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礼記 / 月令

是月也,玄鳥至。至之日,以大牢祠于高禖。天子親往,后妃帥九嬪御。乃禮天子所御,帶以弓韣,授以弓矢,于高禖之前。 是月也,日夜分。雷乃發聲,始電,蟄蟲咸動,啟戶始出。先雷三日,奮木鐸以令兆民曰:「雷將發聲,有不戒其容止者,生子不備,必有凶災。」日夜分,則同度量,鈞衡石,角斗甬,正權概。

新字:是月也,玄鳥至。至之日,以大牢祠于高禖。天子親往,后妃帥九嬪御。乃礼天子所御,帯以弓韣,授以弓矢,于高禖之前。 是月也,日夜分。雷乃発声,始電,蟄虫咸動,啓戸始出。先雷三日,奮木鐸以令兆民曰:「雷将発声,有不戒其容止者,生子不備,必有凶災。」日夜分,則同度量,鈞衡石,角斗甬,正権概。

書き下し

是の月や、玄鳥(げんちょう)至る。至るの日、大牢(たいろう)を以て高禖(こうばい)に祠(まつ)る。天子親ら往き、后妃は九嬪(きゅうひん)を帥いて御す。乃ち天子の御する所を礼し、帯ぶるに弓韣(きゅうとく)を以てし、授くるに弓矢を以てす、高禖の前に于(おい)てす。 是の月や、日夜分かる。雷乃ち声を発し、始めて電(いなびかり)し、蟄虫咸(みな)動き、戸を啓きて始めて出づ。雷に先だつこと三日、木鐸(ぼくたく)を奮いて以て兆民に令して曰く、「雷将に声を発せんとす。其の容止を戒めざる者有らば、子を生むこと備わらず、必ず凶災有らん」と。日夜分かるれば、則ち度量を同じくし、衡石(こうせき)を鈞(ひと)しくし、斗甬(とよう)を角(はか)り、権概(けんがい)を正す。

現代語訳

この月、燕がやって来る。燕が来た日に、大牢(牛・羊・豚の三種のいけにえ)を用いて高禖(子授けの神)を祀る。天子はみずから出向き、后妃は九嬪(天子の側室たち)を率いて付き従う。そこで天子の寵愛を受けて身ごもった者を礼遇し、弓袋を帯びさせ、弓矢を授ける。これを高禖の神の前で行う。 この月、昼と夜の長さが等しくなる(春分)。雷が声を発しはじめ、稲妻が光りはじめ、冬ごもりの虫はみな動き出し、穴の戸口を開いて出てくる。雷が鳴る三日前に、木鐸(木の舌の鈴)を振り鳴らして万民に告げる。「雷が鳴りはじめようとしている。立ち居振る舞いを慎まない者があれば、生まれる子は体が十分に備わらず、必ず凶事や災いがあるだろう」。昼夜が等しくなったときには、長さと容量の単位をそろえ、重さの基準である衡と石を等しくし、斗や甬(ます)を比べ正し、はかりの分銅(権)と升かき(概)を正しくする。

解説

燕の到来に合わせて高禖を祀る礼と、春分に関わる政令を述べる段である。高禖は子授けの神で、燕が来る日に大牢を供えて祀るのは、燕が子を生み育てる季節の鳥とされたことによる。天子が后妃・九嬪を伴って参り、身ごもった者に弓袋と弓矢を授けるのは、男子の誕生を祈る意味をもつ。後半は春分の記述で、雷が鳴り始める三日前に木鐸を鳴らして民に振る舞いを慎むよう告げる。ここでの戒めは、雷の時期に身を慎まなければ生まれる子に障りがあるという当時の信仰を示している。さらに昼夜の長さが等しくなる春分に、度量衡の基準をそろえ正すのは、天地が均衡する時に人の世の基準も均しくするという発想である。自然の節目を社会の基準を点検する機会とする考え方は、定期的に仕組みや規則を見直す今日の習慣にも通じている。

この章句が説くこと

礼記月令春分度量衡祈子

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