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留魂録 / 第十六条

一、同志諸友ノ内、小田村、久保、久坂、子遠兄弟等ノ事、鮎沢、堀江、長谷川、小林、勝野等ヘ告知シ置ヌ、村塾ノ事、須佐・阿月等ノ事モ告置ケリ、飯田・尾寺・高杉及ヒ利輔ノ事モ諸人ニ告置シナリ、是皆吾カ苟モ是ヲナスニ非ス、

書き下し

一、同志諸友の内、小田村・久保・久坂・子遠兄弟等の事、鮎沢・堀江・長谷川・小林・勝野等へ告知し置きぬ。村塾の事、須佐・阿月等の事も告げ置けり。飯田・尾寺・高杉及び利輔の事も諸人に告げ置きしなり。是れ皆吾が苟もこれをなすに非ず。

現代語訳

同志の友人のうち、小田村伊之助・久保清太郎・久坂玄瑞・入江杉蔵と野村和作の兄弟らのことは、鮎沢・堀江・長谷川・小林・勝野らに知らせておいた。松下村塾のこと、須佐や阿月の同志のことも知らせておいた。飯田正伯・尾寺新之丞・高杉晋作、それに利輔(のちの伊藤博文)のことも、獄中の人々に知らせておいた。これはみな、私がいいかげんな気持ちでしたことではない。

解説

最後の条で松陰は、獄中で出会った人々に、門人たちの名をすでに伝えてあると記します。小田村、久保、久坂、入江兄弟、高杉晋作、そして利輔と呼ばれた若き伊藤博文の名も見えます。前の条で獄中の人々を門人に紹介したのと対になり、外と内の両側から人をつなぐ手筈を整えたのです。「苟もこれをなすに非ず」、軽い気持ちでしたことではないという一言に、この名簿が国の将来を託すための深い考えから出たものであることが示されています。

この章句が説くこと

門人人脈松下村塾高杉晋作継承

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