礼記 / 月令
芸始生,荔挺出,蚯蚓結,麋角解,水泉動。 日短至,則伐木,取竹箭。是月也,可以罷官之無事、去器之無用者。 塗闕廷、門閭,築囹圄,此以助天地之閉藏也。 仲冬行夏令,則其國乃旱,氛霧冥冥,雷乃發聲。行秋令,則天時雨汁,瓜瓠不成,國有大兵。行春令,則蝗蟲為敗,水泉咸竭,民多疥癘。
新字:芸始生,荔挺出,蚯蚓結,麋角解,水泉動。 日短至,則伐木,取竹箭。是月也,可以罷官之無事、去器之無用者。 塗闕廷、門閭,築囹圄,此以助天地之閉蔵也。 仲冬行夏令,則其国乃旱,氛霧冥冥,雷乃発声。行秋令,則天時雨汁,瓜瓠不成,国有大兵。行春令,則蝗虫為敗,水泉咸竭,民多疥癘。
書き下し
芸(うん)始めて生じ、荔(れい)挺(ぬき)んで出で、蚯蚓(きゅういん)結び、麋角(びかく)解け、水泉動く。 日短至れば、則ち木を伐り、竹箭(ちくせん)を取る。是の月や、以て官の事無きと器の用無き者とを罷(や)め去るべし。 闕廷(けってい)・門閭を塗り、囹圄(れいご)を築く、此れ以て天地の閉蔵を助くるなり。 仲冬に夏の令を行えば、則ち其の国乃ち旱(ひでり)し、氛霧(ふんむ)冥冥として、雷乃ち声を発す。秋の令を行えば、則ち天時に雨汁(うじゅう)ふり、瓜瓠(かこ)成らず、国に大兵有り。春の令を行えば、則ち蝗虫(こうちゅう)敗を為し、水泉咸(ことごと)く竭(つ)き、民に疥癘(かいれい)多し。
現代語訳
芸(うん、香草の名)が芽生え、荔(れい、馬藺という草)が伸び出し、みみずは土の中で身を丸め、大鹿の角が抜け落ち、地下の水が動き出す。 冬至を迎えたら、木を伐り、矢に用いる竹を切り取る。この月には、仕事のない官職と、用のない器物とを廃して取り除いてよい。 宮門や朝廷、町の門を塗り固め、牢獄を築く。これは天地が万物を閉ざし蓄えるのを助けるためである。 仲冬に夏の政令を行えば、その国は日照りとなり、もやや霧が立ちこめて暗くなり、季節外れの雷が鳴る。秋の政令を行えば、雨に雪の混じったものが降り、瓜や瓢箪が実らず、国に大きな戦が起こる。春の政令を行えば、いなごが作物を損ない、泉がことごとく涸れ、民に疥癬やはやり病が多くなる。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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礼記・月令孟冬に春の令を行えば、則ち凍閉密ならず、地気上泄し、民多く流亡す。夏の令を行えば、則ち国に暴風多く、方(まさ)に冬にして寒からず、蟄虫復た出づ。秋の令を行えば、則ち雪霜時ならず、小兵時に起こり、土地侵削せらる。 仲冬の月、日は斗(と)に在り、昏に東壁中し、旦に軫(しん)中す。其の日は壬癸。其の帝は顓頊、其の神は玄冥。其の虫は介。其の音は羽、律は黄鍾に中る。其の数は六。其の味は鹹、其の臭は朽。其の祀りは行、祭るに腎を先にす。
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礼記・月令孟春に夏の令を行えば、則ち雨水時ならず、草木蚤(はや)く落ち、国時に恐れ有り。秋の令を行えば、則ち其の民大いに疫(えき)し、猋風(ひょうふう)暴雨総(すべ)て至り、藜(あかざ)・莠(はぐさ)・蓬(よもぎ)・蒿(よもぎ)並び興る。冬の令を行えば、則ち水潦(すいろう)敗を為し、雪霜大いに摯(いた)り、首種(しゅしゅ)入らず。 仲春の月、日は奎(けい)に在り、昏に弧(こ)中し、旦に建星中す。其の日は甲乙、其の帝は大皞、其の神は句芒。其の虫は鱗。其の音は角、律は夾鍾(きょうしょう)に中る。其の数は八。其の味は酸、其の臭は羶、其の祀りは戸、祭るに脾を先にす。
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礼記・月令天子、有司に命じて四海・大川・名源・淵沢・井泉を祈祀せしむ。 是の月や、農に収蔵積聚せざる者有り、馬牛畜獣に放佚(ほういつ)する者有らば、之を取るも詰(とが)めず。山林藪沢(そうたく)に、能く蔬食(そし)を取り、禽獣を田猟する者有らば、野虞(やぐ)之を教道す。其の相侵奪する者有らば、之を罪して赦さず。是の月や、日短至る。陰陽争い、諸生蕩(うご)く。君子は斉戒(さいかい)し、処(お)るに必ず身を掩(おお)う。身は寧(やす)からんことを欲し、声色を去り、耆慾(しよく)を禁ず。形性を安んじ、事は静かならんことを欲し、以て陰陽の定まる所を待つ。
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礼記・月令季冬に秋の令を行えば、則ち白露蚤(はや)く降り、介虫妖を為し、四鄙(しひ)保に入る。春の令を行えば、則ち胎夭(たいよう)多く傷(そこな)われ、国に固疾(こしつ)多し、之に命じて逆と曰う。夏の令を行えば、則ち水潦(すいろう)国を敗り、時雪降らず、冰凍消釈す。
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礼記・月令凡そ大事を挙ぐるには、大数に逆らうこと毋く、必ず其の時に順い、慎んで其の類に因れ。 仲秋に春の令を行えば、則ち秋雨降らず、草木生栄し、国乃ち恐れ有り。夏の令を行えば、則ち其の国乃ち旱し、蟄虫蔵れず、五穀復た生ず。冬の令を行えば、則ち風災数(しばしば)起こり、収雷先んじて行われ、草木蚤く死す。
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礼記・月令冰(こおり)益々壮(さか)んにして、地始めて坼(さ)く。鶡旦(かつたん)鳴かず、虎始めて交わる。 天子は玄堂の大廟に居り、玄路(げんろ)に乗り、鉄驪(てつり)に駕し、玄旂(げんき)を載せ、黒衣を衣(き)、玄玉を服す。黍(きび)と彘(ぶた)とを食らい、其の器は閎(ひろ)くして以て奄(ふか)し。 死事を飭(ととの)う。有司に命じて曰く、「土事は作(おこ)すこと毋(な)かれ、慎みて蓋(おお)いを発(ひら)くこと毋かれ、室屋を発き及び大衆を起こすこと毋かれ、以て固くして閉ざせ。地気沮泄(そせつ)すれば、是れを天地の房を発くと謂い、諸蟄(しょちつ)は則ち死し、民は必ず疾疫あり、又随うに喪を以てす。之に命じて暢月(ちょうげつ)と曰う」と。
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