千字文 / 『千字文』戦国の興亡と山河
晉楚更霸 趙魏困橫 假途滅虢 踐土會盟 何遵約法 韓弊煩刑 起翦頗牧 用軍最精 宣威沙漠 馳譽丹青 九州禹跡 百郡秦并 嶽宗恆岱 禪主云亭 雁門紫塞 雞田赤城 昆池碣石 鉅野洞庭 曠遠緜邈 巖岫杳冥
新字:晋楚更覇 趙魏困横 仮途滅虢 践土会盟 何遵約法 韓弊煩刑 起翦頗牧 用軍最精 宣威沙漠 馳誉丹青 九州禹跡 百郡秦并 嶽宗恒岱 禅主云亭 雁門紫塞 鶏田赤城 昆池碣石 鉅野洞庭 曠遠緜邈 巖岫杳冥
書き下し
晋楚は更ごも霸たり 趙魏は横に困しむ 途を仮りて虢を滅ぼし 践土に会盟す 何は約法に遵い 韓は煩刑に弊る 起翦頗牧は 軍を用うること最も精なり 威を沙漠に宣べ 誉れを丹青に馳す 九州は禹の跡 百郡は秦の并す 嶽は恒岱を宗とし 禅は云亭を主とす 雁門紫塞 鶏田赤城 昆池碣石 鉅野洞庭 曠遠緜邈として 巌岫は杳冥なり
現代語訳
晋と楚が交代で覇者となり、趙と魏は連衡の策に苦しみました。 晋は途を借りるふりをして虢を滅ぼし、践土で諸侯と盟を結びました。 蕭何は簡略な約束の法にしたがい、韓非は煩雑な刑に疲れました。 白起・王翦・廉頗・李牧は、軍の用い方が最も精妙でした。 威光を砂漠にまで及ぼし、名声を絵姿に残して広めました。 九州は禹の足跡であり、百郡は秦が併せたものです。 山では恒山と泰山を尊び、封禅の祭祀は云云山と亭亭山を主とします。 雁門と紫塞、鶏田と赤城があります。 昆明池と碣石、鉅野の沢と洞庭湖があります。 遠く広がり果てしなく続き、岩山や洞窟は奥深く暗いものです。
解説
春秋戦国の覇者や軍略家、法の運用、国土の山河を一気に描く段です。「何は約法に遵い、韓は煩刑に弊る」は、漢の蕭何が法を簡明にして安定をもたらし、韓非は厳しすぎる刑に苦しんだ対比として読まれます。ここでは、法は簡素であるほど守られやすいという、組織のルール設計にも通じる洞察が含まれています。また、戦いの名将と国土の広がりを並べるのは、力と土地の二つの視点で国を眺める構成です。現代なら、複雑すぎる規則が現場を疲れさせていないかを見直す一つの手がかりになります。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
晋楚覇業仮途滅虢約法煩刑起翦頗牧九州
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