礼記 / 雑記上
凡婦人,從其夫之爵位。小斂、大斂、啟,皆辯拜。朝夕哭,不帷。無柩者不帷。君若載而後吊之,則主人東面而拜,門右北面而踴。出待,反而後奠。子羔之襲也:繭衣裳與稅衣纁袡為一,素端一,皮弁一,爵弁一,玄冕一。曾子曰:「不襲婦服。」為君使而死,於公館,復;私館不復。公館者,公宮與公所為也。私館者,自卿大夫以下之家也。公七踴,大夫五踴,婦人居間,士三踴,婦人皆居間。公襲:卷衣一,玄端一,朝服一,素積一,纁裳一,爵弁二,玄冕一,褒衣一。朱綠帶,申加大帶於上。小斂環絰,公大夫士一也。公視大斂,公升,商祝鋪席,乃斂。魯人之贈也:三玄二纁,廣尺,長終幅。
新字:凡婦人,従其夫之爵位。小斂、大斂、啓,皆弁拝。朝夕哭,不帷。無柩者不帷。君若載而後吊之,則主人東面而拝,門右北面而踴。出待,反而後奠。子羔之襲也:繭衣裳与税衣纁袡為一,素端一,皮弁一,爵弁一,玄冕一。曽子曰:「不襲婦服。」為君使而死,於公館,復;私館不復。公館者,公宮与公所為也。私館者,自卿大夫以下之家也。公七踴,大夫五踴,婦人居間,士三踴,婦人皆居間。公襲:巻衣一,玄端一,朝服一,素積一,纁裳一,爵弁二,玄冕一,褒衣一。朱緑帯,申加大帯於上。小斂環絰,公大夫士一也。公視大斂,公升,商祝鋪席,乃斂。魯人之贈也:三玄二纁,広尺,長終幅。
書き下し
凡そ婦人は、その夫の爵位に従う。小斂・大斂・啓には、皆辯(あまね)く拝す。朝夕に哭するには、帷(い)せず。柩無き者は帷せず。君若し載して後にこれを吊すれば、則ち主人は東面して拝し、門の右に北面して踊し、出でて待ち、反りて後に奠す。子羔(しこう)の襲(しゅう)するや、繭衣裳と稅衣(たんい)・纁袡(くんぜん)と一と為し、素端一、皮弁一、爵弁一、玄冕一。曾子曰く、「婦服を襲せず」と。君の為に使いして死するは、公館には復し、私館には復せず。公館とは、公宮と公の為(つく)る所となり。私館とは、卿大夫より以下の家なり。公は七踊、大夫は五踊、婦人は間に居り、士は三踊、婦人は皆間に居る。公の襲は、卷衣(こんい)一、玄端一、朝服一、素積一、纁裳一、爵弁二、玄冕一、褒衣一。朱緑の帯、申ねて大帯を上に加う。小斂の環絰(かんてつ)は、公・大夫・士一なり。公、大斂を視るには、公升りて、商祝席を鋪き、乃ち斂す。魯人の贈や、三玄二纁、広さ尺、長さ幅を終う。
現代語訳
およそ婦人は、喪礼において夫の爵位に従った扱いを受ける。小斂(しょうれん、遺体に衣を着せ包むこと)・大斂(だいれん、納棺)・啓(けい、埋葬のため殯を開くこと)の儀式の間に来た弔問客には、儀式が終わってから皆にあまねく拝礼する。朝夕に殯の前で哭するときは、殯を覆う帷(とばり)を上げておく。柩がない場合は帷を設けない。君主が、柩を車に載せた後に弔問に来たときは、喪主は東向きに拝し、門の右で北向きに踊をし、門を出て君主が帰るのを待ち、君主に促されて戻ってから供え物を供える。子羔(孔子の弟子、高柴)の遺体に着せた衣は、綿入れの衣裳に稅衣(黒い衣)と纁袡(くんぜん、赤い縁取り)を重ねて一揃いとし、白の玄端一、皮弁服一、爵弁服一、玄冕一であった。曾子はこれについて「婦人の服を死者に着せてはならない」といった。主君の使者となって旅先で死んだ者は、公館で死ねば魂呼びをし、私館で死ねば魂呼びをしない。公館とは、君主の宮殿と君主が建てた離宮・別館である。私館とは、卿大夫以下の家である。君主の喪では主人は七たび踊し、大夫の喪では五たび踊し、それぞれ婦人は主人と客の間に踊し、士の喪では三たび踊し、婦人はすべて間に踊する。君主の遺体に着せる衣は、卷衣(こんい、龍を描いた礼服)一、玄端一、朝服一、素積(白い襞の裳)一、纁裳(赤い裳)一、爵弁服二、玄冕一、褒衣一である。朱と緑で飾った帯を締め、さらにその上に大帯を重ねる。小斂のときに着ける環絰(かんてつ、一筋の麻の絰)は、君主・大夫・士みな同じである。君主が臣下の大斂に臨席するときは、君主が堂に上がってから、商祝(しょうしゅく、殷の礼に通じた祝官)が席を敷き直し、それから納棺する。魯の人々の葬送の贈り物は、黒三・赤二の帛であったが、幅は一尺で、長さは布幅だけしかなかった。
