洗心洞箚記 / 卷上・第百七條
水孰令流之哉、石孰令堅之哉、山孰令峙之哉、海孰令潮之哉、雲雨孰令翕張之哉、日月孰令往來之哉、視而不見、聽而不聞、一言以蔽之、太虛之德、善孰令息之哉、惡孰令消之哉、忠孰令勸之哉、邪孰令懲之哉、父子孰令親愛之哉、上下孰令泰和之哉、此亦太虛之德之所致耶、嗟夫、吾不知其何如也、
新字:水孰令流之哉、石孰令堅之哉、山孰令峙之哉、海孰令潮之哉、雲雨孰令翕張之哉、日月孰令往来之哉、視而不見、聴而不聞、一言以蔽之、太虚之徳、善孰令息之哉、悪孰令消之哉、忠孰令勧之哉、邪孰令懲之哉、父子孰令親愛之哉、上下孰令泰和之哉、此亦太虚之徳之所致耶、嗟夫、吾不知其何如也、
書き下し
水は孰か之をして流れしむるや。石は孰か之をして堅からしむるや。山は孰か之をして峙たしむるや。海は孰か之をして潮せしむるや。雲雨は孰か之をして翕張せしむるや。日月は孰か之をして往来せしむるや。視れども見えず、聴けども聞えず、一言以て之を蔽へば、太虚の徳なり。善は孰か之をして息せしむるや。悪は孰か之をして消せしむるや。忠は孰か之をして勧ましむるや。邪は孰か之をして懲らさしむるや。父子は孰か之をして親愛せしむるや。上下は孰か之をして泰和せしむるや。此れも亦太虚の徳の致す所か。嗟夫、吾其の何如なるを知らざるなり。
現代語訳
水は誰が流れさせているのか。石は誰が堅くさせているのか。山は誰がそびえさせているのか。海は誰が満ち引きさせているのか。雲や雨は誰が集めたり広げたりさせているのか。日と月は誰が行き来させているのか。見ようとしても見えず、聴こうとしても聞こえない。一言でまとめれば、太虚の徳である。善は誰が生み増やさせているのか。悪は誰が消えさせているのか。忠は誰が励まさせているのか。邪は誰が懲らしめさせているのか。父と子は誰が親しみ愛させているのか。上と下は誰が安らかに和ませているのか。これもまた太虚の徳のもたらすところであろうか。ああ、私にはそれがどのようであるのか分からない。
解説
この章句が説くこと
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