礼記 / 礼器
喪祭之用,賓客之交,義也。 羔、豚而祭,百官皆足;大牢而祭,不必有餘,此之謂稱也。諸侯以龜為寶,以圭為瑞。家不寶龜,不藏圭,不臺門,言有稱也。 禮,有以多為貴者:天子七廟,諸侯五,大夫三,士一。天子之豆二十有六,諸公十有六,諸侯十有二,上大夫八,下大夫六。諸侯七介、七牢,大夫五介、五牢。天子之席五重,諸侯之席三重,大夫再重。天子崩,七月而葬,五重八翣;諸侯五月而葬,三重六翣;大夫三月而葬,再重四翣。此以多為貴也。
新字:喪祭之用,賓客之交,義也。 羔、豚而祭,百官皆足;大牢而祭,不必有余,此之謂称也。諸侯以亀為宝,以圭為瑞。家不宝亀,不蔵圭,不台門,言有称也。 礼,有以多為貴者:天子七廟,諸侯五,大夫三,士一。天子之豆二十有六,諸公十有六,諸侯十有二,上大夫八,下大夫六。諸侯七介、七牢,大夫五介、五牢。天子之席五重,諸侯之席三重,大夫再重。天子崩,七月而葬,五重八翣;諸侯五月而葬,三重六翣;大夫三月而葬,再重四翣。此以多為貴也。
書き下し
喪祭の用、賓客の交わりは、義なり。 羔(こう)・豚にして祭りて、百官皆足り、大牢にして祭りて、必ずしも余り有らず。此れを之れ称と謂うなり。諸侯は亀を以て宝と為し、圭を以て瑞と為す。家は亀を宝とせず、圭を蔵せず、台門せず。称有るを言うなり。 礼に、多きを以て貴しと為す者有り。天子は七廟、諸侯は五、大夫は三、士は一。天子の豆は二十有六、諸公は十有六、諸侯は十有二、上大夫は八、下大夫は六。諸侯は七介・七牢、大夫は五介・五牢。天子の席は五重、諸侯の席は三重、大夫は再重。天子崩ずれば、七月にして葬り、五重八翣(そう)。諸侯は五月にして葬り、三重六翣。大夫は三月にして葬り、再重四翣。此れ多きを以て貴しと為すなり。
現代語訳
喪礼や祭礼に用いる物、賓客との交わりは、宜(ほどよさ)にかかわるものである。 小羊や子豚で祭っても、それに仕える役人たちにみな行き渡り、牛・羊・豚をそろえた大牢(たいろう、最上の供物)で祭っても、必ずしも余りが出るわけではない。これを称(釣り合い)という。諸侯は亀甲を宝とし、圭(けい、玉の笏)を身分の証とする。大夫の家は亀甲を宝とせず、圭をしまい置かず、門の上に楼台を設けない。これは身分に釣り合うことを言うのである。 礼には、数の多いことを尊いとするものがある。天子は七つの廟、諸侯は五つ、大夫は三つ、士は一つ。天子の供物の豆(たかつき)は二十六、公は十六、諸侯は十二、上大夫は八、下大夫は六。諸侯は七人の介(副使)と七牢の饗応、大夫は五人の介と五牢の饗応。天子の敷物は五枚重ね、諸侯は三枚重ね、大夫は二枚重ね。天子が崩じれば七か月後に葬り、棺を包む外椁は五重、翣(そう、棺を飾る扇形の飾り)は八つ。諸侯は五か月後に葬り、三重で翣は六つ。大夫は三か月後に葬り、二重で翣は四つ。これが数の多いことを尊いとするものである。
解説
この章句が説くこと
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礼記・礼器少なきを以て貴しと為す者有り。天子は介無し。天を祭るに特牲(とくせい)。天子諸侯に適けば、諸侯膳するに犢(とく)を以てす。諸侯相朝するに、灌(かん)するに鬱鬯(うっちょう)を用い、籩・豆の薦(せん)無し。大夫の聘礼には脯(ほ)・醢(かい)を以てす。天子は一食、諸侯は再、大夫士は三、食力は数無し。大路は繁纓(はんえい)一就、次路は繁纓七就。圭・璋は特にし、琥(こ)・璜(こう)は爵す。鬼神の祭は単席。諸侯朝を視るに、大夫は特にし、士は之を旅(りょ)にす。此れ少なきを以て貴しと為すなり。
