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史記 / 孟嘗君列伝

聞先生之言,敢不奉教焉。」

書き下し

先生の言を聞く、敢へて教へを奉ぜざらんや」と。

現代語訳

先生のお言葉を聞いた以上、その教えに従わないことがあろうか。」

解説

馮驩の諫めを受け入れた孟嘗君の最後の言葉で、孟嘗君列伝の本文を締めくくる一文です。直前で馮驩は、富めば人が集まり貧しくなれば去るのは世の常であり、朝の市場に群がる人が夕方には見向きもしないのと同じだと説いて、去った食客を恨まずに以前どおりもてなすよう勧めました。孟嘗君は再拝して「謹んで従おう」と述べ、さらにこの一文で「先生の言葉を聞いた以上、教えに従わないことがあろうか」と重ねて受け入れています。怒りに任せて食客を辱めていれば、孟嘗君の門は二度と賑わわなかったでしょう。この後に続く太史公の評では、司馬遷が薛の地を訪ねたとき、そこには乱暴な若者が多く、孟嘗君が任侠の徒を六万家も招き入れたためだと聞いた、と記されています。部下や仲間の諫言を、自分の感情が高ぶっているときにも素直に受け入れられるかどうかが、組織の長の器を決めるということを考えさせる結びです。

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