礼記 / 服問
凡見人無免絰,雖朝於君,無免絰。唯公門有稅齊衰。《傳》曰:「君子不奪人之喪,亦不可奪喪也。」《傳》曰:「罪多而刑五,喪多而服五,上附下附列也。」
新字:凡見人無免絰,雖朝於君,無免絰。唯公門有税斉衰。《伝》曰:「君子不奪人之喪,亦不可奪喪也。」《伝》曰:「罪多而刑五,喪多而服五,上附下附列也。」
書き下し
凡そ人に見(まみ)ゆるに絰を免(ぬ)ぐこと無し。君に朝すと雖も、絰を免ぐこと無し。唯だ公門に齊衰(しさい)を税(ぬ)ぐこと有り。伝に曰く、「君子は人の喪を奪わず、亦た喪を奪うべからざるなり」と。伝に曰く、「罪は多くして刑は五、喪は多くして服は五、上に附け下に附けて列するなり」と。
現代語訳
およそ喪中に人に会うときは、首の絰(てつ)を外すことはない。君に朝見する場合であっても、絰を外すことはない。ただ公の門においてだけは、齊衰(しさい、斬衰に次ぐ喪服。ここでは杖を持たない齊衰)を脱ぐことがある。伝にいう。「君子は他人の喪を奪わない。また自分の喪も奪われてはならない」。伝にいう。「罪の種類は多いが刑罰は五等にまとめられる。喪の場合は多いが喪服は五等にまとめられる。上の等に付けたり下の等に付けたりして、それぞれを列に配するのである」。
解説
服問篇を締めくくる段で、喪服を着ている者が人前でどうふるまうかと、喪服制度全体の原理を述べる。喪中の者は人に会うときも、君に朝見するときも首の絰を外さない。絰は喪の中心となる印だからで、鄭玄も「絰は重し」と注している。ただ君の門に入るときだけは、軽い方の齊衰を脱ぐことがあり、君への礼と自分の喪との折り合いがここで付けられる。続く伝の「君子は人の喪を奪わず」は、他人が喪に服しているのを妨げてはならず、自分もまた喪を捨ててはならないという戒めである。最後の一句は、刑罰が五等にまとめられるように、無数にある死別の場合も斬衰から緦麻までの五服のどれかに寄せて位置づけるという、喪服制度の考え方を端的に語る。個別の事情をすべて列挙するのでなく、少数の型に当てはめて判断する方法であり、規則づくりの知恵としても読める。
この章句が説くこと
礼記服問五服喪刑
関連する章句
-
礼記・服問三年の喪、既に練して、期の喪有り、既に葬れば、則ち其の故(もと)の葛帯を帯び、期の絰(てつ)を絰し、其の功衰を服す。大功の喪有るも、亦たかくの如し。小功は変ずること無し。 麻の本有る者は、三年の葛を変ず。既に練して、麻の本を断つ者に遇えば、免(べん)するに於いて之を絰し、既に免すれば絰を去る。絰すべき毎に必ず絰し、既に絰すれば、則ち之を去る。
-
礼記・喪服四制礼、斬衰の喪は、唯(い)して対えず。斉衰の喪は、対えて言わず。大功の喪は、言いて議せず。緦(し)・小功の喪は、議して楽に及ばず。 父母の喪は、衰冠・縄纓(じょうえい)・菅屨(かんく)し、三日にして粥を食し、三月にして沐し、期十三月にして練冠し、三年にして祥す。比(ころ)に茲(こ)の三節を終うる者は、仁者は以て其の愛を観るべく、知者は以て其の理を観るべく、強者は以て其の志を観るべし。礼以てこれを治め、義以てこれを正す。孝子・弟弟(ていてい)・貞婦、皆得て察すべし。
-
礼記・服問君は天子の為に三年、夫人は外宗の君の為にするが如し。世子は天子の為に服せず。君の主(つかさど)る所は、夫人・妻・大子・適婦(てきふ)なり。大夫の適子は、君・夫人・大子の為に、士の服の如くす。 君の母、夫人に非ざれば、則ち群臣は服無し。唯だ近臣及び僕・驂乗(さんじょう)のみ従いて服す。唯だ君の服する所のみ服するなり。公は卿大夫の為に錫衰(しゃくさい)して以て居り、出づるも亦たかくの如し。事に当たれば則ち弁絰(べんてつ)す。大夫の相為にするも亦た然り。其の妻の為には、往けば則ち之を服し、出づれば則ち否ず。
-
礼記・奔喪凡そ位を為(つく)るに、親の喪に非ずして、齊衰より以下は、皆位に即きて哭して哀しみを尽くし、東して免絰(ぶんてつ)し、位に即きて、袒し、踊を成し、襲し、賓を拝して位に反り、哭して踊を成し、賓を送りて位に反り、相者次に就くを告ぐ。三日に五哭して卒(お)われば、主人出でて賓を送り、為主人・兄弟皆門を出で、哭止み、相者事畢わるを告ぐ。服を成して賓を拝す。若し位を為る所の家遠ければ、則ち服を成して往く。
-
礼記・服問伝に曰く、「軽きに従いて重き有り」と。公子の妻、其の皇姑(こうこ)の為にす。「重きに従いて軽き有り」と。妻の父母の為にす。「服無きに従いて服有り」と。公子の妻、公子の外兄弟の為にす。「服有るに従いて服無し」と。公子、其の妻の父母の為にす。伝に曰く、「母出(い)だされたるときは、則ち継母の党の為に服す。母死したるときは、則ち其の母の党の為に服す」と。其の母の党の為に服すれば、則ち継母の党の為に服せず。
-
礼記・問喪或るひと問いて曰く、「冠する者の肉袒(にくたん)せざるは何ぞや」と。曰く、「冠は至尊なり。肉袒の体に居(お)かざるなり。故にこれが為に免(ぶん)して以てこれに代うるなり」と。 然らば則ち禿(とく)なる者は免せず、傴(う)なる者は袒せず、跛(は)なる者は踊せず。悲しまざるに非ざるなり。身に錮疾(こしつ)有りて、以て礼を備うべからざるなり。故に曰く、「喪礼は唯だ哀しみを主と為す」と。女子は哭泣悲哀して、胸を撃ち心を傷む。男子は哭泣悲哀して、稽顙(けいそう)して地に触れ容(かたち)無し。哀しみの至りなり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る