礼記 / 喪大記
始死,遷尸於床,幠用斂衾,去死衣,小臣楔齒用角柶,綴足用燕几,君大夫士一也。 管人汲,不說繘、屈之,盡階不升堂,授御者;御者入浴:小臣四人抗衾,御者二人浴,浴水用盆,沃水用枓,浴用絺巾,挋用浴衣,如它日;小臣爪足,浴餘水棄于坎。其母之喪,則內御者抗衾而浴。管人汲,授御者,御者差沐於堂上。君沐粱,大夫沐稷,士沐粱。甸人為垼於西墻下,陶人出重鬲,管人受沐,乃煮之,甸人取所徹廟之西北厞薪,用爨之。管人授御者沐,乃沐;沐用瓦盤,挋用巾,如它日,小臣爪手翦須,濡濯棄於坎。君設大盤造冰焉,大夫設夷盤造冰焉,士並瓦盤無冰,設床襢笫,有枕。含一床,襲一床遷尸於堂又一床,皆有枕席。君大夫士一也。
新字:始死,遷尸於床,幠用斂衾,去死衣,小臣楔歯用角柶,綴足用燕几,君大夫士一也。 管人汲,不説繘、屈之,尽階不升堂,授御者;御者入浴:小臣四人抗衾,御者二人浴,浴水用盆,沃水用枓,浴用絺巾,挋用浴衣,如它日;小臣爪足,浴余水棄于坎。其母之喪,則内御者抗衾而浴。管人汲,授御者,御者差沐於堂上。君沐粱,大夫沐稷,士沐粱。甸人為垼於西墻下,陶人出重鬲,管人受沐,乃煮之,甸人取所徹廟之西北厞薪,用爨之。管人授御者沐,乃沐;沐用瓦盤,挋用巾,如它日,小臣爪手翦須,濡濯棄於坎。君設大盤造冰焉,大夫設夷盤造冰焉,士並瓦盤無冰,設床襢笫,有枕。含一床,襲一床遷尸於堂又一床,皆有枕席。君大夫士一也。
書き下し
始めて死すれば、尸を床に遷し、幠(おお)うに斂衾(れんきん)を用い、死衣を去り、小臣は歯を楔(せつ)するに角柶(かくし)を用い、足を綴(つづ)るに燕几を用う。君・大夫・士一なり。 管人汲み、繘(いつ)を説かず、これを屈し、階を尽くして堂に升らず、御者に授く。御者入りて浴せしむ。小臣四人衾を抗(あ)げ、御者二人浴せしむ。浴水は盆を用い、沃水は枓(しゅ)を用い、浴するに絺巾(ちきん)を用い、挋(ふ)くに浴衣を用うること、它日の如くす。小臣足を爪(つ)み、浴の余水は坎(あな)に棄つ。その母の喪には、則ち内御者衾を抗げて浴せしむ。管人汲みて御者に授け、御者は堂上に沐を差(と)ぐ。君は粱に沐し、大夫は稷に沐し、士は粱に沐す。甸人は垼(えき)を西墻の下に為(つく)り、陶人は重鬲(ちょうれき)を出だし、管人沐を受けて乃ちこれを煮、甸人は徹する所の廟の西北の厞(ひ)の薪を取りて、用てこれを爨(かし)ぐ。管人御者に沐を授け、乃ち沐す。沐は瓦盤を用い、挋くに巾を用うること、它日の如くす。小臣手を爪み須(ひげ)を翦り、濡濯は坎に棄つ。君は大盤を設けて冰を造(い)れ、大夫は夷盤を設けて冰を造れ、士は瓦盤を並べて冰無し。床を設け笫(し)を襢(あら)わにし、枕有り。含に一床、襲に一床、尸を堂に遷すに又一床、皆枕席有り。君・大夫・士一なり。
現代語訳
亡くなると、遺体を床の上から寝台に移し、斂衾(納棺用の掛け布)で覆い、亡くなるとき着ていた衣を脱がせる。小臣は角の匙(角柶)を歯の間にかませて口を開いたままにし(後で含ませるため)、燕几(ひじかけ)で足を挟んで揃えておく。これは君・大夫・士とも同じである。 管人(館舎をつかさどる役人)が水を汲み、釣瓶の縄は解かずに束ねて持ち、階段を上りきったところで堂には上がらずに御者(近侍の者)に渡す。御者は室に入って遺体を洗う。小臣四人が衾を持ち上げて遺体を隠し、御者二人が洗う。洗い水は盆に受け、水は柄杓(枓)で注ぎ、葛の細布の手ぬぐいで洗い、浴衣で拭く。すべて生前の日と同じようにする。小臣が足の爪を切り、洗った残りの水は穴に捨てる。母の喪であれば、婦人の近侍が衾を持ち上げて洗う。管人が汲んだ水を御者に渡し、御者は堂上で髪を洗うための穀物のとぎ汁を作る。君は粱(上等の粟)のとぎ汁で髪を洗い、大夫は稷(きび)で、士は粱で洗う。