千字文 / 『千字文』閑居の静けさと自然
索居閑處 沈默寂寥 求古尋論 散慮逍遙 欣奏累遣 慼謝歡招 渠荷的歷 園莽抽條 枇杷晚翠 梧桐早凋 陳根委翳 落葉飄颻 遊鵾獨運 凌摩絳霄
新字:索居閑処 沈黙寂寥 求古尋論 散慮逍遥 欣奏累遣 慼謝歓招 渠荷的歴 園莽抽条 枇杷晩翠 梧桐早凋 陳根委翳 落葉飄颻 遊鵾独運 凌摩絳霄
書き下し
索居して閑処し 沈黙して寂寥たり 古を求め論を尋ね 慮を散じて逍遙す 欣びは奏まり累いは遣り 慼いは謝り歡びは招く 渠の荷は的歴として 園の莽は条を抽く 枇杷は晩く翠にして 梧桐は早く凋む 陳根は委ね翳い 落葉は飄颻す 遊鵾は独り運り 絳霄を凌摩す
現代語訳
世を離れてひとり閑かに暮らし、黙して静かに過ごします。 古人を求めて論を尋ね、思い煩いを散らして気ままに歩きます。 喜びが集まり煩いは去り、悲しみは退いて楽しみが招かれます。 水路の蓮は鮮やかに咲き、園の草は枝を伸ばします。 枇杷は遅くまで緑を保ち、梧桐は早く葉を落とします。 古い根は倒れて蔽われ、落ち葉はひらひらと舞います。 遊ぶ鵾鶏は一羽で飛び、赤い空を高く越えてゆきます。
解説
政治や栄達の話から一転して、閑居の静けさと自然の描写に移ります。人と離れて古典に親しみ、思い煩いを散らすという暮らしは、陶淵明らの隠逸の伝統にも通じる姿です。季節の移ろいが、蓮、草、枇杷、梧桐、落ち葉という具体的な植物で描かれ、衰えと盛りが同居する自然の姿を静かに映します。現代の仕事に引きつければ、常に動き続けるだけでなく、ひとりで静かに考える時間と、書物を通じて古人と対話する時間が、判断の質を支えるという読みができます。心を散らす場を持つことの大切さが伝わります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
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