解説
この章句が説くこと
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礼記・喪大記小斂には、主人戸内に位に即き、主婦東面し、乃ち斂す。斂を卒(お)うれば、主人これに馮(よ)りて踊し、主婦も亦これの如くす。主人袒(たん)して髦(ぼう)を説(ぬ)き、髪を括るに麻を以てし、婦人は髽(ざ)し、麻を房中に帯ぶ。帷(い)を徹し、男女尸を奉じて堂に夷(うつ)し、降りて拝す。君は寄公・国賓を拝し、大夫・士は卿大夫を位に拝し、士に於いては旁(あまね)く三拝す。夫人も亦寄公の夫人を堂上に拝し、大夫の内子・士の妻は特に拝し、命婦は泛(あまね)く衆賓を堂上に拝す。主人位に即き、襲(しゅう)して絰(てつ)を帯び踊す。母の喪には、位に即きて免(ぶん)し、乃ち奠(てん)す。弔う者は裘を襲い、武に絰を加え帯び、主人と拾(こもごも)踊す。君の喪には、虞人木・角を出だし、狄人壺を出だし、雍人鼎を出だし、司馬これを県け、乃ち官もて代わる代わる哭す。大夫は官もて代わる代わる哭して壺を県けず、士は代わる代わる哭して官を以てせず。君は堂上に二燭、下に二燭、大夫は堂上に一燭、下に二燭、士は堂上に一燭、下に一燭。賓出づれば帷を徹す。尸を堂上に哭するに、主人は東方に在り、外より来たる者は西方に在り、諸婦は南郷す。婦人は客を迎え客を送るに堂を下らず、堂を下れば哭せず。男子は寝門を出でて人を見れば哭せず。その女主無ければ、則ち男主女賓を寝門の内に拝し、その男主無ければ、則ち女主男賓を阼階(そかい)の下に拝す。子幼ければ、則ち衰(さい)を以てこれを抱き、人これが為に拝す。後たる者在らざれば、則ち爵有る者は辞し、爵無き者は人これが為に拝す。竟(さかい)の内に在れば則ちこれを俟ち、竟の外に在れば則ち殯葬して可なり。喪に後無きこと有るも、主無きこと無し。
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礼記・雑記上その国に君の喪有れば、敢えて吊を受けず。外宗は房中に南面し、小臣は席を鋪(し)き、商祝は絞・紟(きん)・衾を鋪き、士は盤の北に盥(あら)う。尸を挙げて斂の上に遷し、斂を卒(お)うれば、宰、子に告げ、これに馮(よ)りて踊す。夫人は東面して坐し、これに馮りて興ちて踊す。士の喪に天子と同じき者三有り。その終夜燎(にわび)し、及び人に乗(しょう)し、道を専らにして行く。
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礼記・喪大記君は大夫・世婦に於いては大斂にす。これが為に賜えば則ち小斂にす。外命婦に於いては、既に蓋を加えて君至る。士に於いては、既に殯して往く。これが為に賜えば、大斂にす。夫人は世婦に於いては、大斂にす。これが為に賜えば、小斂にす。諸妻に於いては、これが為に賜えば、大斂にす。大夫・外命婦に於いては、既に殯して往く。大夫・士既に殯して君往くには、人をしてこれに戒めしむ。主人は殷奠(いんてん)の礼を具え、門外に俟つ。馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり、巫は門外に止まり、祝これに代わりて先んじ、君は菜を門内に釈く。祝先ず阼階より升り、墉(よう)を負いて南面す。君は阼に位に即く。小臣二人戈を執りて前に立ち、二人後に立つ。擯者進み、主人拝して稽顙す。君言を称し、祝を視て踊し、主人踊す。