礼記 / 喪大記
君之喪:三日,子、夫人杖,五日既殯,授大夫世婦杖。子、大夫寢門之外杖,寢門之內輯之;夫人世婦在其次則杖,即位則使人執之。子有王命則去杖,國君之命則輯杖,聽卜有事於尸則去杖。大夫於君所則輯杖,於大夫所則杖。大夫之喪:三日之朝既殯,主人主婦室老皆杖。大夫有君命則去杖,大夫之命則輯杖;內子為夫人之命去杖,為世婦之命授人杖。士之喪:二日而殯,三日而朝,主人杖,婦人皆杖。於君命夫人之命如大夫,於大夫世婦之命如大夫。子皆杖,不以即位。大夫士哭殯則杖,哭柩則輯杖。棄杖者,斷而棄之於隱者。
新字:君之喪:三日,子、夫人杖,五日既殯,授大夫世婦杖。子、大夫寝門之外杖,寝門之内輯之;夫人世婦在其次則杖,即位則使人執之。子有王命則去杖,国君之命則輯杖,聴卜有事於尸則去杖。大夫於君所則輯杖,於大夫所則杖。大夫之喪:三日之朝既殯,主人主婦室老皆杖。大夫有君命則去杖,大夫之命則輯杖;内子為夫人之命去杖,為世婦之命授人杖。士之喪:二日而殯,三日而朝,主人杖,婦人皆杖。於君命夫人之命如大夫,於大夫世婦之命如大夫。子皆杖,不以即位。大夫士哭殯則杖,哭柩則輯杖。棄杖者,断而棄之於隠者。
書き下し
君の喪には、三日にして、子・夫人杖つき、五日にして既に殯すれば、大夫・世婦に杖を授く。子・大夫は寝門の外には杖つき、寝門の内にはこれを輯(おさ)む。夫人・世婦はその次に在れば則ち杖つき、位に即けば則ち人をしてこれを執らしむ。子は王命有れば則ち杖を去り、国君の命なれば則ち杖を輯め、卜を聴き尸に事有れば則ち杖を去る。大夫は君の所に於いては則ち杖を輯め、大夫の所に於いては則ち杖つく。大夫の喪には、三日の朝既に殯すれば、主人・主婦・室老皆杖つく。大夫は君命有れば則ち杖を去り、大夫の命なれば則ち杖を輯む。内子は夫人の命の為に杖を去り、世婦の命の為に人に杖を授く。士の喪には、二日にして殯し、三日にして朝し、主人杖つき、婦人皆杖つく。君命・夫人の命に於いては大夫の如く、大夫・世婦の命に於いては大夫の如くす。子は皆杖つくも、以て位に即かず。大夫・士は殯に哭すれば則ち杖つき、柩に哭すれば則ち杖を輯む。杖を棄つる者は、断ちてこれを隠るる者に棄つ。
現代語訳
君の喪では、亡くなって三日目に、世子と夫人が喪の杖をつき始め、五日目に殯(仮葬の棺安置)を済ませると、大夫と世婦に杖を授ける。世子と大夫は、寝門の外では杖をつき、寝門の内では杖を持ち上げて地につけない。夫人と世婦は、自分の控えの場所(次)にいるときは杖をつき、堂上の定位置につくときは人に杖を持たせる。世子は、天子からの使いがあれば杖を手放し、他国の君からの使いであれば杖を持ち上げてつかず、葬地・葬日の卜の結果を聞くときや尸(祭りで死者の身代わりとなる人)に関わる事があるときは杖を手放す。大夫は、世子のいる所では杖を持ち上げ、大夫どうしの所では杖をつく。大夫の喪では、三日目の朝に殯を済ませると、喪主・主婦・室老(家宰)がみな杖をつく。大夫の喪主は、君からの使いがあれば杖を手放し、他の大夫からの使いであれば杖を持ち上げる。大夫の妻(内子)は、夫人からの使いには杖を手放し、世婦からの使いには杖を人に預ける。士の喪では、二日目に殯を済ませ、三日目の朝に杖を受け、喪主が杖をつき、婦人もみな杖をつく。君や夫人からの使いに対しては大夫の場合と同じく、大夫や世婦からの使いに対しても大夫の場合と同じようにする。喪主以外の子もみな杖をつくが、杖をついたまま定位置にはつかない。大夫と士は、殯に向かって哭するときは杖をつき、柩が出て柩に向かって哭するときは杖を持ち上げる。喪が明けて杖を捨てるときは、折って人目につかない所に捨てる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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礼記・喪服四制杖(つえ)なる者は何ぞや。爵なり。三日にして子に杖を授け、五日にして大夫に杖を授け、七日にして士に杖を授く。或いは曰く、主に擔(あた)うと。或いは曰く、病を輔くと。婦人・童子の杖つかざるは、病む能わざればなり。百官備わり、百物具わり、言わずして事行わるる者は、扶けられて起つ。言いて而る後に事行わるる者は、杖つきて起つ。身自ら事を執りて而る後に行わるる者は、面垢(めんこう)するのみ。禿(とく)者は髽(さ)せず、傴(う)者は袒(たん)せず、跛(は)者は踴(よう)せず、老病は酒肉を止めず。凡そ此の八者は、権を以て制する者なり。
