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礼記 / 喪大記

君大棺八寸,屬六寸,椑四寸;上大夫大棺八寸,屬六寸;下大夫大棺六寸,屬四寸,士棺六寸。君裏棺用朱綠,用雜金鐕;大夫裏棺用玄綠,用牛骨鐕;士不綠。君蓋用漆,三衽三束;大夫蓋用漆,二衽二束;士蓋不用漆,二衽二束。君、大夫鬊爪;實于綠中;士埋之。君殯用輴,欑至于上,畢塗屋;大夫殯以幬,欑置于西序,塗不暨於棺;士殯見衽,塗上帷之。熬,君四種八筐,大夫三種六筐,士二種四筐,加魚臘焉。飾棺,君龍帷三池,振容。黼荒,火三列,黼三列。素錦褚,加偽荒。纁紐六。齊,五采五貝。黼翣二,黻翣二,畫翣二,皆戴圭。魚躍拂池。君纁戴六,纁披六。大夫畫帷二池,不振容。畫荒,火三列,黻三列。素錦褚。纁紐二,玄紐二。齊,三采三貝。黻翣二,畫翣二,皆戴綏。魚躍拂池。大夫戴前纁後玄,披亦如之。士布帷布荒,一池,揄絞。纁紐二,緇紐二。齊,三采一貝。畫翣二,皆戴綏。士戴前纁後緇,二披用纁。君葬用輴,四綍二碑,御棺用羽葆。大夫葬用輴,二綍二碑,御棺用茅。士葬用國車。二綍無碑,比出宮,御棺用功布。凡封,用綍去碑負引,君封以衡,大夫士以咸。君命毋嘩,以鼓封;大夫命毋哭;士哭者相止也。君松槨,大夫柏槨,士雜木槨。棺槨之間,君容柷,大夫容壺,士容甒。君裏槨虞筐,大夫不裏槨,士不虞筐。

新字:君大棺八寸,属六寸,椑四寸;上大夫大棺八寸,属六寸;下大夫大棺六寸,属四寸,士棺六寸。君裏棺用朱緑,用雑金鐕;大夫裏棺用玄緑,用牛骨鐕;士不緑。君蓋用漆,三衽三束;大夫蓋用漆,二衽二束;士蓋不用漆,二衽二束。君、大夫鬊爪;実于緑中;士埋之。君殯用輴,欑至于上,畢塗屋;大夫殯以幬,欑置于西序,塗不暨於棺;士殯見衽,塗上帷之。熬,君四種八筐,大夫三種六筐,士二種四筐,加魚臘焉。飾棺,君竜帷三池,振容。黼荒,火三列,黼三列。素錦褚,加偽荒。纁紐六。斉,五采五貝。黼翣二,黻翣二,画翣二,皆戴圭。魚躍払池。君纁戴六,纁披六。大夫画帷二池,不振容。画荒,火三列,黻三列。素錦褚。纁紐二,玄紐二。斉,三采三貝。黻翣二,画翣二,皆戴綏。魚躍払池。大夫戴前纁後玄,披亦如之。士布帷布荒,一池,揄絞。纁紐二,緇紐二。斉,三采一貝。画翣二,皆戴綏。士戴前纁後緇,二披用纁。君葬用輴,四綍二碑,御棺用羽葆。大夫葬用輴,二綍二碑,御棺用茅。士葬用国車。二綍無碑,比出宮,御棺用功布。凡封,用綍去碑負引,君封以衡,大夫士以咸。君命毋嘩,以鼓封;大夫命毋哭;士哭者相止也。君松槨,大夫柏槨,士雑木槨。棺槨之間,君容柷,大夫容壺,士容甒。君裏槨虞筐,大夫不裏槨,士不虞筐。

