三十六計 / 第二套 敵戰計・第十一計・李代桃僵
勢必有損,損陰以益陽。 【按語】我敵之情,各有長短。戰爭之事,難得全勝,而勝負之訣,即在長短之相較,乃有以短勝長之秘訣。如以下駟敵上駟,以上駟敵中駟,以中駟敵下駟之類:則誠兵家獨具之詭謀,非常理之可測也。
新字:勢必有損,損陰以益陽。 【按語】我敵之情,各有長短。戦争之事,難得全勝,而勝負之訣,即在長短之相較,乃有以短勝長之秘訣。如以下駟敵上駟,以上駟敵中駟,以中駟敵下駟之類:則誠兵家独具之詭謀,非常理之可測也。
書き下し
勢として必ず損有らば、陰を損して以て陽を益す。 【按語】我と敵との情は、各おの長短有り。戰爭の事は、全勝を得難し。而して勝負の訣は、即ち長短の相ひ較ぶるに在り。乃ち短を以て長に勝つの秘訣有り。下駟を以て上駟に敵し、上駟を以て中駟に敵し、中駟を以て下駟に敵するの類の如し。則ち誠に兵家獨り具ふる詭謀にして、常理の測るべきに非ざるなり。
現代語訳
形勢として必ず損失が出るなら、陰(小さなもの)を損して陽(大きなもの)を益す。 【按語】自分と敵とには、それぞれ長所と短所があります。戦争では、すべてに勝つことは難しいものです。勝敗を決める鍵は、まさにその長所と短所を比べるところにあります。そこには、短所で長所に勝つ秘訣があります。たとえば、下等の馬で相手の上等の馬に当たらせ、上等の馬で相手の中等の馬に当たらせ、中等の馬で相手の下等の馬に当たらせるような方法です。これはまさに兵家だけが備えている詭謀であり、通常の理屈では測れないものです。
解説
第十一計「李代桃僵」は、全体の勝ちを得るために、一部の損失を受け入れる計です。名の由来は、虫が桃の根をかじるとき、李の木が代わりに枯れるという古い楽府の句とされます。按語は、勝負を決めるのは長所と短所の比べ方だとして、いわゆる田忌の馬の故事を引きます。下馬で相手の上馬に当て、上馬は中馬に、中馬は下馬に当てれば、全体では二勝一敗です。仕事では、すべての案件で勝とうとせず、取るべき領域に力を集め、捨てる領域をあえて決める資源配分の考え方に通じます。何を捨てるかを事前に決めて、責任をもって引き受ける覚悟が必要です。
この章句が説くこと
李代桃僵損長短田忌下駟上駟資源配分
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