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政談 / 御徒士衆與力を頭の心儘に入るゝ事並に御旗本諸役人に召出さるゝ事

惣して天地の道理の道理たる舊きものは次第に消え失せ、新らしきもの生すること道理の常なり、天地の間の一切のもの皆斯の如く古きものを如何ほといつまてもかゝへ置き度思ふとも力に叶はさることなり、材木も古きは立失せ、五穀も年々に出來替り、人も年よりたるは死失せて新しきもの新しき人入れかはることなり、又天地の道理下より段々昇りて上になる、昇りつめたるは次第に消え失せて下より入りかはること是亦理の常にて、易の道理斯の如し、

新字:惣して天地の道理の道理たる旧きものは次第に消え失せ、新らしきもの生すること道理の常なり、天地の間の一切のもの皆斯の如く古きものを如何ほといつまてもかゝへ置き度思ふとも力に叶はさることなり、材木も古きは立失せ、五穀も年々に出来替り、人も年よりたるは死失せて新しきもの新しき人入れかはることなり、又天地の道理下より段々昇りて上になる、昇りつめたるは次第に消え失せて下より入りかはること是亦理の常にて、易の道理斯の如し、

書き下し

惣して天地の道理の道理たる旧きものは次第に消え失せ、新らしきもの生すること道理の常なり、天地の間の一切のもの皆斯の如く古きものを如何ほといつまてもかゝへ置き度思ふとも力に叶はさることなり、材木も古きは立失せ、五穀も年々に出来替り、人も年よりたるは死失せて新しきもの新しき人入れかはることなり、又天地の道理下より段々昇りて上になる、昇りつめたるは次第に消え失せて下より入りかはること是亦理の常にて、易の道理斯の如し、

現代語訳

総じて、天地の道理として古いものは次第に消え失せ、新しいものが生じるのが道理の常である。天地の間の一切のものはみなこのようで、古いものをどれほどいつまでも抱えておきたいと思っても、力の及ばないことである。材木も古いものは朽ち失せ、五穀も年々に実り替わり、人も年老いた者は死に失せて、新しいもの、新しい人に入れ替わる。また天地の道理は、下から段々に昇って上になり、昇りつめたものは次第に消え失せて、下から入れ替わる。これもまた理の常であって、易の道理はこのようなものである。

解説

ここから徂徠は人材登用の根拠を天地の道理に求める。古いものは消え、新しいものが生じる。材木は朽ち、五穀は年ごとに実り替わり、人も老いて新しい世代に入れ替わる。そして下から昇ったものが上に至り、昇りつめれば消えて下から入れ替わるのが易の道理だという。徂徠は易を抽象的な哲理ではなく、世の移り変わりを見る枠組みとして用いている。現代の組織も、新陳代謝が止まれば硬直する。古いものを守るだけでなく、下から上がってくる力を前提に組織を設計したい。

この章句が説くこと

天地易道理新陳代謝交代政談

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