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礼記 / 喪大記

小斂於戶內,大斂於阼。君以簟席,大夫以蒲席,士以葦席。小斂:布絞,縮者一,橫者三。君錦衾,大夫縞衾,士緇衾,皆一。衣十有九稱,君陳衣于序東;大夫士陳衣于房中;皆西領北上。絞紟不在列。大斂:布絞,縮者三,橫者五,布紟二衾。君大夫士一也。君陳衣于庭,百稱,北領西上;大夫陳衣于序東,五十稱,西領南上;士陳衣于序東,三十稱,西領南上。絞紟如朝服,絞一幅為三、不辟,紟五幅、無紞。小斂之衣,祭服不倒。君無襚,大夫士畢主人之祭服;親戚之衣,受之不以即陳。小斂,君大夫士皆用復衣復衾;大斂,君大夫士祭服無算,君褶衣褶衾,大夫士猶小斂也。袍必有表,不禪,衣必有裳,謂之一稱。凡陳衣者實之篋,取衣者亦以篋升,降者自西階。凡陳衣、不詘,非列采不入,絺綌紵不入。

新字:小斂於戸内,大斂於阼。君以簟席,大夫以蒲席,士以葦席。小斂:布絞,縮者一,横者三。君錦衾,大夫縞衾,士緇衾,皆一。衣十有九称,君陳衣于序東;大夫士陳衣于房中;皆西領北上。絞紟不在列。大斂:布絞,縮者三,横者五,布紟二衾。君大夫士一也。君陳衣于庭,百称,北領西上;大夫陳衣于序東,五十称,西領南上;士陳衣于序東,三十称,西領南上。絞紟如朝服,絞一幅為三、不辟,紟五幅、無紞。小斂之衣,祭服不倒。君無襚,大夫士畢主人之祭服;親戚之衣,受之不以即陳。小斂,君大夫士皆用復衣復衾;大斂,君大夫士祭服無算,君褶衣褶衾,大夫士猶小斂也。袍必有表,不禅,衣必有裳,謂之一称。凡陳衣者実之篋,取衣者亦以篋升,降者自西階。凡陳衣、不詘,非列采不入,絺綌紵不入。

書き下し

小斂は戸内に於いてし、大斂は阼(そ)に於いてす。君は簟席(てんせき)を以てし、大夫は蒲席を以てし、士は葦席を以てす。小斂には、布の絞(こう)、縮(たて)なる者一、横なる者三。君は錦衾、大夫は縞衾、士は緇衾、皆一。衣十有九称、君は衣を序の東に陳ね、大夫・士は衣を房中に陳ね、皆西領北上。絞・紟(きん)は列に在らず。大斂には、布の絞、縮なる者三、横なる者五、布の紟・二衾。君・大夫・士一なり。君は衣を庭に陳ね、百称、北領西上。大夫は衣を序の東に陳ね、五十称、西領南上。士は衣を序の東に陳ね、三十称、西領南上。絞・紟は朝服の如く、絞は一幅を三と為して辟(さ)かず、紟は五幅にして紞(たん)無し。小斂の衣は、祭服倒にせず。君は襚(すい)無し。大夫・士は主人の祭服を畢(つ)くす。親戚の衣は、これを受くるも以て陳ねに即かず。小斂には、君・大夫・士皆復衣・復衾を用う。大斂には、君・大夫・士祭服算無し。君は褶衣(ちょうい)・褶衾、大夫・士は猶お小斂のごときなり。袍には必ず表有りて、禅(ひとえ)ならず。衣には必ず裳有り、これを一称と謂う。凡そ衣を陳ぬる者はこれを篋(きょう)に実(み)たし、衣を取る者も亦篋を以て升り、降る者は西階よりす。凡そ衣を陳ぬるに詘(くっ)せず。列采に非ざれば入れず、絺(ち)・綌(げき)・紵(ちょ)は入れず。

現代語訳

小斂は室の戸の内側で行い、大斂(棺に納める前の本格的な包み込み)は東の階段の上(阼)で行う。敷物は、君は細い竹のむしろ(簟席)、大夫は蒲のむしろ、士は葦のむしろを用いる。小斂では、遺体を縛る布の帯(絞)を、縦に一本、横に三本用いる。掛け布は、君は錦の衾、大夫は白絹の衾、士は黒い衾で、いずれも一枚である。衣は十九揃い(十九称)とし、君はそれを堂の東の壁(序)の東に並べ、大夫と士は房の中に並べ、いずれも襟を西に向け、北から順に並べる。絞と紟(単衣の敷き布)は、その十九揃いの数に入れない。大斂では、布の絞を縦に三本、横に五本用い、布の紟一枚と衾二枚を用いる。これは君・大夫・士とも同じである。君は衣を庭に並べて百揃い、襟を北に向け、西から順に並べる。大夫は衣を東の壁の東に並べて五十揃い、襟を西に向け、南から順に並べる。士は衣を東の壁の東に並べて三十揃い、襟を西に向け、南から順に並べる。絞と紟の布は朝服と同じ布を用い、絞は一幅の布を三つに裂くが端までは裂ききらず、紟は五幅の布を縫い合わせ、端の飾り縫い(紞)はつけない。小斂の衣は、祭服だけは上下を逆さにしない(他の衣は逆さにすることがある)。君の場合は、他人から贈られた衣(襚)を用いない。大夫と士は、喪主の祭服をすべて用い尽くしてから贈られた衣を用いる。親戚から贈られた衣は、受け取っても並べる列には入れない。小斂では、君・大夫・士ともに綿入れの衣と綿入れの衾を用いる。大斂では、君・大夫・士ともに祭服の数に限りを設けない。君は袷(あわせ)の衣と袷の衾を用い、大夫と士は小斂と同じ(綿入れ)とする。綿入れの袍には必ず上に表着を重ね、単独では用いない。衣には必ず裳を添え、それで一揃い(一称)とする。およそ衣を並べる者は衣を箱(篋)に入れて運び、衣を取る者も箱を持って堂に上り、降りるときは西の階段から降りる。衣を並べるときは折り曲げずに広げる。正式な色の衣でなければ入れず、葛の細布・粗布や麻布の衣は入れない。

解説

小斂と大斂で遺体を包む衣と布の数、並べ方、材質を定めた段である。小斂では身分にかかわらず衣十九揃い、大斂では君は百、大夫は五十、士は三十揃いと差がつく。衣を並べる場所や襟の向き、どこから並べ始めるかまで定められるのは、多くの人が一斉に動く儀式で混乱を避けるための段取りでもある。印象的なのは、贈られた衣の扱いである。君は他人からの贈り物を用いず、大夫と士は自家の祭服を使い尽くしてから贈られた衣を用い、親戚の衣は受け取っても列に並べない。孔穎達の疏は、国君は並べるにも包むにも自分の衣を用い、大夫・士は君より一段下がるので、まず自分の正服を尽くしてから贈られた衣を用いると説く。死者を包むのはまず自家のものであり、贈られた厚意は受けつつも主客を取り違えないのである。「衣には必ず裳有り、これを一称と謂う」の一句は、上下揃わぬものを死者に着せないという心遣いである。夏の涼しい葛布を入れないのも、死者を正装で送るという考えによる。人を送るときにまず自分の手でできることを尽くすという順序は、今の葬送にも通じる。

この章句が説くこと

礼記喪大記大斂衣喪礼

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