書き下し

君は大棺八寸、属(ぞく)六寸、椑(へき)四寸。上大夫は大棺八寸、属六寸。下大夫は大棺六寸、属四寸。士は棺六寸。君は棺を裏(うら)うつに朱・緑を用い、雑金の鐕(しん)を用う。大夫は棺を裏うつに玄・緑を用い、牛骨の鐕を用う。士は緑せず。君は蓋に漆を用い、三衽(じん)三束。大夫は蓋に漆を用い、二衽二束。士は蓋に漆を用いず、二衽二束。君・大夫は鬊爪(しゅんそう)、緑中に実(い)る。士はこれを埋む。君の殯には輴(ちゅん)を用い、欑(さん)して上に至り、屋を畢(ことごと)く塗る。大夫の殯には幬(ちゅう)を以てし、欑して西序に置き、塗るも棺に暨(およ)ばず。士の殯は衽を見(あらわ)し、上を塗りてこれに帷す。熬(ごう)は、君は四種八筐、大夫は三種六筐、士は二種四筐、魚・腊(せき)を加う。棺を飾るに、君は竜帷に三池、振容。黼荒(ほこう)、火三列、黼三列。素錦の褚(ちょ)、偽荒を加う。纁紐(くんちゅう)六。斉(せい)は、五采五貝。黼翣(ほそう)二、黻翣(ふつそう)二、画翣二、皆圭を戴く。魚躍りて池を払う。君は纁戴(くんたい)六、纁披(くんぴ)六。大夫は画帷に二池、振容せず。画荒、火三列、黻三列。素錦の褚。纁紐二、玄紐二。斉は、三采三貝。黻翣二、画翣二、皆綏(すい)を戴く。魚躍りて池を払う。大夫は戴、前は纁後は玄、披も亦これの如し。士は布帷・布荒、一池、揄絞(ゆこう)。纁紐二、緇紐二。斉は、三采一貝。画翣二、皆綏を戴く。士は戴、前は纁後は緇、二披纁を用う。君の葬には輴を用い、四綍(ふつ)二碑、棺を御するに羽葆(うほ)を用う。大夫の葬には輴を用い、二綍二碑、棺を御するに茅を用う。士の葬には国車を用い、二綍にして碑無く、宮を出づるに比(およ)びて、棺を御するに功布を用う。凡そ封(ほう)するに、綍を用い碑を去りて引を負う。君は封するに衡を以てし、大夫・士は咸(かん)を以てす。君は嘩(かまびす)しくすること毋かれと命じ、鼓を以て封す。大夫は哭すること毋かれと命じ、士は哭する者相止む。君は松の槨(かく)、大夫は柏の槨、士は雑木の槨。棺槨の間、君は柷(しゅく)を容れ、大夫は壺を容れ、士は甒(ぶ)を容る。君は槨を裏うちて虞筐(ぐきょう)あり、大夫は槨を裏うたず、士は虞筐あらず。

