礼記 / 月令
乃命有司曰:「寒氣總至,民力不堪,其皆入室。」 上丁,命樂正入學習吹。 是月也,大饗帝,嘗,犧牲告備于天子。 合諸侯,制百縣,為來歲受朔日,與諸侯所稅於民輕重之法,貢職之數,以遠近土地所宜為度,以給郊廟之事,無有所私。
新字:乃命有司曰:「寒気総至,民力不堪,其皆入室。」 上丁,命楽正入学習吹。 是月也,大饗帝,嘗,犠牲告備于天子。 合諸侯,制百県,為来歳受朔日,与諸侯所税於民軽重之法,貢職之数,以遠近土地所宜為度,以給郊廟之事,無有所私。
書き下し
乃ち有司に命じて曰く、「寒気総(すべ)て至り、民力堪えず、其れ皆室に入れ」と。 上丁、楽正に命じて学に入りて吹(すい)を習わしむ。 是の月や、大いに帝を饗し、嘗(しょう)す、犠牲備わると天子に告ぐ。 諸侯を合わせ、百県を制し、来歳の為に朔日と、諸侯の民に税する所の軽重の法と、貢職の数とを受けしめ、遠近土地の宜しき所を以て度と為し、以て郊廟の事に給し、私する所有る無し。
現代語訳
そこで役人に命じて言う。「寒気がいっせいにやって来て、民の力では耐えられない。みな家の中に入れ」。 上旬の丁の日に、楽正に命じて学校に入らせ、管楽器の吹奏を習わせる。 この月、上帝を盛大に祀り、嘗(秋の宗廟の祭り)を行い、いけにえの準備が整ったことを天子に報告する。 諸侯を集め、各県の制度を定め、来年の暦(毎月の朔日)と、諸侯が民に課す税の軽重の規則と、貢ぎ物の数量とを授け、それらは都からの遠近と土地に適した産物を基準として定め、郊外の祭りや宗廟の祭りの費用にあて、私することのないようにする。
解説
季秋に民を寒さから守る命令、学校での吹奏の稽古、上帝と宗廟の大祭、そして来年の暦と税制の頒布を述べる段である。来年の暦を諸侯に授けることは、天子が時を定める者であることを示す重要な儀礼であった。『論語』八佾篇で、子貢が毎月の朔日を告げる儀礼に供える羊を廃止しようとしたとき、孔子が「賜や、汝は其の羊を愛しむ、我は其の礼を愛しむ」と答えたのも、この暦の頒布とその儀礼に関わる話である。税と貢ぎ物は都からの遠近と土地の産物を基準に定め、祭祀の費用にあてて私することがないようにするとされ、負担の基準と使い道を公に定めることが求められている。一年の終わりに次の年の暦と負担の決まりを示しておくという段取りは、組織が年度末に翌年の予定と予算を示して、人々が安心して準備できるようにすることに通じている。
この章句が説くこと
礼記月令暦税制告朔
関連する章句
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呂氏春秋・季秋④是の月や、大いに帝を饗し、犧牲を嘗す。備わるるを天子に告ぐ。諸侯を合わせ、百縣に制し、來歲の為に朔日と、諸侯が民に税する所の輕重の法とを受く。貢職の數は、遠近と土地の宜しき所とを以て度と為し、以て郊廟の事に給し、私する所有る無からしむ。
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礼記・月令天子は総章の右个に居り、戎路に乗り、白駱に駕し、白旂を載せ、白衣を衣、白玉を服ぶ。麻と犬とを食らい、其の器は廉ありて以て深し。 是の月や、号令を申厳す。百官貴賤に命じて内(おさ)むるを務めざる無からしめ、以て天地の蔵に会し、宣出すること有る無し。 乃ち冢宰(ちょうさい)に命じ、農事備(ことごと)く収まれば、五穀の要を挙げ、帝藉の収を神倉に蔵し、祗敬(しけい)して必ず飭(つつし)ましむ。是の月や、霜始めて降れば、則ち百工休む。
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礼記・月令天子乃ち公・卿・大夫と共に国典を飭(ととの)え、時令を論じ、以て来歳の宜しきを待つ。 乃ち大史(たいし)に命じて諸侯の列を次(つい)で、之に犠牲を賦し、以て皇天・上帝・社稷の饗に共せしむ。乃ち同姓の邦に命じて寝廟の芻豢(すうかん)を共せしむ。宰に命じて卿大夫より庶民に至るまでの土田の数を歴(しる)し、而して犠牲を賦し、以て山林名川の祀に共せしむ。凡そ天下九州の民に在る者は、咸(ことごと)く其の力を献じ、以て皇天・上帝・社稷・寝廟・山林・名川の祀に共せざるは無し。
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礼記・月令是の月や、草木黄落し、乃ち薪を伐りて炭と為す。 蟄虫咸(みな)俯(ふ)して内に在り、皆其の戸を墐(ぬ)る。乃ち獄刑を趣(うなが)し、有罪を留むること毋し。禄秩の当たらざるもの、供養の宜しからざる者を収む。 是の月や、天子乃ち犬を以て稲を嘗み、先ず寝廟に薦む。 季秋に夏の令を行えば、則ち其の国大いに水あり、冬蔵殃敗(おうはい)し、民に鼽嚏(きゅうてい)多し。冬の令を行えば、則ち国に盗賊多く、辺竟(へんきょう)寧からず、土地分裂す。春の令を行えば、則ち煖風来たり至り、民気解惰し、師興りて居らず。
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礼記・月令是の月や、大いに飲烝(いんじょう)す。 天子乃ち来年を天宗(てんそう)に祈り、大いに割(さ)きて公社及び門閭に祠る。先祖・五祀に臘(ろう)し、農を労いて以て之を休息せしむ。 天子乃ち将帥に命じて武を講じ射御角力を習わしむ。 是の月や、乃ち水虞(すいぐ)・漁師に命じて水泉池沢の賦を収めしむ。或いは敢えて衆庶兆民を侵削して、以て天子の為に怨みを下に取ること毋かれ。其れ此くの若き者有らば、罪を行いて赦す無し。
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礼記・月令天子は明堂の右个に居り、朱路に乗り、赤駵に駕し、赤旂を載せ、朱衣を衣、赤玉を服ぶ。菽と雞とを食らい、其の器は高くして以て粗いなり。 漁師に命じて蛟(こう)を伐ち鼉(だ)を取り、亀を登(たてまつ)り黿(げん)を取らしむ。沢人に命じて材葦(ざいい)を納めしむ。 是の月や、四監に命じて大いに百県の秩芻(ちつすう)を合わせ、以て犠牲を養わしむ。民に令して咸(みな)其の力を出ださざること無からしめ、以て皇天・上帝・名山・大川・四方の神に共(きょう)し、以て宗廟社稷の霊を祠り、以て民の為に福を祈る。
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