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礼記・喪大記君は大夫・世婦に於いては大斂にす。これが為に賜えば則ち小斂にす。外命婦に於いては、既に蓋を加えて君至る。士に於いては、既に殯して往く。これが為に賜えば、大斂にす。夫人は世婦に於いては、大斂にす。これが為に賜えば、小斂にす。諸妻に於いては、これが為に賜えば、大斂にす。大夫・外命婦に於いては、既に殯して往く。大夫・士既に殯して君往くには、人をしてこれに戒めしむ。主人は殷奠(いんてん)の礼を具え、門外に俟つ。馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり、巫は門外に止まり、祝これに代わりて先んじ、君は菜を門内に釈く。祝先ず阼階より升り、墉(よう)を負いて南面す。君は阼に位に即く。小臣二人戈を執りて前に立ち、二人後に立つ。擯者進み、主人拝して稽顙す。君言を称し、祝を視て踊し、主人踊す。大夫には則ち奠して可なり。士には則ち出でて門外に俟ち、これに命じて反りて奠せしめ、乃ち反りて奠す。奠を卒うれば、主人先ず門外に俟ち、君退けば、主人門外に送り、拝して稽顙す。君は大夫の疾には、三たびこれを問い、殯に在りては、三たび往く。士の疾には、壱たびこれを問い、殯に在りては、壱たび往く。君弔すれば則ち殯服に復す。夫人大夫・士に弔すれば、主人出でて門外に迎え、馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり。夫人入り、堂に升りて位に即く。主婦西階より降り、下に拝して稽顙す。夫人世子を視て踊す。奠は君至るの礼の如くす。夫人退けば、主婦門内に送り、拝して稽顙す。主人は大門の外に送りて拝せず。大夫、君は門外に迎えず。入りて堂下に位に即く。主人北面し、衆主人南面し、婦人は位に房中に即く。若し君命、命夫・命婦の命、四隣の賓客有れば、その君は主人に後れて拝す。君弔するには、尸柩を見て後に踊す。大夫・士、若し君戒めずして往けば、殷奠を具えず。君退けば必ず奠す。
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礼記・雑記上長子の為に杖つけば、則ちその子は杖を以て位に即かず。妻の為には、父母在せば、杖つかず、稽顙(けいそう)せず。母在せば、稽顙せず。稽顙する者は、その贈には拝するなり。諸侯を違(さ)りて大夫に之(ゆ)くは、服を反さず。 大夫を違りて諸侯に之くも、服を反さず。喪冠は条属(じょうぞく)、以て吉凶を別つ。三年の練冠も、亦た条属、右に縫う。小功以下は左。緦冠(しかん)は繰纓(そうえい)。大功以上は散帯。朝服は十五升、その半ばを去りて緦とし、灰を加うれば、錫(せき)なり。
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礼記・喪服小記婦は祖姑に祔す。祖姑に三人有れば、則ち親しき者に祔す。其の妻大夫たりて卒し、而る後に其の夫大夫たらずして、其の妻に祔すれば則ち牲を易えず。妻卒して後に夫大夫と為りて、其の妻に祔すれば、則ち大夫の牲を以てす。父の後たる者は、出母の為に服無し。服無しとは、喪する者は祭らざるが故なり。婦人の主と為らずして杖つく者は、姑在せば夫の為に杖つき、母は長子の為に削杖す。女子子(じょしし)室に在りて父母の為にするに、其の喪を主る者杖つかざれば、則ち子一人杖つく。
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礼記・喪大記君の喪には、子・大夫・公子・衆士皆三日食わず。子・大夫・公子は粥を食い、財を納むるに、朝に一溢(いつ)の米、莫(くれ)に一溢の米、これを食うこと算無し。士は疏食水飲し、これを食うこと算無し。夫人・世婦・諸妻は皆疏食水飲し、これを食うこと算無し。大夫の喪には、主人・室老・子姓皆粥を食い、衆士は疏食水飲し、妻妾は疏食水飲す。士も亦これの如くす。既に葬れば、主人は疏食水飲し、菜果を食わず。婦人も亦これの如くす。君・大夫・士一なり。練して菜果を食い、祥して肉を食う。粥を盛(せい)に食うには盥(てあら)わず、篹(さん)に食う者は盥う。菜を食うに醯醤(けいしょう)を以てし、始めて肉を食う者は先ず乾肉を食い、始めて酒を飲む者は先ず醴酒を飲む。期の喪には、三たび食わず。食うに、疏食水飲し、菜果を食わず、三月にして既に葬れば、肉を食い酒を飲む。期にして喪を終うるまで肉を食わず、酒を飲まざるは、父在りて母の為にし、妻の為にするなり。九月の喪には、食飲は猶お期の喪のごとくなり。肉を食い酒を飲むも、人とこれを楽しまず。五月・三月の喪には、壱(ひと)たび食わず再び食わざるも可なり。葬に比(およ)びて、肉を食い酒を飲むも、人とこれを楽しまず。叔母・世母・故主・宗子には肉を食い酒を飲む。粥を食うこと能わざれば、これを羹(あつもの)にするに菜を以てして可なり。疾有れば、肉を食い酒を飲みて可なり。五十にして喪を成さず、七十には唯だ衰麻身に在るのみ。既に葬りて、若し君これに食わしむれば則ちこれを食う。大夫・父の友これに食わしむれば則ちこれを食う。粱肉を辟(さ)けず、若し酒醴有れば則ち辞す。
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礼記・喪大記君の喪に、未だ小斂せざれば、寄公・国賓の為に出づ。大夫の喪に、未だ小斂せざれば、君命の為に出づ。士の喪には、大夫に於いて斂に当たらざれば出づ。凡そ主人の出づるや、徒跣(とせん)し扱衽(きゅうじん)し心を拊(う)ち、西階より降る。君は寄公・国賓を位に拝す。大夫は君命に於いて、寝門の外に迎え、使者堂に升りて命を致し、主人下に拝す。士は大夫に於いて親ら弔すれば則ちこれと哭し、門外に逆(むか)えず。夫人は寄公の夫人の為に出で、命婦は夫人の命の為に出で、士の妻は斂に当たらざれば、則ち命婦の為に出づ。
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