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養生訓 / 巻第五・五官

一夜臥すに、衣を以て面をおほふべからず、氣をふさぎ、氣上る。夜臥すに、燈をともすべからず、魂魄定らず。もしともさば、燈をかすかにしてかくすべし。ねぶるに口を閉づべし。口をひらきてねぶれば、眞氣を失ひ、又牙齒早くおつ。

新字:一夜臥すに、衣を以て面をおほふべからず、気をふさぎ、気上る。夜臥すに、灯をともすべからず、魂魄定らず。もしともさば、灯をかすかにしてかくすべし。ねぶるに口を閉づべし。口をひらきてねぶれば、真気を失ひ、又牙歯早くおつ。

書き下し

一夜臥すに、衣を以て面をおほふべからず、気をふさぎ、気上る。夜臥すに、灯をともすべからず、魂魄定らず。もしともさば、灯をかすかにしてかくすべし。ねぶるに口を閉づべし。口をひらきてねぶれば、真気を失ひ、又牙歯早くおつ。

現代語訳

夜寝るときに、夜着で顔を覆ってはいけません。気をふさぎ、気がのぼります。夜寝るときに灯火をともしてはいけません、魂が定まりません。もしともすなら、灯を薄暗くして隠すべきです。眠るときは口を閉じるべきです。口を開いて眠ると、真気を失い、また歯が早く抜けます。

解説

眠るときの三つの注意を簡潔にまとめた条です。布団で顔を覆わない、明かりを消すか暗くする、口を閉じて眠るという助言は、いずれも今の睡眠衛生の考え方とよく重なります。明かりがあると魂魄が定まらないという表現は、光が眠りの深さを妨げることを当時の言葉で言い表したものと読めます。口を開けて眠ると真気を失い歯も早く抜けるという指摘も、口呼吸による口の乾きが歯やのどに悪いという今の理解に通じるところがあります。

この章句が説くこと

睡眠灯火口真気養生

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