潜夫論 / 正列
虢延神而亟亡,趙嬰祭天而速滅,此蓋所謂神不歆其祀,民不即其事也。故魯史書曰:「國將興,聽於民;將亡,聽於神。」楚昭不禳雲,宋景不移咎,子產距裨灶,邾文公違卜史。此皆審己知道,身以俟命者也。
新字:虢延神而亟亡,趙嬰祭天而速滅,此蓋所謂神不歆其祀,民不即其事也。故魯史書曰:「国将興,聴於民;将亡,聴於神。」楚昭不禳雲,宋景不移咎,子産距裨灶,邾文公違卜史。此皆審己知道,身以俟命者也。
書き下し
虢は神を延きて亟やかに亡び、趙嬰は天を祭りて速やかに滅ぶ、此れ蓋し所謂神其の祀を歆けず、民其の事に即かざるなり。故に魯の史書に曰く、「国将に興らんとすれば、民に聴き、将に亡びんとすれば、神に聴く」と。楚の昭は禳わず、宋の景は咎を移さず、子産は裨灶を距み、邾の文公は卜史に違う。此れ皆己を審らかにし道を知り、身以て命を俟つ者なり。
現代語訳
虢の君は神を招き寄せたのにすぐ滅び、趙嬰は天を祭ったのにたちまち滅びました。これは、神がその祭りを受けず、民がその務めにつかなかったということでしょう。だから魯の史書には、「国が興ろうとするときは民の声を聴き、滅びようとするときは神の声を聴く」とあります。楚の昭王は災いを祓わず、宋の景公は咎めを他に移さず、子産は裨灶の言を退け、邾の文公は卜史の言に従いませんでした。これらはみな、自分を省みて道を知り、わが身を修めて天命を待った人たちです。
解説
前段を受けて、神に頼りすぎた国が速やかに滅んだ例を挙げています。虢や趙嬰は祭祀を尽くしても滅び、その理由として、神が祀りを受けず民が務めにつかなかったことを王符は挙げます。引かれる魯の史書の句は、盛んなときは民意に従い、衰えるときに神頼みに走るという対比です。楚の昭王、宋の景公、子産、邾の文公は、禍を祓う術や占いに従わず、自らを正して命を待った例として並べられています。組織でも、業績が傾いたときに現場の声を聴かず、縁起や外部の権威に答えを求めると、立て直しは遅れます。経営者は危機のときほど、社内の実情と自分の判断の根拠に立ち返る必要があります。
この章句が説くこと
民意神頼み責任自省待命潜夫論
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