礼記 / 玉藻
君賜車馬,乘以拜賜;衣服,服以拜賜;君未有命,弗敢即乘服也。君賜,稽首,據掌致諸地;酒肉之賜,弗再拜。凡賜,君子與小人不同日。凡獻於君,大夫使宰,士親,皆再拜稽首送之。膳於君,有葷桃茢,於大夫去茢,於士去葷,皆造於膳宰。大夫不親拜,為君之答己也。大夫拜賜而退,士待諾而退,又拜,弗答拜。大夫親賜士,士拜受,又拜於其室。衣服,弗服以拜。敵者不在,拜於其室。凡於尊者有獻,而弗敢以聞。士於大夫不承賀,下大夫於上大夫承賀。親在,行禮於人稱父,人或賜之,則稱父拜之。禮不盛,服不充,故大裘不裼,乘路車不式。
新字:君賜車馬,乗以拝賜;衣服,服以拝賜;君未有命,弗敢即乗服也。君賜,稽首,拠掌致諸地;酒肉之賜,弗再拝。凡賜,君子与小人不同日。凡献於君,大夫使宰,士親,皆再拝稽首送之。膳於君,有葷桃茢,於大夫去茢,於士去葷,皆造於膳宰。大夫不親拝,為君之答己也。大夫拝賜而退,士待諾而退,又拝,弗答拝。大夫親賜士,士拝受,又拝於其室。衣服,弗服以拝。敵者不在,拝於其室。凡於尊者有献,而弗敢以聞。士於大夫不承賀,下大夫於上大夫承賀。親在,行礼於人称父,人或賜之,則称父拝之。礼不盛,服不充,故大裘不裼,乗路車不式。
書き下し
君、車馬を賜えば、乗りて以て賜を拝す。衣服は、服して以て賜を拝す。君未だ命有らざれば、敢えて即ち乗服せず。君賜えば、稽首し、掌を拠りて諸(これ)を地に致す。酒肉の賜には、再拝せず。凡そ賜は、君子と小人と日を同じくせず。凡そ君に献ずるには、大夫は宰をして、士は親(みずか)らし、皆再拝稽首して之を送る。君に膳するには、葷(くん)・桃・茢(れつ)有り。大夫に於いては茢を去り、士に於いては葷を去り、皆膳宰に造(いた)る。大夫は親ら拝せず、君の己に答うるが為なり。大夫は賜を拝して退き、士は諾を待ちて退き、又拝す、答拝せず。大夫親ら士に賜えば、士拝して受け、又其の室に拝す。衣服は、服せずして以て拝す。敵者在らざれば、其の室に拝す。凡そ尊者に献ずること有れば、敢えて以て聞せず。士は大夫に於いて賀を承けず、下大夫は上大夫に於いて賀を承く。親在せば、礼を人に行うに父を称し、人或いは之に賜えば、則ち父を称して之を拝す。礼盛んならず、服充たさず、故に大裘は裼せず、路車に乗りては式せず。
現代語訳
君が車馬を賜ったなら、翌日それに乗って礼を述べに行く。衣服を賜ったなら、それを着て礼を述べに行く。君がまだ使ってよいと命じないうちは、あえてすぐに乗ったり着たりはしない。君から賜り物を受けたら稽首(けいしゅ)し、手のひらを重ねて地につける。酒や肉の賜り物には、翌日改めて再拝しに行くことはしない。およそ君の賜り物は、君子と小人とに同じ日には与えない。およそ君に物を献上するときは、大夫は家宰(かさい、家老)に届けさせ、士は自分で届け、いずれも再拝稽首して送り出す。君に食膳を献じるときは、葷(くん、においの強い野菜)と桃の枝と茢(れつ、葦の穂で作った箒)を添えて邪気を払う。大夫に献じるときは茢を除き、士に献じるときは葷も除く。いずれも膳宰(ぜんさい、料理を司る役人)のもとに届ける。大夫が自分で拝しに行かないのは、君が自分に答礼することになるのを避けるためである。大夫は賜り物の礼を拝して退き、士は取り次ぎの者の承知の返事を待って退き、さらに拝するが、君は答礼しない。大夫が自分で士に物を与えれば、士は拝して受け、翌日また大夫の家に行って拝する。