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礼記 / 喪服小記

虞,杖不入於室;祔,杖不升於堂。為君母後者,君母卒,則不為君母之黨服。絰殺五分而去一,杖大如絰。妾為君之長子與女君同。除喪者,先重者;易服者,易輕者。無事不辟廟門。哭皆於其次。復與書銘,自天子達於士,其辭一也。男子稱名,婦人書姓與伯仲,如不知姓則書氏。

新字:虞,杖不入於室;祔,杖不升於堂。為君母後者,君母卒,則不為君母之党服。絰殺五分而去一,杖大如絰。妾為君之長子与女君同。除喪者,先重者;易服者,易軽者。無事不辟廟門。哭皆於其次。復与書銘,自天子達於士,其辞一也。男子称名,婦人書姓与伯仲,如不知姓則書氏。

書き下し

虞には、杖は室に入らず。祔には、杖は堂に升らず。君母の後たる者は、君母卒すれば、則ち君母の党の為に服せず。絰(てつ)の殺(さい)は五分して一を去り、杖の大いさは絰の如し。妾は君の長子の為にすること女君と同じ。喪を除く者は、重き者を先にす。服を易(か)うる者は、軽き者を易う。事無ければ廟門を辟(ひら)かず。哭するは皆其の次に於いてす。復と書銘とは、天子より士に達するまで、其の辞一なり。男子は名を称し、婦人は姓と伯仲とを書し、如(も)し姓を知らざれば則ち氏を書す。

現代語訳

虞(ぐ、葬った日の安魂祭)のときには、杖を室の中には持ち込まない。祔(ふ、祖先の廟に合わせ祭る祭り)のときには、杖を堂の上には持って上がらない。妾の子で、父の正妻(君母)の跡継ぎとなった者は、君母が亡くなった後は、君母の実家の親族のためには喪に服さない。首に巻く麻の絰(てつ)は、段階ごとに五分の一ずつ細くし、杖の太さは腰の絰と同じにする。妾は、君の長子のための喪を女君(正妻)と同じにする。重なった喪を除くときは、重い喪の服から先に除く。重い喪の最中に軽い喪が生じて服を替えるときは、軽いほうの部分だけを替える。用事がなければ廟の門を開かない。哭するのはみな喪中に居る仮の部屋で行う。死者の魂を呼び戻す復(ふく)のことばと、棺の前に立てる旗に書く銘は、天子から士まで同じ形式である。男子は名を称し、女性は姓と、伯・仲などの長幼の順を書く。姓がわからなければ氏を書く。

解説

喪中の杖の扱い、絰の太さ、重なった喪の除き方、復と銘の書き方など、喪礼の細則を集めた段である。虞では杖を室に入れず、祔では堂に上げないのは、祭りが進むにつれて哀しみの表現を少しずつ減らし、日常へ戻っていく段取りを示す。重い喪から先に除き、服を替えるときは軽いほうを替えるという原則は、複数の喪が重なっても、より重い哀しみを最後まで身に残すための工夫である。復とは亡くなった直後に屋根に上って死者の名を呼び魂を呼び戻す儀式で、そのことばと銘の形式が天子から士まで同じとされるのは、死の前では身分に関わらず名が同じ重さを持つという考えを示す。鄭玄はこの男子は名を、女性は姓を書くという定めを殷の礼と注している。故人の名をどう記し、どう呼ぶかは、位牌や墓碑を前にした今の私たちにも身近な問題である。

この章句が説くこと

礼記喪服小記喪礼杖銘

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