礼記 / 燕義
諸侯燕禮之義:君立阼階之東南,南鄉爾;卿,大夫皆少進,定位也。君席阼階之上,居主位也;君獨升立席上,西面特立,莫敢適之義也。 設賓主,飲酒之禮也。使宰夫為獻主,臣莫敢與君亢禮也。不以公卿為賓,而以大夫為賓,為疑也,明嫌之義也。賓入中庭,君降一等而揖之,禮之也。
新字:諸侯燕礼之義:君立阼階之東南,南郷爾;卿,大夫皆少進,定位也。君席阼階之上,居主位也;君独升立席上,西面特立,莫敢適之義也。 設賓主,飲酒之礼也。使宰夫為献主,臣莫敢与君亢礼也。不以公卿為賓,而以大夫為賓,為疑也,明嫌之義也。賓入中庭,君降一等而揖之,礼之也。
書き下し
諸侯燕礼の義。君、阼階の東南に立ち、南郷して爾(じ)し、卿・大夫皆少しく進むは、位を定むるなり。君、阼階の上に席するは、主位に居るなり。君独り升りて席上に立ち、西面して特立するは、敢えてこれに適(てき)する莫きの義なり。 賓主を設くるは、飲酒の礼なり。宰夫をして献主と為さしむるは、臣敢えて君と礼を亢(こう)する莫ければなり。公卿を以て賓と為さずして、大夫を以て賓と為すは、疑わしきが為なり。嫌を明らかにするの義なり。賓、中庭に入れば、君、一等を降りてこれに揖するは、これを礼するなり。
現代語訳
諸侯の燕礼の意義について。君主が阼階(東の階段)の東南に立ち、南を向いて臣下に近く寄るよう会釈すると、卿・大夫が皆少し進み出るのは、席次を定めるためである。君主の席が阼階の上に設けられるのは、主人の位置にいるからである。君主がただ一人堂に上って席の上に立ち、西を向いて独り立つのは、誰も君主と肩を並べる者はいないという意味である。 賓と主人を設けるのは、飲酒の礼の形である。宰夫(さいふ、膳部の役人)を献主(酒を献じる主人役)とするのは、臣下は君主と対等の礼を交わすことができないからである。公や卿を賓とせず、大夫を賓とするのは、公卿を賓にすると君主と張り合う疑いが生じるからで、嫌疑を避けることを明らかにする意味である。賓が中庭に入ると、君主が階段を一段降りて会釈するのは、賓に礼を尽くすためである。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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礼記・燕義席は、小卿は上卿に次ぎ、大夫は小卿に次ぎ、士・庶子は次を以て位に下に就く。君に献じ、君、旅を挙げ酬を行いて而る后(のち)に卿に献ず。卿、旅を挙げ酬を行いて而る后に大夫に献ず。大夫、旅を挙げ酬を行いて而る后に士に献ず。士、旅を挙げ酬を行いて而る後に庶子に献ず。俎豆・牲体・薦羞、皆等差有るは、貴賤を明らかにする所以なり。
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礼記・燕義君、旅(りょ)を賓に挙げ、及び君の賜う所の爵は、皆降りて再拝稽首し、升りて拝を成すは、臣の礼を明らかにするなり。君これに答拝するは、礼答えざる無し、君上の礼を明らかにするなり。臣下、力を竭(つ)くし能を尽くして以て功を国に立つれば、君必ずこれに報ゆるに爵禄を以てす。故に臣下皆力を竭くし能を尽くして以て功を立つるを務む。是を以て国安くして君寧(やす)し。礼答えざる無しとは、上の虚しく下に取らざるを言うなり。上必ず正道を明らかにして以て民を道(みちび)き、民これに道(したが)いて功有り、然る後に其の什一を取る。故に上用足りて下匱(とぼ)しからざるなり。是を以て上下和親して相怨まざるなり。和寧は、礼の用なり。此れ君臣上下の大義なり。故に曰く、「燕礼なる者は、君臣の義を明らかにする所以なり」と。
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礼記・郷飲酒義郷飲酒(きょういんしゅ)の義。主人、賓を庠門(しょうもん)の外に拝迎し、入りて、三揖(さんゆう)して而る後に階に至り、三譲して而る後に升るは、尊譲を致す所以なり。盥洗(かんせん)して觶(し)を揚ぐるは、絜(けつ)を致す所以なり。拝至・拝洗・拝受・拝送・拝既は、敬を致す所以なり。尊譲絜敬なる者は、君子の相接する所以なり。君子、尊譲なれば則ち争わず、絜敬なれば則ち慢(あなど)らず。慢らず争わざれば、則ち闘弁に遠ざかる。闘弁せざれば則ち暴乱の禍無し。斯れ君子の人禍を免るる所以なり。故に聖人これを制するに道を以てす。
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礼記・郷飲酒義郷人・士・君子は、房戸の間に尊(そん)するは、賓主これを共にするなり。尊に玄酒(げんしゅ)有るは、其の質を貴ぶなり。羞(しゅう)の東房より出づるは、主人これを共(きょう)するなり。洗の東栄(とうえい)に当たるは、主人の自ら絜くして、以て賓に事うる所以なり。 賓主は天地に象(かたど)り、介僎(かいせん)は陰陽に象り、三賓は三光に象る。譲の三なるは、月の三日にして魄(はく)を成すに象るなり。四面の坐は、四時に象るなり。
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礼記・郷飲酒義郷飲酒の義は、賓を立てて以て天に象り、主を立てて以て地に象り、介僎を設けて以て日月に象り、三賓を立てて以て三光に象る。古の礼を制するや、これを経(けい)するに天地を以てし、これを紀するに日月を以てし、これを参(さん)するに三光を以てす。政教の本なり。 狗(いぬ)を東方に亨(に)るは、陽気の東方に発するに祖(のっと)るなり。洗の阼(そ)に在り、其の水の洗の東に在るは、天地の左海に祖るなり。尊に玄酒有るは、民に本を忘れざることを教うるなり。
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礼記・射義古は諸侯の射や、必ず先ず燕礼を行う。卿・大夫・士の射や、必ず先ず郷飲酒の礼を行う。故に燕礼は、君臣の義を明らかにする所以なり。郷飲酒の礼は、長幼の序を明らかにする所以なり。 故に射る者は、進退周還(しゅうせん)必ず礼に中(あた)り、内志正しく、外体直くして、然る後に弓矢を持つこと審固(しんこ)なり。弓矢を持つこと審固にして、然る後に以て中(あ)つと言うべし。此れ以て徳行を観るべし。
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