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礼記 / 坊記

子云:「利祿,先死者而後生者,則民不偝;先亡者而後存者,則民可以託。《詩》云:『先君之思,以畜寡人』。以此坊民,民猶偝死而號無告。」 子云:「有國家者,貴人而賤祿,則民興讓;尚技而賤車,則民興藝。故君子約言,小人先言。」

新字:子云:「利禄,先死者而後生者,則民不偝;先亡者而後存者,則民可以託。《詩》云:『先君之思,以畜寡人』。以此坊民,民猶偝死而号無告。」 子云:「有国家者,貴人而賤禄,則民興譲;尚技而賤車,則民興芸。故君子約言,小人先言。」

書き下し

子云う、「利禄は、死者を先にして生者を後にすれば、則ち民偝(そむ)かず。亡者を先にして存者を後にすれば、則ち民以て託すべし。《詩》に云う、『先君をこれ思いて、以て寡人を畜(やしな)う』と。此を以て民を坊ぐも、民猶お死に偝きて告ぐる無きに号(さけ)ぶ」と。 子云う、「国家を有つ者、人を貴びて禄を賤しめば、則ち民譲を興す。技を尚びて車を賤しめば、則ち民芸を興す。故に君子は言を約にし、小人は言を先にす」と。

現代語訳

孔子は言った。「利益や俸禄を与えるのに、国のために死んだ者を先にして生きている者を後にすれば、民は死者に背かない。国のために外にある者を先にして国内に残る者を後にすれば、民に大事を託すことができる。『詩経』に『亡き先君を思って、この私(寡人)を養ってほしい』とある。こうして民を防いでも、民はなお死者に背き、遺された者は訴える先もなく泣き叫ぶ」。 孔子は言った。「国家を治める者が、人物を尊んで俸禄を惜しまなければ、民の間に譲り合いが起こる。技能を尊んで賜わる車を惜しまなければ、民の間に技芸を磨く気風が起こる。それゆえ君子は言葉を控えめにし、小人は言葉を先にするのである」。

解説

利禄を与える順序によって、民に死者や不在の者を忘れさせない工夫を説く段である。国事のために死んだ者、国のために外にある者を先に報いれば、民は死者に背かず、大事を託すに足る人情の厚さが育つ。孔穎達の疏は「亡者」を国事のために国外に身を置く者と解している。引かれる詩は『詩経』邶風・燕燕の句で、今の毛詩では「畜」を「勖」に作る。鄭玄はこれを衛の定姜の詩とし、庶子の献公に亡き定公を思って自分に孝を尽くすよう求めたものと解した。後半は、君主が賢者・能者を尊んで俸禄や車服を惜しまなければ、民の間に譲り合いと技芸の気風が起こると説き、君子は言葉を控えて行いを先にするという対比で結ぶ。鄭玄はこれを、人は徳を尊び言葉を尊ばないという意味だと注している。亡くなった人や離れた場所で働く人への報い方は、残った人々がその組織を信頼できるかどうかを決める試金石になる。

この章句が説くこと

礼記坊記報恩信頼詩経

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