潜夫論 / 考績
凡南面之大務,莫急於知賢;知賢之近途,莫急於考功。功誠考則治亂暴而明,善惡信則直賢不得見障蔽,而佞巧不得竄其奸矣。夫劍不試則利鈍暗,弓不試則勁撓誣,鷹不試則巧拙惑,馬不試則良駑疑。此四者之有相紛也,由不考試,故得然也。今群臣之不試也,其禍非直止於誣暗疑惑而已,又必致於怠慢之節焉。設如家人有五子十孫,父母不察精?,則勤力者懈弛,而惰慢者遂非也,耗業破家之道也。父子兄弟一門之計,猶有若此,則又況乎群臣總猥治公事者哉?傳曰:「善惡無彰,何以沮勸?」是故大人不考功,則子孫惰而家破窮;官長不考功,則吏怠傲而奸宄興;帝王不考功,則直賢抑而詐偽勝。故《書》曰:「三載考績,黜陟幽明。」蓋所以昭賢愚而勸能否也。
新字:凡南面之大務,莫急於知賢;知賢之近途,莫急於考功。功誠考則治乱暴而明,善悪信則直賢不得見障蔽,而佞巧不得竄其奸矣。夫剣不試則利鈍暗,弓不試則勁撓誣,鷹不試則巧拙惑,馬不試則良駑疑。此四者之有相紛也,由不考試,故得然也。今群臣之不試也,其禍非直止於誣暗疑惑而已,又必致於怠慢之節焉。設如家人有五子十孫,父母不察精?,則勤力者懈弛,而惰慢者遂非也,耗業破家之道也。父子兄弟一門之計,猶有若此,則又況乎群臣総猥治公事者哉?伝曰:「善悪無彰,何以沮勧?」是故大人不考功,則子孫惰而家破窮;官長不考功,則吏怠傲而奸宄興;帝王不考功,則直賢抑而詐偽勝。故《書》曰:「三載考績,黜陟幽明。」蓋所以昭賢愚而勧能否也。
書き下し
凡そ南面の大務は、賢を知るより急なるは莫し。賢を知るの近途は、功を考うるより急なるは莫し。功誠に考うれば則ち治乱暴れて明らかに、善悪信なれば則ち直賢は障蔽せられず、而して佞巧は其の奸を竄すを得ず。夫れ剣は試みざれば則ち利鈍暗く、弓は試みざれば則ち勁撓誣われ、鷹は試みざれば則ち巧拙惑い、馬は試みざれば則ち良駑疑わし。此の四者の相紛るること有るは、考試せざるに由る、故に然るを得るなり。今群臣の試みられざるは、其の禍直だ誣暗疑惑に止まるのみに非ず、又必ず怠慢の節に致る。設し家人に五子十孫有り、父母精?を察せざれば、則ち勤力する者は懈弛し、惰慢なる者は非を遂ぐ、耗業破家の道なり。父子兄弟一門の計すら、猶お此の若き有り、則ち又況んや群臣の猥を総べて公事を治むる者をや。伝に曰く、「善悪彰らかなる無くんば、何を以てか沮勧せん」と。是の故に大人は功を考えざれば、則ち子孫惰りて家は破れ窮す。官長は功を考えざれば、則ち吏怠傲して奸宄興る。帝王は功を考えざれば、則ち直賢は抑えられて詐偽勝つ。故に《書》に曰く、「三載に績を考え、幽明を黜陟す」と。蓋し賢愚を昭らかにし能否を勧むる所以なり。
現代語訳
君主の大事な務めのなかで、賢者を知ることより急ぐものはありません。賢者を知る近道として、功績を考査することより急ぐものはありません。功績を本当に考査すれば、治乱がはっきりして明らかになり、善悪が確かになれば、正直な賢者は妨げられず、口の巧い者はその悪事を隠すことができません。剣は試さなければ切れ味が鈍いか鋭いかがわからず、弓は試さなければ強いかしなるかがあいまいになり、鷹は試さなければ巧みか拙いかが紛れ、馬は試さなければ良馬か駄馬かが疑わしくなります。この四つが紛らわしくなるのは、試さないためで、だからそうなるのです。いま群臣が試されないなら、その災いは、実情があいまいで疑わしくなるだけでは済まず、必ず怠惰と慢心に至ります。もし家に五人の子と十人の孫がいて、父母が(原文の字不明)を調べなければ、勤勉な者はだらけ、怠け者はそのまま過ちを通すことになり、家業をすり減らして家を破る道です。親子兄弟の一家の計でさえこうなのですから、まして多くの雑務を束ねて公事を治める群臣はなおさらです。伝に「善悪が明らかにならなければ、何によって悪を止め善を勧めるのか」とあります。だから家長が功績を考査しなければ、子孫は怠けて家は貧しく行き詰まります。官長が考査しなければ、役人は怠けて不正が起こります。帝王が考査しなければ、正直な賢者は抑えられ、偽りが勝ちます。だから《書》に「三年ごとに功績を考え、明らかな者を昇進させ暗い者を降格させる」とあります。賢い者と愚かな者を明らかにし、能力のある者とない者を励ますためです。
解説
この章句が説くこと
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『韓非子』初見秦第一賞を言ひて則ち与へず、罰を言ひて則ち行はず、賞罰信ならず、故に士民死せざるなり。
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『晏子春秋』雑上・晏子再治阿而見信景公任以國政景公、晏子をして東阿の宰たらしむ。三年にして、毀、国に聞こゆ。景公説ばず、召して之を免ず。晏子謝して曰く、「嬰は嬰の過ちを知れり。請う復た阿を治むること三年ならば、謄必ず国に聞こえん」と。景公忍びず、復た阿を治めしむ。三年にして誉れ国に聞こゆ。景公説び、召して之に賞す。辞して受けず。景公其の故を問う。対えて曰く、「昔者嬰の阿を治むるや、蹊径を築き、門閭の政を急にす。而して淫民之を悪む。倹力孝弟を挙げ、偸窳を罰す。而して惰民之を悪む。獄を決するに貴強を避けず。而して貴強之を悪む。左右の求むる所、法なれば則ち予え、法に非ざれば則ち否ず。而して左右之を悪む。貴人に事うるに体礼に過ぎず。而して貴人之を悪む。是を以て三邪は外に毀り、二讒は内に毀り、三年にして毀、君に聞こゆ。今臣謹んで之を更む。蹊径を築かず、而して門閭の政を緩くす。而して淫民説ぶ。倹力孝弟を挙げず、偸窳を罰せず。而して惰民説ぶ。獄を決するに貴強に阿る。而して貴強説ぶ。左右の求むる所、言に諾す。而して左右説ぶ。貴人に事うるに体礼に過ぐ。而して貴人説ぶ。是を以て三邪は外に誉め、二讒は内に誉め、三年にして誉れ君に聞こゆ。昔者嬰の誅に当たるべき所以の者は宜しく賞すべく、而して今の賞に当たるべき所以の者は宜しく誅すべし。是の故に敢えて受けず」と。景公晏子の賢なるを知り、乃ち任ずるに国政を以てし、三年にして斉大いに興る。
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