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詩経 / 小雅・南有嘉魚之什・南有嘉魚

《南有嘉魚》,樂與賢也。太平之君子至誠,樂與賢者共之也。 南有嘉魚,烝然罩罩。君子有酒,嘉賓式燕以樂。 南有嘉魚,烝然汕汕。君子有酒,嘉賓式燕以衎。 南有樛木,甘瓠纍之。君子有酒,嘉賓式燕綏之。 翩翩者鵻,烝然來思。君子有酒,嘉賓式燕又思。

新字:《南有嘉魚》,楽与賢也。太平之君子至誠,楽与賢者共之也。 南有嘉魚,烝然罩罩。君子有酒,嘉賓式燕以楽。 南有嘉魚,烝然汕汕。君子有酒,嘉賓式燕以衎。 南有樛木,甘瓠纍之。君子有酒,嘉賓式燕綏之。 翩翩者鵻,烝然来思。君子有酒,嘉賓式燕又思。

書き下し

南有嘉魚(なんゆうかぎょ)は、賢と与(とも)にするを楽しむなり。太平の君子至誠にして、賢者と与に之を共にするを楽しむなり。 南に嘉魚有り、烝然(じょうぜん)として罩罩(とうとう)たり。君子酒有り、嘉賓式(もっ)て燕(えん)し以て楽しむ。 南に嘉魚有り、烝然として汕汕(さんさん)たり。君子酒有り、嘉賓式て燕し以て衎(たの)しむ。 南に樛木(きゅうぼく)有り、甘瓠(かんこ)之に纍(まと)う。君子酒有り、嘉賓式て燕して之を綏(やす)んず。 翩翩(へんぺん)たる者は鵻(すい)、烝然として来たる。君子酒有り、嘉賓式て燕し又(すす)む。

現代語訳

「南有嘉魚」の詩は、賢者とともに楽しむことを歌ったものである。太平の世の君子は誠の心をきわめ、賢者と楽しみを分かち合うことを喜んだのである。 南の川にはよい魚がいて、群れをなして竹かごの網にかかる。君子のもとには酒があり、よき客人たちは宴を開いて楽しむ。 南の川にはよい魚がいて、群れをなしてすくい網の中を泳ぐ。君子のもとには酒があり、よき客人たちは宴を開いてくつろぎ楽しむ。 南には枝の垂れ下がった木があり、甘いひょうたんのつるがそれに絡みつく。君子のもとには酒があり、よき客人たちは宴を開いて心を安らげる。 ひらひらと飛ぶのは山鳩、群れをなしてやって来る。君子のもとには酒があり、よき客人たちは宴を開いて、また杯を勧め合う。

解説

南の川のよい魚、垂れた木に絡むひょうたん、群れ飛んで来る山鳩を歌い起こし、君子が酒を用意してよき客をもてなす宴を歌った詩である。魚が網に集まり、つるが木に寄り添い、鳥が群れて来る姿は、賢者が君子のもとに集まってくる様子を重ねて見せる。毛詩序は、太平の君子が誠をもって賢者と楽しみを共にする詩と読み、朱熹『詩集伝』もこれを燕饗の楽歌とする点で大きくは変わらない。『儀礼』郷飲酒礼・燕礼では、南有嘉魚を歌うと笙が崇丘を奏でる、交互の演奏の一曲にあたる。人の上に立つ者が良い人材を招くには、命令ではなく、共に楽しむ場と誠意が要る。その素朴な真実が、繰り返しの多い穏やかな歌の形で語られている。

この章句が説くこと

詩経宴賢者魚嘉賓

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