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礼記 / 郷飲酒義

賓必南鄉,東方者春,春之為言蠢也,產萬物者聖也。南方者夏,夏之為言假也,養之,長之,假之,仁也。西方者秋,秋之為言愁也,愁之以時察,守義者也。北方者冬,冬之為言中也,中者藏也。是以天子之立也,左聖鄉仁,右義偝藏也。介必東鄉,介賓主也。主人必居東方,東方者春,春之為言蠢也,產萬物者也。主人者造之,產萬物者也。月者三日則成魄,三月則成時,是以禮有三讓,建國必立三卿。三賓者,政敎之本,禮之大參也。

新字:賓必南郷,東方者春,春之為言蠢也,産万物者聖也。南方者夏,夏之為言仮也,養之,長之,仮之,仁也。西方者秋,秋之為言愁也,愁之以時察,守義者也。北方者冬,冬之為言中也,中者蔵也。是以天子之立也,左聖郷仁,右義偝蔵也。介必東郷,介賓主也。主人必居東方,東方者春,春之為言蠢也,産万物者也。主人者造之,産万物者也。月者三日則成魄,三月則成時,是以礼有三譲,建国必立三卿。三賓者,政教之本,礼之大参也。

書き下し

賓は必ず南郷(なんきょう)す。東方は春なり。春の言たる蠢(しゅん)なり。万物を産する者は聖なり。南方は夏なり。夏の言たる仮(か)なり。これを養い、これを長じ、これを仮(おお)いにするは、仁なり。西方は秋なり。秋の言たる愁(しゅう)なり。これを愁(あつ)むるに時を以て察し、義を守る者なり。北方は冬なり。冬の言たる中なり。中なる者は蔵なり。是を以て天子の立つや、聖を左にし仁に郷い、義を右にし蔵を偝(そむ)くなり。介は必ず東郷す。賓主に介するなり。主人は必ず東方に居る。東方は春なり。春の言たる蠢なり。万物を産する者なり。主人はこれを造る、万物を産する者なり。月は三日にして則ち魄を成し、三月にして則ち時を成す。是を以て礼に三譲有り、国を建つるに必ず三卿を立つ。三賓なる者は、政教の本、礼の大参なり。

現代語訳

賓は必ず南を向いて座る。東方は春である。春という言葉は「蠢(うごめく)」の意味である。万物を生み出すものは聖である。南方は夏である。夏という言葉は「仮(大きくする)」の意味である。万物を養い、成長させ、大きくするのは仁である。西方は秋である。秋という言葉は「愁(しゅう、引き締めて集める)」の意味である。時節に応じてよく見極めて引き締め収めるのは、義を守るものである。北方は冬である。冬という言葉は「中」の意味である。中とは蔵(おさめる)ことである。だから天子が立つときは、聖の東を左にして仁の南に向かい、義の西を右にして蔵の北を背にするのである。介は必ず東を向く。賓と主人の間を取り次ぐからである。主人は必ず東方にいる。東方は春であり、春という言葉は「蠢」の意味で、万物を生み出すものである。主人はこの宴を造り設ける者であり、万物を生み出す東方にふさわしい。月は三日目に光る部分を現し、三か月で一つの季節を成す。だから礼には三度の譲り合いがあり、国を建てるときには必ず三人の卿を立てる。三人の賓は政治と教化の根本であり、礼の大いなる参照である。

解説

郷飲酒義篇の結びで、東西南北の四方を春夏秋冬に配し、それぞれを聖・仁・義・蔵に当てて、賓・介・主人の向きと位置を説明する。春を蠢、夏を仮、秋を愁、冬を中と音の近い字で解き明かすのは、漢代の音訓による語源説明の典型で、『白虎通』などにも同類の説が見える。天子が南面して左に聖、前に仁、右に義、後ろに蔵を配する構図は、君主の南面という伝統的な位置を四季の徳で意味づけたものである。主人が東にいるのは、宴を造り出す者として万物を産む春の方角がふさわしいからとされる。最後に月の三日と三か月から三譲・三卿・三賓の「三」を導き、三賓を政教の本と位置づけて篇を閉じる。座る向き一つにも意味を担わせようとした先人の努力は、形に意味を込めることで人の心を動かそうとする礼の本質をよく示している。

この章句が説くこと

礼記郷飲酒義四季方角三賓

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