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礼記 / 表記

子曰:夏道未瀆辭,不求備,不大望於民,民未厭其親。殷人未瀆禮,而求備於民。周人強民,未瀆神,而賞爵刑罰窮矣。子曰:虞夏之道,寡怨於民;殷周之道,不勝其敝。

新字:子曰:夏道未瀆辞,不求備,不大望於民,民未厭其親。殷人未瀆礼,而求備於民。周人強民,未瀆神,而賞爵刑罰窮矣。子曰:虞夏之道,寡怨於民;殷周之道,不勝其敝。

書き下し

子曰く、夏道は未だ辞を瀆(けが)さず、備わるを求めず、大いに民に望まず、民未だ其の親しみを厭わず。殷人は未だ礼を瀆さずして、備わるを民に求む。周人は民に強い、未だ神を瀆さずして、賞爵刑罰窮まれり。子曰く、虞夏の道は、民に怨み寡し。殷周の道は、其の敝に勝(た)えず。

現代語訳

孔子は言った。夏の政道は、まだことばを飾ってけがすことがなく、民に何もかもそろえることを求めず、民に多くを期待せず重い税を課さなかったので、民はまだ上との親しみを厭わなかった。殷の人は、まだ礼をけがすことはなかったが、民に何もかもそろえることを求めた。周の人は民に無理を強い、まだ神をけがすことはなかったが、賞与・爵位・刑罰の制度をきわめ尽くした。孔子は言った。虞(舜)と夏の政道は、民に怨まれることが少なかった。殷と周の政道は、その弊害に民が耐えられなかった。

解説

前段に続いて三代の政治を比べ、民への求め方の違いを論じる段である。鄭玄は、夏が辞を瀆さないとは王が言辞を尚ばず民も軽々しく為さなかったことで、備わるを求めず大いに望まないとは政が寛く税が軽かったことだと注する。殷は礼を瀆さなかったが民に完備を求め、周は殷の改めがたい弊を承けて民に強いたため、賞爵刑罰の制度が繁く備えられたという。孔穎達の疏は、殷周は文が煩わしく苛細に流れたので、民がその弊に堪えられなかったと説く。後段の「虞夏の道は民に怨み寡し」は、寛やかな政治ほど民の怨みを生まないという評価である。制度を細かくし、何もかもそろえることを求めるほど、人は疲れ、形だけ整えて中身を失う。規則や評価項目を増やし続ける組織は、この段が描く周の姿に重なるところがある。

この章句が説くこと

礼記表記三代寛容制度

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