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礼記 / 月令

是月也,命奄尹申宮令,審門閭,謹房室,必重閉。省婦事,毋得淫,雖有貴戚近習,毋有不禁。 乃命大酋,秫稻必齊,麴糱必時,湛熾必絜,水泉必香,陶器必良,火齊必得,兼用六物。大酋監之,毋有差貸。

新字:是月也,命奄尹申宮令,審門閭,謹房室,必重閉。省婦事,毋得淫,雖有貴戚近習,毋有不禁。 乃命大酋,秫稲必斉,麴糱必時,湛熾必絜,水泉必香,陶器必良,火斉必得,兼用六物。大酋監之,毋有差貸。

書き下し

是の月や、奄尹(えんいん)に命じて宮令を申(かさ)ね、門閭(もんりょ)を審らかにし、房室を謹み、必ず重ねて閉ざさしむ。婦事を省き、淫(ほしいまま)なるを得ること毋からしめ、貴戚(きせき)近習(きんしゅう)有りと雖も、禁ぜざること有る毋からしむ。 乃ち大酋(たいしゅう)に命じて、秫稲(じゅつとう)は必ず斉(ととの)い、麴糱(きくげつ)は必ず時にし、湛熾(たんし)は必ず絜(いさぎよ)く、水泉は必ず香(かんば)しく、陶器は必ず良く、火斉(かせい)は必ず得しめ、兼ねて六物を用いしむ。大酋之を監し、差貸(さたい)有る毋からしむ。

現代語訳

この月には、奄尹(えんいん、宦官を束ねる長官)に命じて宮中の禁令を重ねて申し渡させ、門や里の出入りをよく調べ、部屋部屋の戸締まりを慎み、必ず二重に閉ざさせる。後宮の女性たちの手仕事を減らし、勝手気ままなことをさせず、たとえ身分の高い外戚や君主の側近であっても、禁令の外に置くことがないようにさせる。 そこで大酋(たいしゅう、酒造りの官の長)に命じて、酒を造らせる。原料の秫(もちあわ)と稲は必ずよく熟したものをそろえ、麹(こうじ)は必ず時節どおりに仕込み、米を水に漬けて蒸すことは必ず清潔にし、水は必ず香りのよい清らかなものを用い、甕などの陶器は必ず良い品を使い、火加減は必ず適切にし、この六つのことをすべて備えさせる。大酋がこれを監督し、手違いのないようにさせる。

解説

仲冬の政令の続きで、宮中の戸締まりと酒造りを定める。前段で天地の「閉蔵」に合わせて工事を禁じたのと同じく、ここでは宮中の門と部屋を二重に閉ざし、後宮の仕事も減らして静かに過ごさせる。高位の外戚や側近でさえ例外にしないという一句は、禁令が身分によって崩れやすいことをよく知った上での念押しである。後半は酒の仕込みで、孔穎達の疏は「六物」を、秫稲・麴・湛熾・水泉・陶器・火斉の六つの事と数える。鄭玄は大酋を酒官の長で、周の官制では酒人に当たるとする。冬の酒は年末年始の祭祀に供えるもので、その品質を六つの点検項目に分けて長官に監督させるのは、祭りへの誠意を具体的な手順に落としたものといえる。材料・時期・清潔・水・器・火加減という数え方は、いまの品質管理の点検表とも変わらない。

この章句が説くこと

礼記月令酒宮中品質

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