衣服を賜っても、それを着ずに拝しに行く。対等の者から贈り物を受け、その人が不在のときは、その家に行って拝しておく。およそ尊い人に物を献じるときは、あえて本人に直接申し上げることはしない。士は大夫からの祝賀を受けない。下大夫は上大夫からの祝賀を受ける。親が健在であれば、人に礼を行うときは父の名で行い、人から物を賜れば、父の名を称して拝する。礼の盛大さを抑え、服の飾りを尽くさない場合もある。だから天子が天を祭る大裘には裼をせず、路車(ろしゃ、天子の大車)に乗って天を祭りに行くときは、式(しょく、車の横木に手をかけて頭を下げる礼)をしない。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
-
礼記・玉藻凡そ君に侍するには、紳は垂れ、足は斉(し)を履むが如く、頤(い)は溜(した)たり垂れ拱(きょう)し、視ることは下にして聴くことは上にし、帯を視て以て袷(きょう)に及び、聴くことは郷(むか)いて左に任ず。凡そ君の召すに三節を以てす。二節には以て走り、一節には以て趨(はし)る。官に在りては屨(くつ)を俟たず、外に在りては車を俟たず。士は大夫に於いて、敢えて拝迎せずして拝送す。士は尊者に於いて、先ず拝して進みて面し、之に答拝すれば則ち走る。士は君の所に於いて言うに、大夫の没すれば、則ち謚(おくりな)若しくは字(あざな)を称し、士を名いう。大夫と言うには、士を名いい大夫を字いう。大夫の所に於いては、公諱(こうき)有りて私諱無し。凡そ祭には諱まず、廟中には諱まず、教学して文に臨みては諱まず。古の君子は必ず玉を佩ぶ。右は徴角(ちかく)、左は宮羽(きゅうう)。趨るには《采斉》(さいし)を以てし、行くには《肆夏》(しか)を以てし、周還(しゅうせん)は規に中(あた)り、折還(せつせん)は矩に中る。進めば則ち之を揖し、退けば則ち之を揚げ、然る後に玉鏘鳴(そうめい)するなり。故に君子車に在れば、則ち鸞和(らんか)の声を聞き、行けば則ち佩玉を鳴らす。是を以て非辟(ひへき)の心、自りて入ること無きなり。
-
礼記・玉藻侍坐すれば、則ち必ず席を退く。退かざれば、則ち必ず引きて君の党を去る。席に登るに前由(よ)りせず、席を躐(ふ)むと為す。徒坐には席を尽くさざること尺、書を読み、食すれば、則ち斉(ひと)しくし、豆は席を去ること尺。若し之に食を賜いて君之を客とすれば、則ち之に祭を命じ、然る後に祭る。先ず飯して辯(あまね)く羞を嘗め、飲みて俟(ま)つ。若し羞を嘗むる者有れば、則ち君の食するを俟ちて、然る後に食し、飯して、飲みて俟つ。君之に羞を命ずれば、近き者を羞め、之に品嘗を命じ、然る後に唯欲する所のままにす。凡そ遠食を嘗むるには、必ず近食に順う。君未だ手を覆さざれば、敢えて飧(そん)せず。君既に食すれば、又飯飧す。飯飧する者は、三飯なり。君既に徹すれば、飯と醤とを執りて乃ち出で、従者に授く。凡そ侑食には、食を尽くさず。人に食するときは飽かず。唯水漿は祭らず、若し祭れば已(はなは)だ偝卑(はいひ)と為す。君若し之に爵を賜えば、則ち席を越えて再拝稽首して受け、席に登りて之を祭り、飲みて爵を卒(お)えて君の爵を卒うるを俟ち、然る後に虚爵を授く。君子の酒を飲むや、一爵を受けて色灑如(しゃじょ)たり、二爵にして言言斯(ぎんぎんし)たり、礼は三爵に已みて油油(ゆうゆう)として以て退く。退けば則ち坐して屨を取り、隠辟(いんぺき)して而る後に屨く。左に坐しては右を納れ、右に坐しては左を納る。凡そ尊は必ず玄酒を上にす。唯君のみ尊に面す。唯野人を饗するときは皆酒なり。大夫は側尊に棜(よ)を用い、士は側尊に禁を用う。
