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礼記 / 明堂位

爵,夏后氏以琖,殷以斝,周以爵。 灌尊,夏后氏以雞夷。殷以斝,周以黃目。 其勺,夏后氏以龍勺,殷以疏勺,周以蒲勺。 土鼓蕢桴葦龠,伊耆氏之樂也。拊搏玉磬揩擊,大琴大瑟,中琴小瑟,四代之樂器也。

新字:爵,夏后氏以琖,殷以斝,周以爵。 灌尊,夏后氏以鶏夷。殷以斝,周以黄目。 其勺,夏后氏以竜勺,殷以疏勺,周以蒲勺。 土鼓蕢桴葦龠,伊耆氏之楽也。拊搏玉磬揩撃,大琴大瑟,中琴小瑟,四代之楽器也。

書き下し

爵は、夏后氏は琖(さん)を以てし、殷は斝(か)を以てし、周は爵を以てす。 灌尊は、夏后氏は鶏夷(けいい)を以てし、殷は斝を以てし、周は黄目を以てす。 其の勺(しゃく)は、夏后氏は竜勺を以てし、殷は疏勺を以てし、周は蒲勺を以てす。 土鼓・蕢桴(かいふ)・葦籥(いやく)は、伊耆氏の楽なり。拊搏(ふはく)・玉磬・揩撃(かいげき)、大琴・大瑟・中琴・小瑟は、四代の楽器なり。

現代語訳

杯について、夏后氏は琖(玉の杯)を用い、殷は斝(三本脚の杯)を用い、周は爵(雀形の杯)を用いた。 灌の酒を入れる樽について、夏后氏は鶏夷(鶏の模様の樽)を用い、殷は斝を用い、周は黄目を用いた。 その樽から酒を汲む勺について、夏后氏は竜の頭の形の勺を用い、殷は透かし彫りの勺を用い、周は蒲の模様の勺を用いた。 土で作った太鼓、土を固めた撥、葦の笛は、伊耆氏(古の帝王)の楽である。拊搏(革に糠を詰めた打楽器)、玉の磬、揩撃(柷や敔などの打楽器)、大きな琴、大きな瑟、中くらいの琴、小さな瑟は、四代にわたって用いられた楽器である。

解説

四代の杯、灌の酒樽、酒を汲む勺、そして楽器を並べた段である。夏は琖、殷は斝、周は爵と、同じ用途の器でも代によって形や名が異なることが示される。灌の酒樽の黄目は、郊特牲篇で「鬱気の上尊」として説明されていたものである。後段では、土の太鼓や葦の笛といった伊耆氏の素朴な楽器が挙げられている。伊耆氏は郊特牲篇で蠟の祭を始めたとされた古の帝王で、土や草で作った楽器は、礼楽の起源がごく素朴なものであったことを示唆している。礼運篇にも、太古の人々は土を固めて撥とし、土の太鼓を打って鬼神に敬意を表したという記述がある。そこから四代を経て、玉の磬や大小の琴瑟が整えられていった。楽器の変遷は、そのまま文明の積み重ねを映している。どれほど洗練されても、始まりの素朴な姿を忘れないことが大切だと、礼記は繰り返し教えている。

この章句が説くこと

礼記明堂位楽器酒器四代

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