る。 裳裳たる者は華、芸(うん)として其れ黄なり。我之の子に覯う、維れ其れ章(あや)有り。維れ其れ章有り、是を以て慶び有り。 裳裳たる者は華、或いは黄或いは白。我之の子に覯う、其の四駱(しらく)に乗る。其の四駱に乗る、六轡(りくひ)沃若(よくじゃく)たり。 之を左にし之を左にす、君子之に宜(よろ)し。之を右にし之を右にす、君子之を有(たも)つ。維れ其れ之を有つ、是を以て之に似る。

現代語訳

「裳裳者華」の詩は、幽王をそしったものである。昔、仕える者は代々その禄を受け継いだ。ところが小人が位にあると、讒言とへつらいがそろって幅をきかせ、賢者の一族を棄て、功臣の家の世継ぎを絶やしてしまう。 盛んに咲き誇る花よ、その葉も青々と茂っている。わたしはこの方にお会いして、心の憂いがすっかり晴れた。心の憂いが晴れたので、誉れのうちに安らいでいられる。 盛んに咲き誇る花よ、黄色く色づいている。わたしはこの方にお会いすると、その身には文(あや)なす美しさがある。文なす美しさがあるので、喜びがもたらされる。 盛んに咲き誇る花よ、黄色いものもあれば白いものもある。わたしはこの方にお会いすると、四頭の黒たてがみの白馬に乗っておられる。四頭の白馬に乗り、六本の手綱はしなやかにつやめいている。 左にあるべきときは左にあり、君子はそれにふさわしい。右にあるべきときは右にあり、君子はそれを身に備えている。それを身に備えているからこそ、その先祖によく似ているのだ。

解説

咲き誇る花の姿から歌い起こし、会った君子の立派さに心が晴れ渡るさまを歌う詩である。花の色が黄から白へと移りながら、君子の美しい文(あや)、四頭の白馬と艶やかな手綱へと視線が進む。終章の「之を左にし之を左にす、君子之に宜し」は、左にも右にも、どんな場にもふさわしく振る舞える才徳をほめた句として知られる。毛序は、小人が位にあって功臣の家を絶やす幽王の世をそしり、代々禄を受け継いだ昔を思う詩とする。朱熹は天子が諸侯を讃えて答えた詩と読み、詩の言葉は素直な讃美の歌である。「是を以て之に似る」は、君子が先祖の徳を受け継いでいることを言う。家や職が代々受け継がれるには、それにふさわしい人柄が伴わねばならないのである。

この章句が説くこと

詩経君子花讃美世禄

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