大夫には則ち奠して可なり。士には則ち出でて門外に俟ち、これに命じて反りて奠せしめ、乃ち反りて奠す。奠を卒うれば、主人先ず門外に俟ち、君退けば、主人門外に送り、拝して稽顙す。君は大夫の疾には、三たびこれを問い、殯に在りては、三たび往く。士の疾には、壱たびこれを問い、殯に在りては、壱たび往く。君弔すれば則ち殯服に復す。夫人大夫・士に弔すれば、主人出でて門外に迎え、馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり。夫人入り、堂に升りて位に即く。主婦西階より降り、下に拝して稽顙す。夫人世子を視て踊す。奠は君至るの礼の如くす。夫人退けば、主婦門内に送り、拝して稽顙す。主人は大門の外に送りて拝せず。大夫、君は門外に迎えず。入りて堂下に位に即く。主人北面し、衆主人南面し、婦人は位に房中に即く。若し君命、命夫・命婦の命、四隣の賓客有れば、その君は主人に後れて拝す。君弔するには、尸柩を見て後に踊す。大夫・士、若し君戒めずして往けば、殷奠を具えず。君退けば必ず奠す。
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礼記・雑記上諸侯相襚(すい)するに、後路(こうろ)と冕服とを以てす。先路と褒衣とは、以て襚せず。遣車(けんしゃ)は牢具を視(み)る。疏布の輤(せん)、四面に章有り、四隅に置く。粻(ちょう)を載す、有子曰く、「礼に非ざるなり。喪奠は、脯醢(ほかい)のみ」と。祭には孝子・孝孫と称し、喪には哀子・哀孫と称す。端衰・喪車は、皆等無し。大白冠・緇布の冠は、皆蕤(ずい)せず。委武(いぶ)、玄・縞にして後に蕤す。大夫は冕して公に祭り、弁して己に祭る。士は弁して公に祭り、冠して己に祭る。士は弁して親迎す、然らば則ち士弁して己に祭るも可なり。
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礼記・雑記上大夫、宅と葬日とを卜するに、有司は麻衣・布衰・布帯し、喪屨に因り、緇布の冠は蕤(ずい)せず。占う者は皮弁す。如し筮すれば、則ち史は練冠長衣して以て筮し、占う者は朝服す。大夫の喪、既に馬を薦む。馬を薦むる者は、哭踊し、出でて乃ち奠を包みて書を読む。大夫の喪には、大宗人相(たす)け、小宗人亀に命じ、卜人亀を作(や)く。復するに、諸侯は褒衣・冕服・爵弁服を以てし、夫人は稅衣(たんい)・揄狄(ようてき)、狄・稅は素沙なり。内子は鞠衣(きくい)・褒衣・素沙を以てす。下大夫は襢衣(てんい)を以てし、その余は士の如し。復は西を上とす。大夫は揄絞(ようこう)を池の下に属(つ)けず。大夫は士に附(ふ)し、士は大夫に附せず、大夫の昆弟に附す。昆弟無ければ、則ちその昭穆に従う。王父母在りと雖も、亦た然り。婦はその夫の附する所の妃に附し、妃無ければ、則ち亦たその昭穆の妃に従う。妾は妾祖姑に附し、妾祖姑無ければ則ち亦たその昭穆の妾に従う。男子は王父に附すれば則ち配し、女子は王母に附すれば、則ち配せず。公子は公子に附す。君薨ずれば、大子は号して子と称し、待つこと猶お君のごときなり。
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礼記・雑記下祥には、主人の除くや、夕に於いて期を為し、朝服す。祥はその故の服に因る。 子游曰く、「既に祥して、縞に当たらざる者と雖も必ず縞し、然る後に服に反る」と。 袒(たん)に当たりて、大夫至れば、踊に当たると雖も、踊を絶ちてこれを拝し、反りて改めて踊を成し、乃ち襲(おそ)う。士に於いては、事を既(お)えて踊を成し、襲いて後にこれを拝し、改めて踊を成さず。
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