省諐録 / 第32条
敎練不精。賞罰不明。又無能用之者。縱有億萬之衆。其於戰守。所謂伏雞乳犬。如其貍與虎何哉。
新字:教練不精。賞罰不明。又無能用之者。縦有億万之衆。其於戦守。所謂伏鶏乳犬。如其貍与虎何哉。
書き下し
敎練精ならず、賞罰明らかならず、又之を能く用ふる者無くんば、縱ひ億萬の衆有りとも、其の戰守に於けるや、所謂伏雞乳犬、其の貍と虎とを如何せん。
現代語訳
訓練が行き届かず、賞罰が明らかでなく、そのうえ兵を使いこなせる者もいないなら、たとえ億万の大軍がいたとしても、戦うにも守るにも、いわゆる卵を抱く雌鶏や乳を与える犬のようなものです。狸や虎に出会ったとき、どうすることができるでしょうか。
解説
兵の数が多くても、訓練が精しくなく、賞罰が明らかでなく、使いこなす人もいなければ、役に立たないと述べる短い条です。卵を抱く雌鶏や乳を与える犬は、わが子を守る気概はあっても、狸や虎には敵わないという譬えとして出てきます。つまり、数は力にならず、訓練、賞罰、指揮という三つがそろって初めて力になるということです。現代の組織でも、人員が多くても育成の仕組みと評価の基準、そして任せる側の力量が欠ければ、成果にはつながりません。頭数に安心せず、この三つの有無を点検するための条です。
この章句が説くこと
訓練賞罰指揮数育成省諐録
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