導師導古典を学びたいすべての人に

論語と算盤 / 処世と信条・得意時代と失意時代

水戸黄門光圀公の壁書中に『小なる事は分別せよ、大なることに驚くべからず』とあるは、真に知言と謂ふべきである。

書き下し

水戸黄門光圀公の壁書中に『小なる事は分別せよ、大なることに驚くべからず』とあるは、真に知言と言うべきである。

現代語訳

水戸黄門光圀公の壁書の中に「小さな事はよく分別せよ、大きな事に驚いてはならない」とあるのは、まことに知言(道理を言い当てた言葉)というべきである。

解説

得意時代と失意時代の章は、水戸光圀の壁書の一句で締めくくられる。壁書とは、家訓や心得を書いて壁に掲げたものである。「小なる事は分別せよ、大なることに驚くべからず」。小事は侮らずによく考えて処理し、大事に遭っても動揺するな、という意味である。章全体で渋沢が説いてきた、得意時代の油断を戒め、小事を侮らず、大事にも小事にも同一の思慮で当たれ、という教えが、この一句に凝縮されている。光圀は徳川家康の孫で水戸藩の二代藩主、『大日本史』の編纂を始めたことで知られる。小事を分別することと大事に驚かないことは、一見別々の心得に見えるが、どちらも平常心を保つという一点でつながっている。小事に丁寧で大事に動じない、という姿は、今も人の上に立つ者の条件である。

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る