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史記 / 袁盎鼂錯列伝

袁盎者,楚人也,字絲。父故為群盜,徙處安陵。高后時,盎嘗為呂祿舍人。及孝文帝即位,盎兄噲任盎為中郎。

新字:袁盎者,楚人也,字糸。父故為群盗,徙処安陵。高后時,盎嘗為呂禄舎人。及孝文帝即位,盎兄噲任盎為中郎。

書き下し

袁盎(えんおう)は楚人なり、字は絲。父は故(もと)群盗たり、徙りて安陵に処る。高后の時、盎嘗て呂禄の舎人と為る。孝文帝即位するに及び、盎の兄噲、盎を任じて中郎と為す。

現代語訳

袁盎は楚の人で、字を絲という。父はもと盗賊の一味であったが、(のちに)移り住んで安陵に居を構えた。高后(呂太后)の時代、袁盎はかつて呂禄の家臣となった。孝文帝が即位すると、袁盎の兄の袁噲が保証人となって袁盎を推挙し、中郎(皇帝の近侍)とした。

解説

袁盎鼂錯列伝の書き出しです。袁盎は文帝・景帝の時代に直言で名を上げた人物で、この列伝では、政敵であった鼂錯と一つの伝にまとめられています。父は盗賊の一味だったとあり、出自は決して高くありません。しかも呂太后の時代には、のちに誅される呂氏一族の呂禄に仕えていました。それでも文帝が即位すると、兄の保証によって中郎に取り立てられます。漢初には、官吏が身内を保証して任官させる「任子」の制度がありました。司馬遷は短い数行で、袁盎が名門の出ではなく、しかも一度は滅びた側に身を置いていた人物であることを示しています。過去の所属や出自よりも、いま何をするかで評価される時代の空気が感じられます。転職や異動で新しい場所に来た人を、前の所属だけで見ていないか、考えさせられる書き出しです。

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