甸人(薪や田野をつかさどる役人)は西の塀の下に土のかまど(垼)を築き、陶人は重鬲(土鍋)を出し、管人がとぎ汁を受けてこれを温め、甸人は廟の西北の隅(厞)から取り外した薪を使って火を焚く。管人がとぎ汁を御者に渡し、そこで髪を洗う。髪を洗うには素焼きの盤を用い、手ぬぐいで拭く。これも生前の日と同じようにする。小臣が手の爪を切り、ひげを整え、洗った水は穴に捨てる。君の場合は大きな盤を置いて氷を入れ(遺体を冷やし)、大夫は夷盤(やや小さい盤)を置いて氷を入れ、士は素焼きの盤を並べるが氷は用いない。寝台を設け、簀(すのこ)をむき出しにし、枕を置く。含(口に玉や米を含ませる儀)のために一台、襲(衣を着せる儀)のために一台、遺体を堂に移すためにもう一台の寝台を用い、いずれも枕と敷物を置く。これも君・大夫・士とも同じである。
解説
この章句が説くこと
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礼記・喪大記凡そ斂する者は袒し、尸を遷す者は襲す。君の喪には、大胥(たいしょ)是れ斂し、衆胥これを佐(たす)く。大夫の喪には、大胥これに侍し、衆胥是れ斂す。士の喪には、胥侍を為し、士是れ斂す。小斂・大斂に、祭服倒にせず、皆左衽(さじん)にして絞を結びて紐(ちゅう)せず。斂する者既に斂すれば必ず哭す。士とその執事とは則ち斂し、斂すれば則ちこれが為に壱たび食わず。凡そ斂する者は六人。君は錦の冒(ぼう)に黼(ほ)の殺(さい)、旁を綴ること七。大夫は玄の冒に黼の殺、旁を綴ること五。士は緇の冒に赬(てい)の殺、旁を綴ること三。凡そ冒は、質の長さ手と斉(ひと)しく、殺は三尺。小斂より以往は夷衾を用い、夷衾の質・殺、これを裁つこと猶お冒のごときなり。君将に大斂せんとするや、子は弁絰(べんてつ)して、位に序の端に即き、卿大夫は位に堂廉の楹(えい)の西に即き、北面して東上し、父兄は堂下に北面し、夫人・命婦は尸の西に東面し、外宗は房中に南面す。小臣席を鋪(し)き、商祝は絞・紟・衾・衣を鋪き、士は盤に盥い、上士は尸を挙げて斂上に遷す。斂を卒うれば、宰告げ、子これに馮りて踊し、夫人東面して亦これの如くす。大夫の喪に、将に大斂せんとして、既に絞・紟・衾・衣を鋪く。君至れば、主人迎え、先ず入りて門の右にあり、巫は門外に止まり、君は菜を釈(お)き、祝先ず入りて堂に升り、君は位に序の端に即き、卿大夫は位に堂廉の楹の西に即き、北面して東上す。主人は房外に南面し、主婦は尸の西に東面す。尸を遷し、斂を卒うれば、宰告げ、主人降りて、堂下に北面し、君これを撫し、主人拝して稽顙(けいそう)す。君降りて、主人を升らしめてこれに馮らしめ、主婦に命じてこれに馮らしむ。士の喪には、将に大斂せんとするに、君在らざれば、その余の礼は猶お大夫のごときなり。絞・紟を鋪けば踊し、衾を鋪けば踊し、衣を鋪けば踊し、尸を遷せば踊し、衣を斂すれば踊し、衾を斂すれば踊し、絞・紟を斂すれば踊す。
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礼記・喪大記小斂には、主人戸内に位に即き、主婦東面し、乃ち斂す。斂を卒(お)うれば、主人これに馮(よ)りて踊し、主婦も亦これの如くす。主人袒(たん)して髦(ぼう)を説(ぬ)き、髪を括るに麻を以てし、婦人は髽(ざ)し、麻を房中に帯ぶ。帷(い)を徹し、男女尸を奉じて堂に夷(うつ)し、降りて拝す。君は寄公・国賓を拝し、大夫・士は卿大夫を位に拝し、士に於いては旁(あまね)く三拝す。夫人も亦寄公の夫人を堂上に拝し、大夫の内子・士の妻は特に拝し、命婦は泛(あまね)く衆賓を堂上に拝す。主人位に即き、襲(しゅう)して絰(てつ)を帯び踊す。母の喪には、位に即きて免(ぶん)し、乃ち奠(てん)す。弔う者は裘を襲い、武に絰を加え帯び、主人と拾(こもごも)踊す。