礼記 / 月令
百工咸理,監工日號;毋悖于時,毋或作為淫巧以蕩上心。 是月之末,擇吉日,大合樂,天子乃帥三公、九卿、諸侯、大夫親往視之。 是月也,乃合累牛、騰馬,遊牝于牧。犧牲、駒、犢,舉,書其數。
新字:百工咸理,監工日号;毋悖于時,毋或作為淫巧以蕩上心。 是月之末,択吉日,大合楽,天子乃帥三公、九卿、諸侯、大夫親往視之。 是月也,乃合累牛、騰馬,遊牝于牧。犠牲、駒、犢,舉,書其数。
書き下し
百工咸(みな)理(おさ)まり、監工日に号(ごう)す。時に悖(もと)ること毋く、或いは淫巧を作為して以て上の心を蕩(うご)かすこと毋かれ、と。 是の月の末、吉日を択びて、大いに楽を合わせ、天子乃ち三公・九卿・諸侯・大夫を帥いて親ら往きて之を視る。 是の月や、乃ち累牛(るいぎゅう)・騰馬(とうば)を合わせ、牝を牧に遊ばしむ。犠牲・駒・犢(とく)、挙げて其の数を書す。
現代語訳
多くの工人がみな仕事に取りかかると、工事を監督する者は毎日号令して言う。「季節に背いてはならない。度を過ぎた巧みな細工を作って、君主の心を惑わせてはならない」。 この月の末に、吉日を選んで盛大に音楽を合奏し、天子は三公・九卿・諸侯・大夫を率いてみずから出向いてこれを見る。 この月、繁殖用の牡牛と牡馬を牝と合わせ、牝を牧場に放つ。いけにえ用の家畜や子馬・子牛は、すべて数を調べて帳簿に記す。
解説
工人への戒め、学校での大合楽、家畜の繁殖の三つを述べる段である。監工が毎日号令するのは、季節に合わない物を作らせないことと、「淫巧」すなわち度を過ぎた凝った細工で上に立つ者の心を奢りへ誘わないことである。技巧そのものを否定するのではなく、用に役立たず欲を刺激するだけの贅沢品が国を傾けるという警戒が込められている。最後に、繁殖用の牡の牛と馬を牝と合わせて牧場に放ち、いけにえや子馬・子牛の数を帳簿に記す。仲春の祭りにいけにえを用いなかったのは、鄭玄の注によればこの繁殖に備えるためであり、二つの段は一続きの配慮になっている。見栄えのための過剰な作り込みを戒め、実際の用に役立つものを求めるという視点は、今の製品づくりや資料づくりにもそのまま通じる。
この章句が説くこと
礼記月令淫巧礼楽牧畜
関連する章句
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礼記・月令是の月や、耕す者少しく舎(や)む。乃ち闔扇(こうせん)を脩め、寝廟畢(ことごと)く備う。大事を作(おこ)して、以て農の事を妨ぐること毋かれ。是の月や、川沢を竭(つ)くすこと毋く、陂池(ひち)を漉(から)すこと毋く、山林を焚くこと毋かれ。 天子乃ち羔(こひつじ)を鮮(ささ)げて冰を開き、先ず寝廟に薦む。 上丁(じょうてい)、楽正に命じて舞を習わしめ、菜を釈(お)かしむ。天子乃ち三公・九卿・諸侯・大夫を帥いて親ら往きて之を視る。仲丁、又楽正に命じて学に入りて楽を習わしむ。
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礼記・月令是の月や、楽正(がくせい)に命じて学に入りて舞を習わしむ。乃ち祭典を脩む。山林川沢を祀らしめ、犠牲に牝(ひん)を用うること毋からしむ。 木を伐ることを禁止す。巣を覆すこと毋く、孩虫(がいちゅう)・胎・夭(よう)・飛鳥を殺すこと毋く、麛(べい)すること毋く、卵すること毋し。大衆を聚むること毋く、城郭を置くこと毋し。骼(かく)を掩(おお)い胔(し)を埋む。 是の月や、以て兵を称(あ)ぐべからず、兵を称ぐれば必ず天殃(てんおう)あり。兵戎起こらざれば、我より始むべからず。天の道を変ずること毋く、地の理を絶つこと毋く、人の紀を乱すこと毋かれ。
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