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潜夫論 / 敘錄

蠻夷猾夏,古今所患,堯舜憂民,皋陶術叛。宣王中興,南仲征邊,今民日死,如何弗蕃,故敘《救邊》第二十二。凡民之情,與君殊戾,不能遠慮,督取一製。苟扶私議,以為國計,宜尋其言,以詰所謂,故敘《邊議》第二十三。邊既遠門,太守擅權,台閣不察,信其奸言。今懷郡縣,毆民內遷,今又丘荒,慮必生心,故敘《實邊》第二十四。天生神物,聖人則之,蓍龜卜筮,以定嫌疑。俗工淺源,莫盡其才,自大非賢,何足信哉,故敘《卜列》第二十五。《易》有史巫,詩有工祝,聖人先成,民後致力,兆黎勸樂,神乃授福,孔子不祈,以明在德,故敘《巫列》第二十六。五行八卦,陰陽所生,稟氣薄厚,以著其形。天題厥象,人實奉成,弗修其行,福祿不臻,故敘《相列》第二十七。

新字:蠻夷猾夏,古今所患,堯舜憂民,皋陶術叛。宣王中興,南仲征辺,今民日死,如何弗蕃,故敘《救辺》第二十二。凡民之情,与君殊戻,不能遠慮,督取一製。苟扶私議,以為国計,宜尋其言,以詰所謂,故敘《辺議》第二十三。辺既遠門,太守擅権,台閣不察,信其奸言。今懐郡県,殴民内遷,今又丘荒,慮必生心,故敘《実辺》第二十四。天生神物,聖人則之,蓍亀卜筮,以定嫌疑。俗工浅源,莫尽其才,自大非賢,何足信哉,故敘《卜列》第二十五。《易》有史巫,詩有工祝,聖人先成,民後致力,兆黎勧楽,神乃授福,孔子不祈,以明在徳,故敘《巫列》第二十六。五行八卦,陰陽所生,稟気薄厚,以著其形。天題厥象,人実奉成,弗修其行,福禄不臻,故敘《相列》第二十七。

書き下し

蛮夷夏を猾し、古今の患うる所、堯舜も民を憂え、皋陶も叛を術にす。宣王中興し、南仲辺に征く、今民日びに死す、如何ぞ蕃からざらん、故に《救辺》第二十二を叙す。凡そ民の情は、君と殊戻し、遠慮する能わず、督取して一制とす。苟くも私議を扶けて、以て国計と為さば、宜しく其の言を尋ね、以て謂う所を詰るべし、故に《辺議》第二十三を叙す。辺は既に門より遠く、太守権を擅にし、台閣察せず、其の奸言を信ず。今郡県を懐い、民を毆ちて内遷し、今又丘荒す、慮るに必ず心を生ぜん、故に《実辺》第二十四を叙す。天は神物を生じ、聖人之に則り、蓍亀卜筮もて、以て嫌疑を定む。俗工は源に浅く、其の才を尽くす莫く、自ら大として賢に非ず、何ぞ信ずるに足らんや、故に《卜列》第二十五を叙す。《易》に史巫有り、詩に工祝有り、聖人先ず成して、民後に力を致す、兆黎勧楽し、神乃ち福を授く、孔子は祈らず、以て徳に在るを明らかにす、故に《巫列》第二十六を叙す。五行八卦は、陰陽の生ずる所、気を稟くること薄厚にして、以て其の形を著す。天は厥の象を題し、人は実に成すことを奉ず、其の行いを修めざれば、福禄臻らず、故に《相列》第二十七を叙す。

現代語訳

蛮夷が中華を乱すことは古今の患いで、堯・舜も民を憂え、皋陶も叛乱に対処しました。宣王は中興し、南仲は辺境に出征しました。今は民が日々死んでおり、どうして人口が増えましょう。そこで《救辺》を第二十二に叙しました。およそ民の心情は君主とは食い違い、遠くを考える力がなく、取り立てを一つの制度として取りまとめます。かりにも私的な議論を支持して国の計とするなら、その言葉を尋ね、その言うところを問い詰めるべきです。そこで《辺議》を第二十三に叙しました。辺境は朝廷の門から遠く、太守が権力をほしいままにし、台閣は察知せず、その邪な言葉を信じます。いま郡県を懐柔しながら民を駆り立てて内地に移し、さらに丘や荒れ地となり、考えるに必ず異心が生じるでしょう。そこで《実辺》を第二十四に叙しました。天は神聖な物を生み、聖人はこれに則って、蓍や亀による卜筮で疑いを決めました。俗の術者は根源に浅く、その才を尽くすこともなく、自らを大とするのは賢者ではなく、どうして信ずるに足りましょう。そこで《卜列》を第二十五に叙しました。『易』には史や巫があり、『詩』には工や祝があり、聖人が先に成して、民があとから力を尽くし、万民が励んで楽しめば、神は福を授けます。孔子は祈らず、徳にあることを明らかにしました。そこで《巫列》を第二十六に叙しました。五行八卦は陰陽が生じるもので、気を受けることの薄い厚いが、その形を著します。天がその象を示し、人は実際にそれを成すことを受け継ぎます。その行いを修めなければ、福禄は至りません。そこで《相列》を第二十七に叙しました。

解説

救辺・辺議・実辺・卜列・巫列・相列の六篇の要旨が並びます。前半三篇は辺境の防衛と民の移住、現地の長官が権限を握る弊害、朝廷中枢がその言を信じてしまう構造を問題にし、後半三篇は占い・祭祀・人相といった術の扱いを取り上げます。後半では、卜筮を聖人の用いたものとしつつ、俗の術者の浅さを退け、結局は行いと徳が福を招くという立場が示されます。文の細部には読みの定まらない箇所もあり、断定は避けます。現代の組織に引き寄せれば、本社から遠い拠点の責任者が情報を握り、本社が報告を鵜呑みにする危うさ、そして占いや流行の手法に頼るより、日々の行動と実績を修める姿勢が土台になるという点を示唆しています。

この章句が説くこと

救辺辺議実辺卜列拠点管理潜夫論

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