三十六計 / 第四套 混戰計・第 廿 計・混水摸魚
乘其陰亂,利其弱而無主。隨,以向晦入宴息。 【按語】動蕩之際,數力衝撞,弱者依違無主,散蔽而不察,我隨而取之。《六韜》曰:「三軍數驚,士卒不齊,相恐以敵強,相語以不利,耳目相屬,妖言不止,眾口相惑,不畏法令,不重其將:此弱征也。」是魚,混戰之際,擇此而取之。如:劉備之得荊州,取西川,皆此計也。
新字:乗其陰乱,利其弱而無主。随,以向晦入宴息。 【按語】動蕩之際,数力衝撞,弱者依違無主,散蔽而不察,我随而取之。《六韜》曰:「三軍数驚,士卒不斉,相恐以敵強,相語以不利,耳目相属,妖言不止,衆口相惑,不畏法令,不重其将:此弱征也。」是魚,混戦之際,択此而取之。如:劉備之得荊州,取西川,皆此計也。
書き下し
其の陰乱に乗じ、其の弱くして主無きを利す。随は、晦に向かいて以て宴息す。 【按語】動蕩の際、数力衝撞し、弱者は依違して主無く、散蔽して察せず、我随いて之を取る。《六韜》に曰く、「三軍数しば驚き、士卒斉しからず、相恐るるに敵の強きを以てし、相語るに不利を以てし、耳目相属し、妖言止まず、衆口相惑わし、法令を畏れず、其の将を重んぜず。此れ弱征なり」と。是れ魚なり、混戦の際、此れを択びて取る。如えば、劉備の荊州を得、西川を取るは、皆此の計なり。
現代語訳
相手の内部の混乱に乗じ、その弱くて統率する者がいない状態につけ込む。随の卦に、「日が暮れれば奥に入って休息する」とあります。 【按語】世の中が揺れ動くとき、いくつもの勢力がぶつかり合い、弱い者はどちらにつくか定まらず、主を失って散り散りになり、状況を見極められません。そこで私はその混乱に従いながら、機を見て取ります。『六韜』にいわく、「全軍がたびたび驚き、兵士の足並みがそろわず、互いに敵の強さを語って恐れ合い、不利なことばかり話し、人々の目と耳が同じ噂に集まり、怪しいうわさが止まず、大勢が互いに惑わし合い、法令を畏れず、将を重んじない。これは弱って崩れる兆しである」と。これが魚です。混戦のさなかには、こうした者を選んで取るのです。たとえば、劉備が荊州を得て、西川を取ったのは、いずれもこの計です。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
三十六計・第一套 勝戰計・第六計・聲東擊西敵の志亂萃し、虞らず、坤下兌上の象なり。其の自ら主たらざるに利して之を取る。 【按語】西漢、七國反するや、周亞夫は壁を堅くして戰はず。吳兵、壁の東南の陬に奔れば、亞夫便ち西北を備ふ。已にして吳王の精兵果たして西北を攻めたれども、遂に入るを得ず。此れ敵の志亂れず、能く自ら主たるなり。漢末、朱雋、黄巾を宛に圍み、張圍結壘し、土山を起こして以て城内に臨み、鼓を鳴らして其の西南を攻む。黄巾悉く衆を以て之に赴く。雋自ら精兵五千を將ゐて、其の東北を掩ひ、遂に虚に乘じて入る。此れ敵の志亂萃し、虞らざるなり。然らば則ち聲東擊西の策は、須く敵の志の亂るると否とを視て定むべし。亂るれば則ち勝つ。亂れざれば、將に自ら敗亡を取らんとす。險策なり。
-
三十六計・第二套 敵戰計・第十二計・順手牽羊微隙は必ず乘ずる所なり。微利は必ず得る所なり。少陰、少陽。 【按語】大軍動く處、其の隙甚だ多し。間に乘じて利を取り、必ずしも勝を以てせず。勝は固より用ふべし、敗も亦た用ふべし。
-
三十六計・第一套 勝戰計・第二計・圍魏救趙敵を共にするは敵を分かつに如かず、敵陽は敵陰に如かず。 【按語】兵を治むること水を治むるが如し。銳き者は其の鋒を避くること、導き疏するが如し。弱き者は其の虚を塞ぐこと、堰を築くが如し。故に齊の趙を救ふに當たりて、孫子田忌に謂ひて曰く、「夫れ雜亂糾紛を解く者は拳を控かず、鬪を救ふ者は搏撃せず、亢を批ち虚を搗き、形格勢禁すれば、則ち自ら解けんのみ」と。
-
三十六計・第一套 勝戰計・第五計・趁火打劫敵の害大なれば、勢に就きて利を取る。剛、柔を決するなり。 【按語】敵の害内に在れば、則ち其の地を劫す。敵の害外に在れば、則ち其の民を劫す。内外交ごも害あれば、則ち其の國を劫す。如へば、越王は吳國内に蟹稻種を遺さざるに乘じて之を攻めんことを謀り、後に卒に吳の北のかた諸侯に黄池に會するの際、國内空虚なるに乘じ、因りて之を搗き、大いに全勝を獲たり。
-
三十六計・第四套 混戰計・第十九計・釜底抽薪敵の力に敵せずして、其の勢いを消す、兌下乾上の象なり。 【按語】水の沸く者は、力なり、火の力なり、陽中の陽なり、鋭くして当たるべからず。薪なる者は、火の魄なり、即ち力の勢いなり、陰中の陰なり、進みて害無し。故に力は当たるべからずして勢いは猶お消すべし。《尉繚子》に曰く、「気実つれば則ち闘い、気奪わるれば則ち走る」と。而して気を奪うの法は、則ち心を攻むるに在り。昔、呉漢大司馬と為る、寇の夜に漢の営を攻むる有り、軍中驚擾す。漢堅く臥して動かず、軍中漢の動かざるを聞き、傾く有りて乃ち定まる。乃ち精兵を選びて反撃し、大いに之を破る。此れ即ち直ちに其の力に当たらずして其の勢いを撲消するなり。宋の薛長儒、漢・湖・滑三州の通判と為り、漢州に駐す。州兵数百叛き、営門を開き、知州・兵馬監押を殺さんと謀り、営を焼きて以て乱を為す。来たり告ぐる者有るも、知州・監押皆敢えて出でず。長儒身を挺して徒歩し、垣より其の営中に入り、福禍の語を以て乱卒に曰く、「汝が輩皆父母妻子有り、何の故に此れを作す。叛く者は左に立て、脅従の者は右に立て」と。是に於いて、謀に与らざる者数百人右に立つ。独り主謀者十三人門を突きて出で、諸村の野に散ず、尋いで捕獲す。時に謂う、長儒に非ざれば、則ち一城塗炭せんと。此れ即ち心を攻め気を奪うの用なり。或いは曰く、敵と敵と対す、強敵の虚を搗きて以て其の将に成らんとするの功を敗るなり。
-
三十六計・第四套 混戰計・第廿三計・遠交近攻形禁じ勢い格まるときは、利は近きより取り、害は遠きを以て隔つ。上は火、下は沢なり。 【按語】混戦の局は、縦横捭闔の中に、各自利を取る。遠きは攻むべからずして、利を以て相結ぶべし。近き者は之を交えば、反って変を肘腋に生ぜしむ。范雎の謀は、地理の定則為り、其の理甚だ明らかなり。
人生を、一行の式にしてみた。
志×積×時×憤÷(1+執)+命。古典から導いた式『人生の方程式』と、二十四の悩みに古典が答える『人生の教科書』(PDF)、師導の全機能1か月がセットで700円です。
本の中身を見る