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潜夫論 / 敘錄

君憂臣勞,古今通義,上思致平,下宜竭惠。貞良信士,鹹痛數赦,奸宄繁興,但以赦故,乃敘《述赦》第十六。先王禦世,兼秉威德,賞有建侯,罰有刑渥。賞重嚴禁,臣乃敬職,將修太平,必媚此法,故敘《三式》第十七。民為國基,穀為民命,日力不暇,穀何由盛。公卿師尹,卒勞百姓,輕奪民時,誠可憤諍,故敘《愛日》第十八。觀吏所治,鬥訟居多,原禍所起,詐欺所為。將絕其末,必塞其原,民無欺紿,世乃平安,故敘《斷訟》第十九。五帝三王,優劣有情,雖欲超皇,當先致平。必世後仁,仲尼之經,遭衰奸牧,得不用刑,故敘《衰製》第二十。聖王憂勤,選練將帥,授以絺鉞,假以權貴。誠多蔽暗,不識變勢,賞罰不明,安得不敗,故敘《勸將》第二十一。

新字:君憂臣労,古今通義,上思致平,下宜竭恵。貞良信士,鹹痛数赦,奸宄繁興,但以赦故,乃敘《述赦》第十六。先王禦世,兼秉威徳,賞有建侯,罰有刑渥。賞重厳禁,臣乃敬職,将修太平,必媚此法,故敘《三式》第十七。民為国基,穀為民命,日力不暇,穀何由盛。公卿師尹,卒労百姓,軽奪民時,誠可憤諍,故敘《愛日》第十八。観吏所治,鬥訟居多,原禍所起,詐欺所為。将絶其末,必塞其原,民無欺紿,世乃平安,故敘《断訟》第十九。五帝三王,優劣有情,雖欲超皇,当先致平。必世後仁,仲尼之経,遭衰奸牧,得不用刑,故敘《衰製》第二十。聖王憂勤,選練将帥,授以絺鉞,仮以権貴。誠多蔽暗,不識変勢,賞罰不明,安得不敗,故敘《勧将》第二十一。

書き下し

君は憂え臣は労するは、古今の通義、上は平を致さんことを思い、下は宜しく恵を竭くすべし。貞良の信士は、咸な数しば赦すを痛む、奸宄の繁く興るは、但だ赦するを以ての故なり、乃ち《述赦》第十六を叙す。先王世を禦するに、兼ねて威徳を秉り、賞には建侯有り、罰には刑渥有り。賞は重く禁は厳にして、臣乃ち職を敬す、将に太平を修めんとせば、必ず此の法を媚うべし、故に《三式》第十七を叙す。民は国の基たり、穀は民の命たり、日力暇あらず、穀何に由りて盛んならん。公卿師尹は、百姓を卒労し、軽がるしく民の時を奪う、誠に憤諍す可し、故に《愛日》第十八を叙す。吏の治むる所を観るに、闘訟居ること多し、禍の起こる所を原ぬるに、詐欺の為す所なり。将に其の末を絶たんとせば、必ず其の原を塞げ、民に欺紿無くして、世乃ち平安なり、故に《断訟》第十九を叙す。五帝三王は、優劣情有り、皇を超えんと欲すと雖も、当に先ず平を致すべし。世を必して後に仁なるは、仲尼の経なり、衰奸の牧に遭いては、刑を用いざるを得ん、故に《衰制》第二十を叙す。聖王憂勤し、将帥を選練し、授くるに絺鉞を以てし、仮すに権貴を以てす。誠に蔽暗多く、変勢を識らざれば、賞罰明らかならず、安んぞ敗れざるを得ん、故に《勧将》第二十一を叙す。

現代語訳

君主が憂え臣下が労するのは古今に通じる道理であり、上は平和を実現することを思い、下は恵みを尽くすべきです。貞節で善良な誠実の士は、みな頻繁な恩赦を痛んでいます。悪人がはびこるのは、ただ赦すからです。そこで《述赦》を第十六に叙しました。先王は世を治めるのに、威と徳をあわせ持ち、賞には諸侯の封建があり、罰には刑罰がありました。賞は重く禁は厳しくして、臣下は初めて職を敬います。太平を整えようとするなら、必ずこの法を尊ぶべきです。そこで《三式》を第十七に叙しました。民は国の基であり、穀物は民の命です。日々の力に余裕がなければ、穀物がどうして豊かになりましょう。公卿や師尹は百姓を疲れさせ、軽々しく民の農時を奪っており、本当に憤るべきことです。そこで《愛日》を第十八に叙しました。役人の治めるところを見ると、争いや訴訟が多く、その災いの起こるところを探ると、欺きや偽りによるものです。末を絶とうとするなら必ず源を塞ぎ、民に欺きがなければ世は安らかです。そこで《断訟》を第十九に叙しました。五帝三王には優劣の実情があり、皇を超えようとするにしても、まず平和を実現しなければなりません。一世代を経て後に仁となるのは孔子の経で、衰えた世の悪しき牧に遭えば、刑を用いずにいられるでしょうか。そこで《衰制》を第二十に叙しました。聖王は憂い勤め、将帥を選び鍛えて、斧鉞を授け、権力を貸し与えます。しかし蔽い暗いところが多く、情勢の変化を知らなければ、賞罰が明らかでなく、どうして敗れずにいられましょう。そこで《勧将》を第二十一に叙しました。

解説

述赦から勧将までの六篇の要旨で、恩赦の乱発を戒める述赦、賞罰を重く厳しくする三式、民の農時を奪うなという愛日、訴訟の根を詐欺に見て源を塞ぐべきとする断訟、衰えた世には刑を用いるという衰制、将帥の選任と賞罰の明確さを説く勧将が並びます。後漢の統治の弱点を、法の運用と民の生業の両面から描いていることが分かります。敘録の句は簡潔で、細部の意図を断定するのは難しいため、あくまで各篇の趣旨の要約として読みます。現代の組織では、違反に対する処分が甘いと不正が広がること、現場の時間を会議や報告で奪いすぎないこと、トラブルの根を見極めて源から断つことといった点に結びつけられます。

この章句が説くこと

述赦三式愛日断訟賞罰潜夫論

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