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論衡 / 『論衡』謝短篇第三十六・互いを責め、己の欠けを悟らず

夫儒生能說一經、自謂通大道驕文吏;文吏曉簿書、自謂文無害以戲儒生。各持滿而自(藏)〔臧〕、非彼而是我、不知所為短、不悟於己未足。

新字:夫儒生能説一経、自謂通大道驕文吏;文吏暁簿書、自謂文無害以戯儒生。各持満而自(蔵)〔臧〕、非彼而是我、不知所為短、不悟於己未足。

書き下し

夫れ儒生は一経を説くこと能くして、自ら大道に通ずと謂いて文吏に驕る。文吏は簿書に暁かにして、自ら文は害無しと謂いて儒生を戯る。各々満を持して自ら臧しとし、彼を非として我を是とし、短と為す所を知らず、己の未だ足らざるを悟らず。

現代語訳

儒生は一つの経書を説くことができると、自分は大道に通じていると思い込んで文吏に驕ります。文吏は帳簿や文書に通じていると、自分は文書で落ち度がないと思い、儒生をからかいます。どちらも満ち足りたつもりで自分を良しとし、相手を責めて自分を正しいと考え、何が自分の欠点かを知らず、自分がまだ足りないことを悟りません。

解説

謝短篇は、儒生と文吏の双方に、それぞれの欠点を突きつける篇です。前の程材篇、量知篇で儒生を持ち上げた王充が、ここでは儒生の驕りも文吏の慢心も同じように戒めます。両者とも自分の得意分野で満足し、相手を低く見て、自分の足りなさに気づきません。専門の異なる部署が互いを見下し合う、現代の組織にもよくある姿です。営業と開発、現場と本部など、自分の強みを根拠に相手を責めるとき、自分の側の穴が見えなくなっていないか。相手の短所を言う前に、自分の欠けを問う姿勢が大切になります。
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この章句が説くこと

驕り専門慢心儒生文吏自己点検

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