-
礼記・玉藻君は故無くして牛を殺さず、大夫は故無くして羊を殺さず、士は故無くして犬豕(けんし)を殺さず。君子は庖廚(ほうちゅう)を遠ざく。凡そ血気有るの類は、身ずから践(ふ)まざるなり。八月に至りて雨ふらざれば、君は挙(きょ)せず。年順成せざれば、君は布を衣て本(ほん)を搢(さしはさ)み、関梁は租せず、山沢は列して賦せず、土功は興さず、大夫は車馬を造ることを得ず。卜人は亀を定め、史は墨を定め、君は体を定む。君は羔幦(こうべき)虎犆(こしょく)。大夫は斉車(さいしゃ)に鹿幦豹犆、朝車。士は斉車に鹿幦豹犆。君子の居るや恒に戸に当たり、寝ぬるや恒に東首す。若し疾風迅雷甚雨有らば、則ち必ず変じ、夜と雖も必ず興(お)き、衣服冠して坐す。日に五たび盥(てあら)い、沐には稷(しょく)、靧(かい)には粱(りょう)、櫛には樿櫛(せんしつ)を用い、髪晞(かわ)けば象櫛を用い、禨(き)を進め羞を進め、工乃ち升りて歌う。浴には二巾を用い、上は絺(ち)下は綌(げき)、杅(う)を出でて蒯席(かいせき)を履み、湯を連用し、蒲席を履み、布を衣て身を晞かし、乃ち屨(くつ)して飲を進む。将に公所に適(ゆ)かんとすれば、宿(しゅく)して斉戒し、外寝に居り、沐浴す。史は象笏(ぞうこつ)を進め、思対命を書す。既に服して、容を習い玉声を観、乃ち出で、私朝に揖す。煇如(きじょ)たり、車に登れば則ち光有り。天子は珽(てい)を搢み、天下に方正なればなり。諸侯は荼(じょ)、前は詘(くっ)し後は直なり、天子に譲ればなり。大夫は前詘後詘、譲らざる所無ければなり。
-
礼記・玉藻君門に入るに、介は闑(げつ)を払い、大夫は棖(ちょう)と闑との間に中(あた)り、士介は棖を払う。賓入るに門に中らず、閾(しきい)を履まず、公事は闑の西よりし、私事は闑の東よりす。君と尸(し)との行くには接武(せつぶ)、大夫は継武、士は中武、徐趨(じょすう)にも皆是を用う。疾趨すれば則ち発せんと欲して手足移ること毋し。圏豚(けんとん)の行は足を挙げず、斉は流るるが如し、席上も亦然り。端行には頤溜(いりゅう)矢の如く、弁行には剡剡(えんえん)として屨を起こし、亀玉を執るには前を挙げ踵を曳き、蹜蹜如(しゅくしゅくじょ)たり。凡そ行容は愓愓(しょうしょう)、廟中は斉斉、朝廷は済済翔翔(せいせいしょうしょう)。君子の容は舒遅、尊ぶ所の者を見れば斉遬(さいそく)す。足容は重く、手容は恭しく、目容は端しく、口容は止まり、声容は静かに、頭容は直く、気容は粛み、立容は徳あり、色容は荘(おごそ)かに、坐は尸の如く、燕居して告ぐるには温温たり。凡そ祭には、容貌顔色、祭る所の者を見るが如し。喪容は纍纍(るいるい)、色容は顛顛(てんてん)、視容は瞿瞿梅梅(くくばいばい)、言容は繭繭(けんけん)。戎容は暨暨(きき)、言容は詻詻(がくがく)、色容は厲粛、視容は清明。立容は辨(へん)、卑しくして諂うこと毋く、頭頸は必ず中し、山のごとく立ち時に行き、盛気は顛実(てんじつ)、揚休(ようきゅう)玉色あり。凡そ自ら称するに、天子は予一人と曰い、伯は天子の力臣と曰う。