長短経 / 覇図
袁劉攜貳、成此亂階、醜圖潜搆危機宻發、據有石頭、志犯應路、神謨内運、霜鋒外舉、祅沴載澄、國途恱穆、此又公之功也。沈攸包藏嵗月滋彰、蜂目犲聲、阻兵安忍、乃眷西顧、緬同異域、而經綸維始、九伐未申、長惡不悛、遂逞凶逆、公仗鉞出關、凝威江甸、正情與皎日同亮、明畧與秋雲競爽、至義所感、人百其心、積年逋誅、一朝顯戮、湘浦安流、章臺順軌、此又公之功也。公有濟天下之勲加之以明哲、道庇生靈、志匡宇宙、戮力肆心、劬勞王室、險阻艱難、備嘗之矣。若乃締搆宗室之勲造物資始之澤、雲布霧散、光被六合弼余一人、永清四海。遐方欵關而慕義、荒服重譯而來庭。汪哉邈乎、無得而名之也。〕
新字:袁劉攜貳、成此乱階、醜図潜搆危機密発、拠有石頭、志犯応路、神謨内運、霜鋒外舉、祅沴載澄、国途恱穆、此又公之功也。沈攸包蔵歳月滋彰、蜂目犲声、阻兵安忍、乃眷西顧、緬同異域、而経綸維始、九伐未申、長悪不悛、遂逞凶逆、公仗鉞出関、凝威江甸、正情与皎日同亮、明略与秋雲競爽、至義所感、人百其心、積年逋誅、一朝顕戮、湘浦安流、章台順軌、此又公之功也。公有済天下之勲加之以明哲、道庇生霊、志匡宇宙、戮力肆心、劬労王室、険阻艱難、備嘗之矣。若乃締搆宗室之勲造物資始之沢、雲布霧散、光被六合弼余一人、永清四海。遐方欵関而慕義、荒服重訳而来庭。汪哉邈乎、無得而名之也。〕
書き下し
袁・劉、貳を携え、此の乱階を成す。醜図潜かに構え、危機密かに発す。石頭に拠有し、志は応路を犯す。神謨内に運り、霜鋒外に挙がる。祅沴載ち澄み、国途悦穆たり。此れ又た公の功なり。沈攸、包蔵すること歳月にして滋々彰る。蜂目犲声、兵を阻みて安んじて忍ぶ。乃ち眷して西顧すれば、緬かに異域に同じ。而して経綸維れ始まり、九伐未だ申べず。長悪悛めず、遂に凶逆を逞しくす。公、鉞を仗きて関を出で、威を江甸に凝らす。正情は皎日と亮を同じくし、明略は秋雲と爽を競う。至義の感ずる所、人は其の心を百にす。積年の逋誅、一朝にして顕戮す。湘浦は安流し、章台は順軌たり。此れ又た公の功なり。公に天下を済うの勲有り。加うるに明哲を以てす。道は生霊を庇い、志は宇宙を匡す。力を戮し心を肆にし、王室に劬労す。険阻艱難、備さに之を嘗む。若し乃ち宗室を締構するの勲、造物資始の沢は、雲のごとく布き霧のごとく散じ、光は六合に被る。余一人を弼け、永く四海を清くす。遐方は関を款きて義を慕い、荒服は訳を重ねて来庭す。汪たるかな邈たるかな、得て之を名づくる無きなり」と。〉
現代語訳
袁粲と劉秉が二心を抱き、この乱の階段を作った。醜い企てがひそかに構えられ、危機がひそかに発した。石頭を占拠し、志は御路を犯すことにあった。神のごとき謀が内でめぐり、霜のような鋒が外で挙がった。妖しい気はたちまち澄み、国の道は喜び和らいだ。これもまた公の功である。沈攸之は年月をかけて隠していたものが次第に現れた。蜂の目と豺の声で、兵を構えて平然と残忍だった。西を顧みれば、はるかに異国と同じありさまだった。国の経営が始まったばかりで、九つの討伐はまだ行われていない。長く悪を改めず、ついに凶逆をほしいままにした。公は鉞を持って関を出て、威を長江のほとりに凝らした。正しい心は明るい日と光を同じくし、明らかな計略は秋の雲と爽やかさを競った。至高の義が感じさせたところ、人は心を百倍にした。積年の討ち漏らしを、一朝にして公に誅した。湘水のほとりは安らかに流れ、章台は順調に治まった。これもまた公の功である。公には天下を救う勲功があり、加えて明察がある。道は生きとし生けるものを庇い、志は天下を正す。力を尽くし心をほしいままにし、王室に苦労した。険しさも難しさも、すべて味わった。宗室を組み立てた勲功と、物を造り始めた恵みは、雲のように広がり霧のように散じ、光は天地の六方に及ぶ。私一人を輔け、永く四海を清める。遠い地は関に来て義を慕い、辺境は通訳を重ねて朝廷に来る。広大で遠大で、名づけようがない」。〉
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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『長短経』覇図荊州刺史沈攸之、反す。帝、之を討つ。〈初め、攸之、太后の命と称し、已に都に下る。袁粲・劉秉等、帝の威名の日に盛んなるを見て、自ら安んぜず、攸之と通謀し、事を殿内に挙ぐ。帝、王敬則に命じて殿内に於て之を誅せしむ。〉位を進めて相国と為し、斉公に封じ、九錫を備う。〈策に曰く「朕、不造を以て、夙に旻凶に罹る。嗣君、徳を失い、書契未だ紀せず。五行を威侮し、九族を虔劉す。神は厭き霊は斁れ、海水群飛す。綴旒の殆きも、未だ譬うるに足らず。豈に直だ小宛の刺を興し、黍離の歌を作すのみならんや。天、皇宋を賛け、実に明宰を啓く。爰に寡昧に登り、大業を纂承す。高勲至徳、振古絶倫なり。保衡の殷を翼け、博陸の漢を匡すと雖も、斯に方ぶれば蔑如たるなり。今、将に公に典礼を授けんとす。其れ敬みて朕が命を聴け。乃者、袁・劉、禍を構え、実に繁く徒有り。子房、臣ならず、兵を称して乱に協す。宮掖を顧瞻するに、将に茂草を成さんとす。邦国を言念するに、翦ちて仇讐と為る。此の時に当たり、人に固き志無し。袂を投じて難に徇い、超然として奮発す。戎車に登りて路を戒め、金版を執りて先駆す。麾鉞一たび臨めば、凶党は氷のごとく泮く。此れ則ち覇業の基、勤王の始めなり。
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