現代語訳

君の棺は三重で、外側の大棺の板の厚さは八寸、その内の属は六寸、最も内側の椑は四寸である。上大夫は大棺八寸と属六寸の二重、下大夫は大棺六寸と属四寸の二重、士は棺一重で厚さ六寸である。棺の内張りは、君は朱と緑の絹を用い、様々な金属の釘(鐕)で留める。大夫は黒と緑の絹を用い、牛の骨の釘で留める。士は緑の内張りをしない。棺の蓋は、君は漆を塗り、蓋と身を合わせる木の楔(衽)を三か所、革の帯(束)を三か所にかける。大夫は漆を塗り、衽を二か所、束を二か所。士は漆を塗らず、衽を二か所、束を二か所とする。君と大夫は、生前に切った髪と爪を棺の内張りの隅に納める。士はこれを土に埋める。殯のとき、君は輴(竜を描いた柩車)に棺を載せ、周りに木を積み上げて上まで覆い、屋根の形にして全体を土で塗り込める。大夫は棺を幬(覆い布)で覆い、西の壁(西序)に寄せて木を積むが、土は棺にまでは及ばせない。士は棺の楔が見える程度に地を掘って置き、上を土で塗って帷で囲う。棺のそばに置く炒った穀物(熬)は、君は四種類を八つの籠に、大夫は三種類を六つの籠に、士は二種類を四つの籠に入れ、魚と干し肉を添える。柩の飾りは、君は竜を描いた帷に、雨どいの形の池を三つ、池の下に垂れ飾り(振容)をつける。上覆いの荒には斧の模様を施し、周りに炎の模様三列、斧の模様三列を描く。中は白い錦の覆い(褚)で包み、その上に仮の荒をかける。帷と荒をつなぐ浅紅の紐は六本。荒の頂の飾り(斉)は、五色の絹に貝を五つ。棺の脇に掲げる扇状の翣(そう)は、斧の模様のもの二つ、亞の字形の模様のもの二つ、雲気を描いたもの二つで、いずれも先端に圭(玉)をつける。池の下には銅の魚を垂らし、柩車が動くと魚が躍って池を払う。君の柩を棺と車に結ぶ浅紅の紐(戴)は六本、左右から引く浅紅の綱(披)は六本。大夫は絵を描いた帷に池を二つとし、垂れ飾りはつけない。荒には雲気の絵を描き、炎の模様三列、亞の字形の模様三列。白い錦の覆い。浅紅の紐二本と黒い紐二本。頂の飾りは、三色の絹に貝を三つ。翣は亞の字形のもの二つ、雲気のもの二つで、いずれも先端に旗飾り(綏)をつける。魚が躍って池を払う。大夫の戴は、前が浅紅、後ろが黒で、披も同じである。士は麻布の帷と麻布の荒に池を一つ、青い雉の模様の布(揄絞)を垂らす。浅紅の紐二本と黒い紐二本。頂の飾りは、三色の絹に貝を一つ。翣は雲気のもの二つで、先端に綏をつける。士の戴は、前が浅紅、後ろが黒で、披は二本で浅紅を用いる。君の葬送には輴を用い、棺を墓穴に下ろす綱(綍)四本と、綱をかける木の柱(碑)二本を用い、柩の進行を導くには鳥の羽で飾った旗竿(羽葆)を用いる。大夫の葬送にも輴を用い、綍二本と碑二本を用い、導くには茅を用いる。士の葬送には普通の車(国車)を用い、綍二本で碑は用いず、宮を出るときから、導くには功布(大功の布)を用いる。およそ棺を墓穴に下ろす(封)ときは、綍を碑にかけ、人が綱を背負って少しずつ下ろす。君の場合は棺に横木(衡)を渡して下ろし、大夫と士は棺の束(咸)に綱をかけて下ろす。君の場合は「騒ぐな」と命じ、太鼓の合図で下ろす。大夫の場合は「哭するな」と命じ、士の場合は哭する者どうしで互いに止め合う。外棺(槨)は、君は松、大夫は柏、士は雑木を用いる。棺と槨の間には、君は柷(しゅく、楽器)が入るほど、大夫は壺が入るほど、士は甒(小さな酒甕)が入るほどの隙間を取る。君は槨の内側を張り、副葬の器を入れる籠(虞筐)を置くが、大夫は槨の内側を張らず、士は虞筐を置かない。

解説

喪大記の最後の段で、棺の厚さと重ね方、内張り、殯のしかた、柩の飾り、葬送の車と綱、墓穴への下ろし方、外棺の材と隙間までを、君・大夫・士の身分ごとに並べる。君は三重棺、大夫は二重、士は一重、飾りの紐や翣の数も身分に応じて減ってゆく。現代の目にはきらびやかな差別の目録にも見えるが、礼の考えでは、身分に応じた差を定めることで、上は際限なく飾り立てることを抑えられ、下は無理をして家を傾けることを避けられた。孟子が母を厚く葬ったと非難された際に、棺槨の厚さは古の制度によるもので、ただ見栄えのためではなく人の心を尽くすためだと答えた話が、公孫丑下篇にある。また論語では、顔淵の死に際して門人が厚く葬ろうとしたのを孔子が喜ばなかった。葬送の規模をどこまでにすべきかは、古くから礼の要の一つだったのである。墓穴に下ろす場面で、君は太鼓を合図に静粛を命じ、士は哭する者どうしで止め合うという最後の記述は、最も危ない作業の瞬間に悲しみを抑える知恵を伝えている。

この章句が説くこと

礼記喪大記棺槨葬送身分

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