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潜夫論 / 交際

嗚呼哀哉!凡今之人,言方行圓,口正心邪,行與言謬,心與口違。論古則知稱夷、齊、原、顏,言今則必官爵職位。虛談則知以德義為賢,貢薦則必閥閱為前。處子雖躬顏閔之行,性勞謙之質,秉伊呂之才,懷救民之道,其不見資於斯世也,亦已明矣。

新字:嗚呼哀哉!凡今之人,言方行円,口正心邪,行与言謬,心与口違。論古則知称夷、斉、原、顔,言今則必官爵職位。虚談則知以徳義為賢,貢薦則必閥閲為前。処子雖躬顔閔之行,性労謙之質,秉伊呂之才,懐救民之道,其不見資於斯世也,亦已明矣。

書き下し

嗚呼哀しいかな。凡そ今の人は、言は方にして行いは円、口は正しくして心は邪、行いは言と謬り、心は口と違う。古を論ずれば則ち夷・斉・原・顔を称するを知り、今を言えば則ち必ず官爵職位なり。虚談には則ち徳義を以て賢と為すを知り、貢薦には則ち必ず閥閲を前と為す。処子は躬に顔・閔の行いあり、性に労謙の質あり、伊・呂の才を秉り、民を救うの道を懐くと雖も、其の斯の世に資られざるや、亦た已に明らかなり。

現代語訳

ああ、なんと悲しいことでしょう。今の人はみな、言葉は四角四面なのに行いは円く、口は正しいのに心は邪で、行いは言葉と食い違い、心は口と合っていません。昔を論じれば伯夷・叔斉・原憲・顔回をほめることは知っていても、今を語ればかならず官爵や職位ばかりです。空論の席では徳義を賢とすることを知っていても、人材を推挙するときは必ず家柄や門閥を先にします。在野の士がたとえ顔回や閔子騫のような行いを身に備え、謙虚に励む質を持ち、伊尹や呂尚のような才を持ち、民を救う道を抱いていても、この世で取り立てられないことは、もはや明らかです。

解説

交際篇の締めくくりに近い段で、王符は同時代の人々を言行不一致と断じ、悲痛な調子で嘆いています。古人を語るときは伯夷や顔回の徳を称えながら、今の人を語れば官爵や職位ばかりだという対比が核心です。また、口では徳義を貴ぶと言いながら、推挙になると家柄を優先するという矛盾も突いています。結果として、顔回のような行いや伊尹・呂尚のような才を持つ在野の士も世に用いられないと結びます。現代の組織でも、理念や価値観は立派に掲げながら、実際の昇進や抜擢は学歴や出身部門で決まることがあります。掲げる基準と運用の基準がずれていないか、定期的に点検することが求められるでしょう。

この章句が説くこと

交際言行不一致閥閲抜擢人材登用潜夫論

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