諸侯の天子に於けるは某土の守臣某と曰い、其の辺邑に在るは、某屏の臣某と曰う。其の敵以下に於けるは寡人と曰い、小国の君は孤と曰い、擯者(ひんじゃ)も亦孤と曰う。上大夫は下臣と曰い、擯者は寡君の老と曰う。下大夫は自ら名いい、擯者は寡大夫と曰う。世子は自ら名いい、擯者は寡君の適(てき)と曰い、公子は臣孽(しんげつ)と曰う。士は伝遽(でんきょ)の臣と曰い、大夫に於いては外私と曰う。大夫私事に使いして、私人擯すれば則ち名を称し、公士擯すれば則ち寡大夫・寡君の老と曰う。大夫往く所有れば、必ず公士と与(とも)に賓と為るなり。
-
礼記・喪大記君は大夫・世婦に於いては大斂にす。これが為に賜えば則ち小斂にす。外命婦に於いては、既に蓋を加えて君至る。士に於いては、既に殯して往く。これが為に賜えば、大斂にす。夫人は世婦に於いては、大斂にす。これが為に賜えば、小斂にす。諸妻に於いては、これが為に賜えば、大斂にす。大夫・外命婦に於いては、既に殯して往く。大夫・士既に殯して君往くには、人をしてこれに戒めしむ。主人は殷奠(いんてん)の礼を具え、門外に俟つ。馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり、巫は門外に止まり、祝これに代わりて先んじ、君は菜を門内に釈く。祝先ず阼階より升り、墉(よう)を負いて南面す。君は阼に位に即く。小臣二人戈を執りて前に立ち、二人後に立つ。擯者進み、主人拝して稽顙す。君言を称し、祝を視て踊し、主人踊す。大夫には則ち奠して可なり。士には則ち出でて門外に俟ち、これに命じて反りて奠せしめ、乃ち反りて奠す。奠を卒うれば、主人先ず門外に俟ち、君退けば、主人門外に送り、拝して稽顙す。君は大夫の疾には、三たびこれを問い、殯に在りては、三たび往く。士の疾には、壱たびこれを問い、殯に在りては、壱たび往く。君弔すれば則ち殯服に復す。夫人大夫・士に弔すれば、主人出でて門外に迎え、馬首を見れば、先ず入りて門の右にあり。夫人入り、堂に升りて位に即く。主婦西階より降り、下に拝して稽顙す。夫人世子を視て踊す。奠は君至るの礼の如くす。夫人退けば、主婦門内に送り、拝して稽顙す。主人は大門の外に送りて拝せず。大夫、君は門外に迎えず。入りて堂下に位に即く。主人北面し、衆主人南面し、婦人は位に房中に即く。若し君命、命夫・命婦の命、四隣の賓客有れば、その君は主人に後れて拝す。君弔するには、尸柩を見て後に踊す。大夫・士、若し君戒めずして往けば、殷奠を具えず。君退けば必ず奠す。
-
礼記・曲礼下大夫・士、国君に見(まみ)ゆるに、君若しこれを労(ねぎら)えば、則ち還辟(かんぺき)し、再拝稽首す。君若し迎えて拝すれば、則ち還辟し、敢えて答拝せず。大夫・士相見ゆるに、貴賤敵(かな)わずと雖も、主人客を敬すれば、則ち先ず客を拝し、客主人を敬すれば、則ち先ず主人を拝す。凡そ喪を弔するに非ず、国君に見ゆるに非ざれば、答拝せざる者無し。大夫国君に見ゆれば、国君其の辱(かたじけな)きを拝す。士大夫に見ゆれば、大夫其の辱きを拝す。同国にて始めて相見ゆれば、主人其の辱きを拝す。君は士に於いて、答拝せざるなり。其の臣に非ざれば、則ちこれに答拝す。大夫は其の臣に於いて、賤しと雖も、必ずこれに答拝す。男女は相答拝するなり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る