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礼記 / 明堂位

夏后氏尚明水,殷尚醴,周尚酒。 有虞氏官五十,夏后氏官百,殷二百,周三百。 有虞氏之綏,夏后氏之綢練,殷之崇牙,周之璧翣。 凡四代之服、器、官,魯兼用之。是故,魯,王禮也,天下傳之久矣。君臣,未嘗相弒也;禮樂刑法政俗,未嘗相變也,天下以為有道之國。是故,天下資禮樂焉。

新字:夏后氏尚明水,殷尚醴,周尚酒。 有虞氏官五十,夏后氏官百,殷二百,周三百。 有虞氏之綏,夏后氏之綢練,殷之崇牙,周之璧翣。 凡四代之服、器、官,魯兼用之。是故,魯,王礼也,天下伝之久矣。君臣,未嘗相弒也;礼楽刑法政俗,未嘗相変也,天下以為有道之国。是故,天下資礼楽焉。

書き下し

夏后氏は明水を尚び、殷は醴を尚び、周は酒を尚ぶ。 有虞氏の官は五十、夏后氏の官は百、殷は二百、周は三百。 有虞氏の綏、夏后氏の綢練(ちゅうれん)、殷の崇牙、周の璧翣。 凡そ四代の服・器・官は、魯兼ねてこれを用う。是の故に、魯は王の礼なり、天下これを伝うること久し。君臣は、未だ嘗て相弑せざるなり。礼楽刑法政俗は、未だ嘗て相変ぜざるなり。天下以て有道の国と為す。是の故に、天下は礼楽を資(と)る。

現代語訳

祭の飲み物について、夏后氏は明水(清らかな水)を尊び、殷は醴(甘酒)を尊び、周は酒を尊んだ。 官職の数は、有虞氏が五十、夏后氏が百、殷が二百、周が三百であった。 葬送の旗飾りについて、有虞氏は綏(旄牛の尾の飾り)、夏后氏は綢練(練り絹で竿を包んだもの)、殷は崇牙(鋸歯状の縁飾り)、周は璧翣(璧を飾った羽根扇)を用いた。 およそ四代の服制、器物、官制を、魯はすべて兼ね用いた。だから魯は王者の礼を行う国であり、天下はそれを久しく伝えてきた。魯では君臣が互いに殺し合ったことはかつてなく、礼楽・刑法・政治・風俗が乱れ変わったこともかつてない。天下は魯を道のある国とみなした。それゆえ天下は、礼楽を魯に学んだのである。

解説

明堂位篇の結びで、四代の飲み物、官職の数、旗飾りを挙げたのち、魯がこれら四代の服・器・官をすべて兼ね用いたと述べて、魯を道のある国とたたえる。だが「君臣は、未だ嘗て相弑せざるなり」という一文について、鄭玄は「亦た誣に近し」、つまり事実を曲げたものに近いと注している。実際、春秋によれば魯では隠公や閔公などの君が臣下によって殺されており、三桓が実権を握ったことは郊特牲篇でも批判されていた。鄭玄の注は、経文であっても事実と照らして鵜呑みにしない冷静さを示している。とはいえ、孔子を生んだ魯が礼楽の国として天下に仰がれたことは確かで、論語雍也篇にも「魯一変せば、道に至らん」とある。組織の自画像が実態と食い違うとき、それを冷静に見つめる目を持つことの大切さを教える段である。

この章句が説くこと

礼記明堂位魯四代礼楽

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