君の喪には、虞人木・角を出だし、狄人壺を出だし、雍人鼎を出だし、司馬これを県け、乃ち官もて代わる代わる哭す。大夫は官もて代わる代わる哭して壺を県けず、士は代わる代わる哭して官を以てせず。君は堂上に二燭、下に二燭、大夫は堂上に一燭、下に二燭、士は堂上に一燭、下に一燭。賓出づれば帷を徹す。尸を堂上に哭するに、主人は東方に在り、外より来たる者は西方に在り、諸婦は南郷す。婦人は客を迎え客を送るに堂を下らず、堂を下れば哭せず。男子は寝門を出でて人を見れば哭せず。その女主無ければ、則ち男主女賓を寝門の内に拝し、その男主無ければ、則ち女主男賓を阼階(そかい)の下に拝す。子幼ければ、則ち衰(さい)を以てこれを抱き、人これが為に拝す。後たる者在らざれば、則ち爵有る者は辞し、爵無き者は人これが為に拝す。竟(さかい)の内に在れば則ちこれを俟ち、竟の外に在れば則ち殯葬して可なり。喪に後無きこと有るも、主無きこと無し。
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礼記・喪大記小斂は戸内に於いてし、大斂は阼(そ)に於いてす。君は簟席(てんせき)を以てし、大夫は蒲席を以てし、士は葦席を以てす。小斂には、布の絞(こう)、縮(たて)なる者一、横なる者三。君は錦衾、大夫は縞衾、士は緇衾、皆一。衣十有九称、君は衣を序の東に陳ね、大夫・士は衣を房中に陳ね、皆西領北上。絞・紟(きん)は列に在らず。大斂には、布の絞、縮なる者三、横なる者五、布の紟・二衾。君・大夫・士一なり。君は衣を庭に陳ね、百称、北領西上。大夫は衣を序の東に陳ね、五十称、西領南上。士は衣を序の東に陳ね、三十称、西領南上。絞・紟は朝服の如く、絞は一幅を三と為して辟(さ)かず、紟は五幅にして紞(たん)無し。小斂の衣は、祭服倒にせず。君は襚(すい)無し。大夫・士は主人の祭服を畢(つ)くす。親戚の衣は、これを受くるも以て陳ねに即かず。小斂には、君・大夫・士皆復衣・復衾を用う。大斂には、君・大夫・士祭服算無し。君は褶衣(ちょうい)・褶衾、大夫・士は猶お小斂のごときなり。袍には必ず表有りて、禅(ひとえ)ならず。衣には必ず裳有り、これを一称と謂う。凡そ衣を陳ぬる者はこれを篋(きょう)に実(み)たし、衣を取る者も亦篋を以て升り、降る者は西階よりす。凡そ衣を陳ぬるに詘(くっ)せず。列采に非ざれば入れず、絺(ち)・綌(げき)・紵(ちょ)は入れず。
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礼記・喪大記君は大夫・世婦に於いては大斂にす。これが為に賜えば則ち小斂にす。外命婦に於いては、既に蓋を加えて君至る。士に於いては、既に殯して往く。これが為に賜えば、大斂にす。夫人は世婦に於いては、大斂にす。これが為に賜えば、小斂にす。諸妻に於いては、これが為に賜えば、大斂にす。大夫・外命婦に於いては、既に殯して往く。大夫・士既に殯して君往くには、人をしてこれに戒めしむ。主人は殷奠(いんてん)の礼を具え、門外に俟つ。馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり、巫は門外に止まり、祝これに代わりて先んじ、君は菜を門内に釈く。祝先ず阼階より升り、墉(よう)を負いて南面す。君は阼に位に即く。小臣二人戈を執りて前に立ち、二人後に立つ。擯者進み、主人拝して稽顙す。君言を称し、祝を視て踊し、主人踊す。大夫には則ち奠して可なり。士には則ち出でて門外に俟ち、これに命じて反りて奠せしめ、乃ち反りて奠す。奠を卒うれば、主人先ず門外に俟ち、君退けば、主人門外に送り、拝して稽顙す。君は大夫の疾には、三たびこれを問い、殯に在りては、三たび往く。士の疾には、壱たびこれを問い、殯に在りては、壱たび往く。君弔すれば則ち殯服に復す。