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礼記・礼器礼に文を以て貴しと為す者有り。天子は竜袞(りょうこん)、諸侯は黼(ほ)、大夫は黻(ふつ)、士は玄衣纁裳(げんいくんしょう)。天子の冕(べん)は、朱緑の藻(そう)、十有二旒(りゅう)、諸侯は九、上大夫は七、下大夫は五、士は三。此れ文を以て貴しと為すなり。 素を以て貴しと為す者有り。至敬は文無く、父党は容無く、大圭は琢(たく)せず、大羹(たいこう)は和せず、大路は素にして越席(かっせき)、犠尊(ぎそん)は疏布の鼏(べき)、樿杓(せんしゃく)。此れ素を以て貴しと為すなり。孔子曰く、「礼は、省みざるべからざるなり。礼は同じからず、豊かにせず、殺(そ)がず」と。此れの謂いなり。蓋し称を言うなり。
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礼記・礼器高きを以て貴しと為す者有り。天子の堂は九尺、諸侯は七尺、大夫は五尺、士は三尺。天子諸侯は台門す。此れ高きを以て貴しと為すなり。 下きを以て貴しと為す者有り。至敬は壇せず、地を埽(はら)いて祭る。天子諸侯の尊は禁(きん)を廃し、大夫士は棜(よ)・禁す。此れ下きを以て貴しと為すなり。
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礼記・王制天子・諸侯は、因国(いんこく)の其の地に在りて主後無き者を祭る。 天子は犆礿(とくやく)し、祫禘(こうてい)し、祫嘗し、祫烝す。諸侯は礿すれば則ち禘せず、禘すれば則ち嘗せず、嘗すれば則ち烝せず、烝すれば則ち礿せず。諸侯の礿は犆、禘は一たびは犆し一たびは祫し、嘗は祫し、烝は祫す。 天子の社稷は皆大牢(たいろう)、諸侯の社稷は皆少牢(しょうろう)。大夫・士の宗廟の祭は、田有れば則ち祭り、田無ければ則ち薦む。庶人は春に韭(にら)を薦め、夏に麦を薦め、秋に黍(きび)を薦め、冬に稲を薦む。韭は卵を以てし、麦は魚を以てし、黍は豚を以てし、稲は鴈(がん)を以てす。天地を祭るの牛は角繭栗(けんりつ)、宗廟の牛は角握(あく)、賓客の牛は角尺。諸侯は故無くして牛を殺さず、大夫は故無くして羊を殺さず、士は故無くして犬豕(けんし)を殺さず、庶人は故無くして珍を食らわず。
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礼記・礼器大を以て貴しと為す者有り。宮室の量、器皿の度、棺椁(かんかく)の厚さ、丘封の大いさ。此れ大を以て貴しと為すなり。 小を以て貴しと為す者有り。宗廟の祭に、貴き者は献ずるに爵を以てし、賤しき者は献ずるに散(さん)を以てす。尊き者は觶(し)を挙げ、卑しき者は角を挙ぐ。五献の尊は、門外には缶(ふ)、門内には壺、君の尊は瓦甒(がぶ)。此れ小を以て貴しと為すなり。
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礼記・礼器一献は質、三献は文、五献は察、七献は神。 大饗は、其れ王の事か。三牲・魚・腊(せき)は、四海九州の美味なり。籩・豆の薦は、四時の和気なり。金を内(い)るるは、和を示すなり。束帛に璧を加うるは、徳を尊ぶなり。亀を前列と為すは、知を先にするなり。金之に次ぐは、情を見(しめ)すなり。丹・漆・糸・纊(こう)・竹・箭は、衆と財を共にするなり。其の余は常の貨無く、各々其の国の有る所を以てす。則ち遠物を致すなり。其の出づるや、肆夏(しか)して之を送る。蓋し礼を重んずるなり。
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