潜夫論 / 五德誌
自古在昔,天地開闢。三皇迭製,各樹號諡,以紀其世。天命五代,正朔三復,神明感生,愛興有國,亡於嫚以,滅於積惡,神微精以,天命罔極。或皇馮依,或繼體育,太胔以前尚矣。迪斯用來,頗可紀錄,雖一精思,議而復誤。故撰古訓,著《五德志》。
新字:自古在昔,天地開闢。三皇迭製,各樹号諡,以紀其世。天命五代,正朔三復,神明感生,愛興有国,亡於嫚以,滅於積悪,神微精以,天命罔極。或皇馮依,或継体育,太胔以前尚矣。迪斯用来,頗可紀録,雖一精思,議而復誤。故撰古訓,著《五徳志》。
書き下し
自古在昔、天地開闢す。三皇迭いに製し、各おの号諡を樹て、以て其の世を紀す。天は五代を命じ、正朔三たび復し、神明感生し、愛に有国を興し、嫚以に亡び、積悪に滅ぶ、神微精以にして、天命は極まり罔し。或いは皇馮依し、或いは体を継ぎて育し、太胔以前は尚し。斯れに迪りて用て来たり、頗る紀録すべし、一たび精思すと雖も、議して復た誤る。故に古訓を撰して、《五徳志》を著す。
現代語訳
はるか昔、天地が開けたとき、三皇が代わるがわる制度を作り、それぞれ号や諡を立てて、その世を記しました。天は五つの世代に命を下し、正朔は三たびめぐり、神明が感じて子を生ませ、こうして国を興しましたが、侮りによって亡び、積み重なった悪によって滅びました。神の働きは微妙で精妙であり、天命は果てしがありません。ある者は皇の気が寄りついて生まれ、ある者は先代を継いで育ち、太胔より前のことははるか昔です。これを手がかりに今に至り、かなり記録できるようになりましたが、一度思いを凝らしても、論じてはまた誤ってしまいます。そこで古い教えを撰んで、『五徳志』を著しました。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『弁名』智命を知るとは、天命を知るなり。天の命ずる所何如を知るを謂ふなり。先王の道は、天に本づき、天命を奉じて以て之を行ふ。君子の道を学ぶも、亦た以て天職を奉ぜんと欲するのみ。我道を学び徳を成して爵至らず、是れ天我に命じて以て道を人に伝へしむるなり。君子は教学を以て事と為し、人知らずして慍らず、是れ之を命を知ると謂ふ。凡そ人の力は、及ぶ有り、及ばざる有り。強ひて其の力の及ばざる所の者を求むるは、不智の大なる者なり。故に曰く、「命を知らざれば、以て君子為ること無きなり」と。後儒或いは其の然る所以の理を知ると曰ひ、或いは吉凶禍福を知ると曰ひ、或いは名利得失に毫も心を動かさずと曰ふ。皆道を知らざる者の言のみ。
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『翁問答』上卷之末かの病人悪寒発熱の病勢おとろへ本服しぬれば、常の人の如くに暑き寒さをおぼゆるものなり、その如く運命のいきをひおとろへて其分数極まりぬれば、必らず悪人は六極のがれ難く、善人は五福をうくるものなり、しかるゆへに盗跖は無病息災に難なくながいきして暮しぬる様なれども、おのれと六極の剛悪におちいりて、至誠無息の神理をうしなひ、万世不朽の悪名をながしぬれば、六極の報応さだかならずやまた顔子は箪瓢陋巷不幸短命なれども、五福の攸好徳をうけ、真楽の介福めでたく長在不滅の神理あきらかにして、万世きはまりなく、公爵の追贈四配の祭祀をうけ給ひぬれば、五福の嚮命あきらかならずや運命のいきおひによつて一旦見かけは福善禍淫の常にたがふやうなれども、畢竟しんじつの端的終には天命本然の常にたちかへるものなり、
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『都鄙問答』卷之四・或人主人行狀ノ是非ヲ問ノ段答ふ、其の一家一門の議は、皆々法を知らざるゆへなり。道有りて聚むる金銀は天命なり。天の賜ふ財を舎てず、天の命にそむかず、約を以て礼の本を守れり。又道を行ふ者は、他のそしりは、有るならひなり。孟子曰く、傷むこと無し、士は茲の多口に憎まる。詩に云ふ、憂心悄悄たり、群小に慍まると。孔子なりと。聖人の行ひは、小人の行ひに違へる故、衆の口の為に、孔子も譏りに逢ひ玉へり。又美食を好まざるは、身の分限なり。二汁五菜七菜などと云ふ重き料理は、下々のことにあらず。御上より品を分けて見ば、汝の親方の料理は、今少し奢にても有るべし。それを一門衆は、箸を取り初むる計りとは、分を知らざる奢る者なり。先づ飢饉年には、飯米の調へ代を借り、汝の親方の恵みにより飢ゑに及ばず、それを忘れ、身の分を知らず、
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尚書・康誥惟れ命は常には于いてせず。
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『初学訓』巻之三一人力を以て天命を得る道あり。士は、君に仕へてよく勤むれば、君の寵を得て、禄あつし。農は、田をつとめてよく作れば、秋のなりはひ多し。工商は、其家業をよくつとむれば富む。およそ、四民ともに、よくつとむれば家富む。古語にも、人生はつとめにあり、つとむれば乏しからず、といへり。又倹約を行ひて、濫りに財を費さざれば、よく家をたもちて貧しからず。又養生をよくつつしめば、命ながし。是皆、人力を以て天命を得る理あり。
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『大和俗訓』巻之四・心術下一天命は天のくだす所、人のうくる所なり。命は猶令のごとしとて、下知の意なり。天よりくだる故に天命といふ。天命に常あり変あり。善を行へば福あり、悪をすれば禍あるは常なり。善人に禍あり。悪人に福あるは変なり。人の吉凶、禍福、寿夭、富貴貧賤、万の幸不幸、皆天の命ずる所なり。人間の万事、天命にあらざる事なし。或は生れつきて定まり、或は時により不慮に命くだりて、偶然として福にあひ、わざはひにあふ。求めても命なければ得がたく、求めざれども命あれば得やすし。唯人の法を行ひて、天命をまつべし。善を行ひて福来るは常の理なれども、もし禍あるは、是また天命の変なれば、うれふべからず。およそ人天命を知りて、命にまかせ、うれひなき工夫をなすべし。天命を知らざれば、命のさだまりありて、福の求めがたく、禍の去りがたき事を知らず。利につき、害をさけんとし、人にへつらひ、神にへつらふは見ぐるし。愚なりといふべし。故に論語に、命を知らざれば以て君子たること無きなりといへり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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