省諐録 / 第17条
外邪襲人。多在睡眠之時。故中夜就寢。不得熟眠。爲令速寤。常當係意在醒。若支體有所不安。或以手摩之。或隨意轉側。務令血氣無所停滯。若咽喉不滑。或運舌嚥津。或深息閉氣。少焉放之。如是行之。外邪亦侵不得。
新字:外邪襲人。多在睡眠之時。故中夜就寝。不得熟眠。為令速寤。常当係意在醒。若支体有所不安。或以手摩之。或随意転側。務令血気無所停滞。若咽喉不滑。或運舌嚥津。或深息閉気。少焉放之。如是行之。外邪亦侵不得。
書き下し
外邪の人を襲ふは、多く睡眠の時に在り。故に中夜寢に就き、熟眠するを得ず。速やかに寤めしめんが爲に、常に當に意を醒むるに係くべし。若し支體に安からざる所有らば、或いは手を以て之を摩し、或いは意に隨ひて轉側し、務めて血氣をして停滯する所無からしむ。若し咽喉滑らかならざれば、或いは舌を運らして津を嚥み、或いは深く息して氣を閉ぢ、少焉にして之を放つ。是くの如く之を行へば、外邪も亦侵し得ず。
現代語訳
外から来る邪気が人を襲うのは、多くは眠っているときです。そのため、夜に床に就いても、ぐっすり眠りこんではいけません。すぐ目覚められるように、常に気持ちを覚醒させておくことに心をかけるべきです。もし手足や身体に具合の悪いところがあれば、手でさすったり、思うままに寝返りを打ったりして、できるだけ血や気が滞らないようにします。もし喉が滑らかでなければ、舌を回して唾液を飲み込んだり、深く息を吸って気を閉じ、しばらくしてから放ったりします。こうして行えば、外邪もまた侵すことができません。
解説
睡眠中の養生法を述べた条です。外邪は眠っている時に人を襲うことが多いので、夜は熟睡しこまず、すぐ目覚められるよう意を醒ませておくといいます。身体に不調があれば手でさすり、寝返りを打って血気を滞らせない。喉が渇けば舌を回して唾を飲み、深く息を吸って止め、しばらくして放つ。こう続ければ外邪も侵せないと言います。「外邪」は外から身体を損なう悪い影響を指す語で、睡眠を浅くする点は当時の養生観ですから、いまの睡眠の考え方とは分けて読む必要があります。獄中という過酷な環境で身体を守る工夫が具体的に残っているのが興味深いところです。現代の仕事でも、呼吸や姿勢などの小さな習慣が、長い負荷に耐える土台になります。
この章句が説くこと
養生外邪血気呼吸体調管理省諐録
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