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礼記 / 昏義

敬慎重正而後親之,禮之大體;而所以成男女之別,而立夫婦之義也。男女有別,而後夫婦有義;夫婦有義,而後父子有親;父子有親,而後君臣有正。故曰:「昏禮者,禮之本也。」

新字:敬慎重正而後親之,礼之大体;而所以成男女之別,而立夫婦之義也。男女有別,而後夫婦有義;夫婦有義,而後父子有親;父子有親,而後君臣有正。故曰:「昏礼者,礼之本也。」

書き下し

敬慎重正にして而る後にこれに親しむは、礼の大体にして、男女の別を成して、夫婦の義を立つる所以なり。男女別有りて、而る後に夫婦義有り。夫婦義有りて、而る後に父子親有り。父子親有りて、而る後に君臣正有り。故に曰く、「昏礼は、礼の本なり」と。

現代語訳

まず敬い、慎み、重んじ、正しくして、その後に親しむというのが、礼の大本の筋道であり、これによって男女のけじめを成り立たせ、夫婦の道義を打ち立てるのである。男女にけじめがあってこそ、夫婦に道義が生まれる。夫婦に道義があってこそ、父子の間に親愛が生まれる。父子に親愛があってこそ、君臣の間に正しさが生まれる。だから「婚礼は礼の根本である」といわれるのである。

解説

婚礼の手順を貫く原理をまとめ、それを人倫全体の起点に据える段である。敬慎重正の四つを先に置き、親しむことを後にするという順序が、礼の大体だとされる。親しさは放っておいても生じるが、敬いと慎みは形を踏まなければ育たないからである。そこから男女の別、夫婦の義、父子の親、君臣の正という連鎖が語られる。夫婦が正しく結ばれて初めて父子の親愛が確かになり、家の秩序が確かになって初めて国の君臣関係も正される、という家から国へ広がる構図は、『大学』の修身斉家治国平天下や、『易』序卦伝の「夫婦有りて然る後に父子有り」とも響き合う。「昏礼は礼の本なり」の句は、次の段で礼の体系全体の中に位置づけられる。親しい間柄ほど敬いを後回しにしがちな私たちにとって、親しさの前に敬いを置くこの順序は耳の痛い指摘である。

この章句が説くこと

礼記昏義夫婦人倫敬

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