呂氏春秋 / 仲春③
是月也,玄鳥至。至之日,以太牢祀于高禖。天子親往,后妃率九嬪御,乃禮天子所御,帶以弓韣,授以弓矢于高禖之前。
新字:是月也,玄鳥至。至之日,以太牢祀于高禖。天子親往,后妃率九嬪御,乃礼天子所御,帯以弓韣,授以弓矢于高禖之前。
書き下し
是の月や、玄鳥至る。至るの日は、太牢を以て高禖に祀る。天子親ら往き、后妃、九嬪を率いて御る。乃ち天子の御する所を禮し、帯びしむるに弓韣を以てし、授くるに弓矢を以てし、高禖の前に于てす。
現代語訳
この月には玄鳥(つばめ)が渡ってくる。その来る日には、太牢(牛・羊・豕のいけにえ)をもって高禖(子授けの神)をまつる。天子はみずから出向き、后妃は九人の嬪(側室)を率いてつき従う。そこで天子が寵愛した妃を礼遇し、弓袋を帯びさせ、弓矢を授けて、高禖の神前でこれを行う。
解説
この段は、つばめの飛来を合図に行う高禖(こうばい)の祭り、すなわち子授けを祈る儀礼を描きます。天子みずから后妃・嬪たちを率いて出向き、太牢を供え、寵愛した妃に弓袋と弓矢を授けます。弓矢は男子誕生を願う象徴とされます。呂氏春秋の月令は、季節の巡りと生命の繁殖を結びつけ、王家の子孫繁栄を天地の運行のなかに位置づけています。渡り鳥の到来という自然のしるしを、人の営みの節目とする点に特色があります。現代でも、自然界の兆しを暮らしや行事の区切りとして受けとめる感性の源流を、ここに見ることができます。
この章句が説くこと
仲春高禖玄鳥子授け太牢后妃
関連する章句
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