夫人大夫・士に弔すれば、主人出でて門外に迎え、馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり。夫人入り、堂に升りて位に即く。主婦西階より降り、下に拝して稽顙す。夫人世子を視て踊す。奠は君至るの礼の如くす。夫人退けば、主婦門内に送り、拝して稽顙す。主人は大門の外に送りて拝せず。大夫、君は門外に迎えず。入りて堂下に位に即く。主人北面し、衆主人南面し、婦人は位に房中に即く。若し君命、命夫・命婦の命、四隣の賓客有れば、その君は主人に後れて拝す。君弔するには、尸柩を見て後に踊す。大夫・士、若し君戒めずして往けば、殷奠を具えず。君退けば必ず奠す。
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礼記・喪大記疾(やまい)病(へい)すれば、外内皆掃(はら)う。君・大夫は県(けん)を徹し、士は琴瑟を去る。北牖(ほくゆう)の下に寝ね東首す。床を廃す。褻衣(せつい)を徹し、新衣を加え、体に一人。男女服を改む。纊(こう)を属(つ)けて以て気の絶ゆるを俟つ。男子は婦人の手に死せず、婦人は男子の手に死せず。君・夫人は路寝に卒し、大夫・世婦は適寝に卒し、内子未だ命ぜられざれば、則ち下室に死す。尸(し)を寝に遷す。士・士の妻は皆寝に死す。
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礼記・喪大記君は大棺八寸、属(ぞく)六寸、椑(へき)四寸。上大夫は大棺八寸、属六寸。下大夫は大棺六寸、属四寸。士は棺六寸。君は棺を裏(うら)うつに朱・緑を用い、雑金の鐕(しん)を用う。大夫は棺を裏うつに玄・緑を用い、牛骨の鐕を用う。士は緑せず。君は蓋に漆を用い、三衽(じん)三束。大夫は蓋に漆を用い、二衽二束。士は蓋に漆を用いず、二衽二束。君・大夫は鬊爪(しゅんそう)、緑中に実(い)る。士はこれを埋む。君の殯には輴(ちゅん)を用い、欑(さん)して上に至り、屋を畢(ことごと)く塗る。大夫の殯には幬(ちゅう)を以てし、欑して西序に置き、塗るも棺に暨(およ)ばず。士の殯は衽を見(あらわ)し、上を塗りてこれに帷す。熬(ごう)は、君は四種八筐、大夫は三種六筐、士は二種四筐、魚・腊(せき)を加う。棺を飾るに、君は竜帷に三池、振容。黼荒(ほこう)、火三列、黼三列。素錦の褚(ちょ)、偽荒を加う。纁紐(くんちゅう)六。斉(せい)は、五采五貝。黼翣(ほそう)二、黻翣(ふつそう)二、画翣二、皆圭を戴く。魚躍りて池を払う。君は纁戴(くんたい)六、纁披(くんぴ)六。大夫は画帷に二池、振容せず。画荒、火三列、黻三列。素錦の褚。纁紐二、玄紐二。斉は、三采三貝。黻翣二、画翣二、皆綏(すい)を戴く。魚躍りて池を払う。大夫は戴、前は纁後は玄、披も亦これの如し。士は布帷・布荒、一池、揄絞(ゆこう)。纁紐二、緇紐二。斉は、三采一貝。画翣二、皆綏を戴く。士は戴、前は纁後は緇、二披纁を用う。君の葬には輴を用い、四綍(ふつ)二碑、棺を御するに羽葆(うほ)を用う。大夫の葬には輴を用い、二綍二碑、棺を御するに茅を用う。士の葬には国車を用い、二綍にして碑無く、宮を出づるに比(およ)びて、棺を御するに功布を用う。凡そ封(ほう)するに、綍を用い碑を去りて引を負う。君は封するに衡を以てし、大夫・士は咸(かん)を以てす。君は嘩(かまびす)しくすること毋かれと命じ、鼓を以て封す。大夫は哭すること毋かれと命じ、士は哭する者相止む。君は松の槨(かく)、大夫は柏の槨、士は雑木の槨。棺槨の間、君は柷(しゅく)を容れ、大夫は壺を容れ、士は甒(ぶ)を容る。君は槨を裏うちて虞筐(ぐきょう)あり、大夫は槨を裏うたず、士は虞筐あらず。
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