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史記 / 建元以来王子侯者年表

制詔御史:「諸侯王或欲推私恩分子弟邑者,令各條上,朕且臨定其號名。」太史公曰:盛哉,天子之德!一人有慶,天下賴之。

新字:制詔御史:「諸侯王或欲推私恩分子弟邑者,令各条上,朕且臨定其号名。」太史公曰:盛哉,天子之徳!一人有慶,天下頼之。

書き下し

御史に制詔す、「諸侯王或いは私恩を推して子弟に邑を分かたんと欲する者は、各々条上せしめよ、朕且に臨みて其の号名を定めんとす」と。太史公曰く、盛んなるかな、天子の徳。一人慶有れば、天下之に頼る。

現代語訳

(武帝は)御史に詔を下した。「諸侯王で、私的な恩恵を推し広めて子弟に領邑を分け与えたいと望む者は、それぞれ箇条書きにして上奏させよ。朕が自ら臨んでその号と名を定めよう。」太史公は言う。盛んなことだ、天子の徳は。一人(天子)に善いことがあれば、天下がその恵みをこうむる。

解説

「建元以来王子侯者年表」の序文で、全文がわずか五十字余りの短い段です。前半は武帝がいわゆる推恩の令を発した詔で、諸侯王が自分の子弟に領地を分けたいと申し出れば、皇帝自ら号を定めて侯に封じるという内容です。表向きは恩恵ですが、実際には大きな諸侯国を細かく分割し、中央に対抗する力を失わせる狙いがありました。後半の「太史公曰」はその徳を称えて『書経』の「一人慶有れば兆民之に頼る」を引いていますが、あまりに短い称賛の言葉には、司馬遷の含みを読み取る人もいます。組織でも、相手が喜んで受け入れる形で権限を分散させる手法はあり得ます。ただしその意図が見透かされれば信頼を損ねるという点も、あわせて考えておくべきでしょう。

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